オレは入学早々、高校を続けられるかどうか判らなかったから、よく知らないけれど
メグなら、部活の先輩から聞いているだろう
確か今年は、北海道だと思ったけれど
あ、沖縄にしましょっせっかくだから、沖縄の方がいいわっあたしが決めてきてあげるっ
克子姉が、浮かれてそう言う
あたしほらあなたたちの学校の理事長だからっ
そっちも付いてっちゃおうかなあっ
ダメだよっ、克姉そっちは、あたしが付いてくからっ
寧が、乱入する
ちょっと待って姉さんは、自分の修学旅行があるだろ
だって、あたし、今の学年に友達いないしいっそのこと、もう1年留年してヨッちゃんと一緒に行こうかなって克姉、ヨッちゃんとあたし、おんなじ部屋にしてぇぇっ
ちょ寧お姉さん
メグが、慌てる
そんなのダメよおっヨシくんとは、あたしが泊まるのっ
いや、男女同室は無理だろ
いいなあみんな
あたしそういうの、どうなっちゃうんだろう
マナは今後、学校をどうするかとか何もまだ決まっていない
やっぱり、日本の法律があるから中学だけは、どっかに紛れ込まないといけないよね
マナが、今まで通っていた学校はもう通えない
白坂舞夏の過去は、捨てたのだから
それに、父親白坂創介の悪行は、一大スキャンダルとして現在もマスコミに流れている
うちの学校に転校するというのも無理ですわね
名家の世界は狭いからみすずのお嬢様学校には、白坂家のことをよく知っている生徒はいるだろう
香月仁が、雪乃の顔を知っていたように
名前を吉田マナに変えたとしても誰か一人でも、マナの正体に気付く者が現れたら、全て台無しになる
大丈夫よあたしとお嬢様でマナちゃんの新しい学校は探してあげるから
克子姉が、マナに言った
でも黒い森は、うちの高校とは深い繋がりがあるけれど
中学校とは、付き合いがあるんだろうか
しかも、マナは過去を色々と操作しないといけないから
公立でなく、こちらに融通を利かせてくれる私立校を探さないといけない
わたくしの母校でしたら話してみましょうか
ずっと黙っていた麗華が言った
私立ですし祖父がずっと剣道の指導をしておりましたので、理事の方とも面識がありますわたくしが、香月セキュリティ・サービスに就職したことも知っておられますので特殊な事情がある娘だということで、受け入れて下さると思いますここからも、そう遠くはありませんし
麗華は、レイちゃんのキャラを忘れていつもの調子で話す
あら、有り難いわね明日でいいから、詳しいことを教えてちょうだい資料を集めて、お嬢様と相談するわ
ありがとう、レイちゃん
オレの言葉に麗華は、ハッとして
うんお兄ちゃま
また、レイちゃんに戻る
レイちゃん、びっくりしたのみんな、本当に真剣に一人一人のことを考えてあげているから
みんな、ハダカンボなのにっ
確かに、オレたちみんな全裸で
ずっと、こんな真面目な話をしていた
そうねおかしいわね
渚の言葉にみんな顔を見合わせて、くすくすと笑い出す
壁の内線電話の上の赤いランプが点滅する
真緒ちゃんたちが寝ているから、コールの音が出ないようにしてくれたみたいね
克子姉が電話に向かう
あれ内線電話だからマルゴお姉ちゃんか、学校にいる先生からだよねっ
恭子さんやミス・コーデリアたちも、今夜は学校に居る
森下さんは、お屋敷に隣接しているご自宅へ帰ったし
マルゴさん以外の人間は、みんなこの部屋の中に居る
ああ、マルゴ様はいあ、待ってみんなにも聞こえるようにするわ
克子姉は、マルゴさんの言葉を聞いて通話を外部スピーカーに切り替えてくれた
もう寝ようかと思ったのに本当に、あの子はいつもタイミングが悪いよね
寧様正面玄関の監視カメラの映像を出して
寧が、ノートパソコンを起動させお屋敷の監視システムに繋げる
ええっと、正面玄関て門のことっ
ああうちの鉄の大きな門だよ
香月セキュリティ・サービスの監視員と公安警察の車が、停まっている
よりによってあそこへ来るんだものこんな時間に
マルゴさんが、こんなに嫌そうに話すなんて珍しいな
おっし、繋がったよっ
寧の言葉にオレたちは、パソコンのモニターを覗き込む
そこに映っていたのは
ねえ、開けなさいよっ中にいることは判っているんだからねっ
真夜中2時過ぎだというのに、大きなサングラス
口には、白いマスク
頭から、灰色のウインドブレイカーのフードを被っているが
ウインドブレイカーが大柄な男性用で、彼女のサイズに合っていない
丈は膝まで届いているし袖もぷらぷらしている
まるで、てるてる坊主みたいな外観だ
あるいは警察に捕まり、頭から上着を被って手錠をかけられて連行されていく犯人の様な
もしくは棲星怪獣ジャミラ
いやウインドブレイカーが白っぽい灰色だから
全然、身体のプロポーションが見えないのに
オレたちには、それが誰なのかよく判った
早く中に入れなさいよっ聞こえているんでしょっバカぁぁ
インターフォンに向かって、怒鳴っている彼女は
やっぱり怪獣だ
公安と香月セキュリティ・サービスの人が見ているからそろそろ行かないとマズいよね
マルゴさんが、苦笑する
やっぱり、あたしが回収して来ないといけないのかな
何やってんのよっバカ、バカ、バカぁぁあんたたち、絶対に許さないんだから
そして真夜中に、彼女は帰って来た
雪乃お前は
サブタイトルは、明日のジョー2より
私は1より、2の方が好きです
433.雪乃の帰還
わたくしが、回収して参りましょうか
麗華が、スッと警護人の顔に戻って言う
レイちゃんは、いいからみんなとここに居てくれ
オレは、裸の麗華を抱き締める
寝ている時と違って立っている麗華を抱くと、麗華の乳房にオレの顔が埋もれる
麗華は、長身だから
ですが香月セキュリティ・サービスの人たちを抑えるのは
いいから夜の間は、レイちゃんで居てくれよ
オレは、ペロッと麗華の乳首を舐めた
麗華が、感じた声を上げる
可愛いよ、レイちゃんっ
寧も微笑む
まあ、外の監視の連中とは、今後の付き合いもあるからあたしが行ってくるよさっきまで閣下が来ていた時に、向こうの責任者とも顔合わせしたし
てことだからさマルゴさんに任せよう
オレは、麗華の胸に頬を擦り擦りしながらそう言った
はいお兄ちゃま
麗華も、大人しく従ってくれる
では、マルゴ様第7応接室の方へお願いしますあの部屋なら、そのまま監禁もできますから