でお屋敷に戻ったら、レイちゃんには可愛いメイド服を着せますっ
ああ、寧が進行役をやってくれると話が、早い
ブルルルル
渚の携帯が振動する
あら、何かしら
電話に出る渚
電話のスピーカーから聞こえてくる声は
ママー、お腹空いたぁぁ
あ、いっけねぇ
早く、戻らないとみんな、晩ご飯を待っていてくれているんだっけ
やっと麗華がどんな子で、どう対処したら良いのか判りました
これで大問題なのは、雪乃と美子さんだけです
414.かいわれ、まきまき
慌てて、車を飛ばして5分でお屋敷へ
学校のすぐ近くで、良かった
門の前の香月セキュリティ・サービスの監視車の連中が、敬礼したのは助手席に麗華が乗っていたからだろう
やっぱり、男装姿の麗華は目立つ
もおぉぉおそい、おそいよおっ
玄関まで、真緒ちゃんと克子姉が出迎えてくれた
ごめんなさいねっ
渚が、娘を抱き締める
さぁっ、みんな待っているよ
母の胸に抱かれて、真緒ちゃんは微笑む
えっと晩ご飯も、アニエスの部屋だよね
オレが克子姉に尋ねると
ええ、きっとビックリすると思うわ
恭子さんたちがあっという間に、工事しちゃったのよ
工事
行ってみれば、判るわ
とにかく、みんなをこれ以上待たせてはいけない
オレたちは制服を着替えたりもしないで、そのままアニエスの地下室に向かう
おっやっと、到着だね
恭子さんやミス・コーデリアたちが出迎えてくれた部屋は
2倍の広さになっていた
隣の部屋と仕切っていた壁が取り払われて
帰りに、チェーン・ソウを買って来たんだよそれで、一気にやっまった大きなブロックで切り出したから、廃材ももうそのまま上の階へ運んじまったよその辺に転がしておくと、小さな子には危ないからね
さすが恭子さん仕事が早い
というかチェーン・ソウって、そんなに気軽に買って来ちゃうものなんだ
これだけ広くなったらここで、トレーニングもできるしね
うん、確かにバスケットボールができそうなくらいの広さになった
ていうかこれが、元々の部屋の大きさだ
この地下室はお屋敷に来るお客のためのアトリエだったそうだから
美術好きの人が娼婦をモデルに絵を描くための
アニエスは、急に拡大した部屋に戸惑っているようだ
ぴったりと、マナと瑠璃子にくっついている
そこに、真緒ちゃんが加わる
一緒にケーキを作った仲間として、もう仲良しになったようだ
イーディが、グループに加わろうとするが
アニエスは、イーディが苦手だからマナの後ろでモジモジしている
イーディは何でという顔をしている
さて、皆さん大変、お待たせいたしましたでは、ご飯にしましょっ
お屋敷の主婦である克子姉が宣言する
今日は、手巻き寿司でーすっ
上の階から下ろしてきた、冷蔵庫を開けてお刺身や貝類や野菜類を取り出す、克子姉
マグロ、鯛、しめ鯖、海老に蛸、貝類、貝割れ大根にサラダ菜それから
それぞれ、かなりの量ある
ここのところ、外に買い出しに行けなかったから今日は、久々に新鮮な具材ばかりよっ
海苔はそこねご飯は
あ、あたしがやるわ
渚が腕まくりして大きな炊飯器から、炊きたてのご飯をお櫃に移す
手巻き寿司とはどういう物ですの
うんうん良い質問だねえっ
寧が前に出る
まずねこうやって、海苔の上にご飯を乗せて
寧の白くて長い指が器用に動く
それでお魚とか貝とかお野菜とか、自分の好きなものを乗せて巻きまーすっ
くるくると綺麗に巻きあげる、寧
そんで、お醤油を付けてお先に失礼、いただきまーすっ
パクッと、齧り付く
うんっ美味しいッ
マルゴさんが、オレの耳元に囁く
ケーキ作りが好評みたいだったから、克子さんがこうしたんだよ
なるほどいつも、出来上がった食事を出されるだけだったアニエスには
自分で作る手巻き寿司は、興味深いだろう
わたくしにも、上手くできるでしょうか
大丈夫だよっ一緒に作ろうっアニエスちゃんもねっ
心配そうな瑠璃子にマナが、声を掛けるアニエスにも
何か、どっしりと安定してきたなあ
しかし、こうやってみんなで交流しながら作るのはとても効果的だと思う
さすが、克子姉判っている
他に、玉子スープとシーザーサラダも作ってあるからみんな食べてねっ
ニコニコとみんなに、そう言ってくれた
克子その前に
恭子さんが、口を挟む
今日の魚介類は全部、コーデリアのオゴリだから
そうよキョーコとの賭けに負けたのっみなさん、いっぱい食べてねっ
ちょっと口惜しそうにミス・コーデリアは言う
その代わりワインは、あたしが特別のを出してあげるさっ
そう言ってマルゴさんは、白ワインを数本取り出す
あら結構な銘柄ばかりじゃない
お屋敷のワイン倉から、出して来たんだ克子お客に出す時の値段でいいから、あたしの口座から落としておいて
いえ、仕入れの時の値段で構いませんよ
いいから、いいからそういうのは、御名穂がうるさいから
恭子さんは、最初のボトルにスクリューを刺す
子供たちは、ジュースかお茶にしなさいね
あたし、一口だけ欲しい
こいつも白坂家の娘だからワインを飲んだこともあるんだろう
お祖父さんの市川さんと、高級レストランへ行った話もしていたし
今日は、ダメだよアニエスたちが、真似するから
マルゴさんが、優しくマナに言う
ああ、そうかしょうがないね
マナは、笑って納得してくれた
あたしは飲むよーんっもう、大人だからっ
寧が、くふふと笑う
大人ってどこの国の法律で
マルゴお姉ちゃんこの部屋の中は、今だけフランスね
なら、仕方無いか
法律上は、ともかくアニエスから見れば、寧は大人だからいいか
あイーディは、飲みたがったりしないのかな
大丈夫さ彼女の暗殺教団は、宗教儀式以外では飲酒しないから
恭子さんが、教えてくれた
アル中になっちまったら、暗殺者なんてできないだろそれに最近のアメリカ人は保守的だから、成人前の子供に飲酒させることはそうないよ
そんな話をしている間にメグが、オレの分のお茶をグラスに注いでくれた
他の子たちの分も
黙って、どんどんこういう仕事をしてくれるのが、メグという女の子だ
みんなグラス持ったね
こういう時に音頭を取るのは家長である、恭子さんだ
それじゃあ、乾杯
いっただきまーすっ
そして食事が、始まる
こうだよこうするの、アニエスちゃん
マナが、早速アニエスに、手巻き寿司を指導してあげている