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まだ、お互いのことを良く知らないなんて当たり前じゃないですか

あたしたち、まだ出会ったばかりですこれから、ゆっくり時間を掛けて、一つ一つ判っていけばいいんですよ

今度、ラデイゲのチョコレートを食べましょうピアノのコンサートにも一緒に行きましょう旦那様、メンデルスゾーンって作曲家知っていますか

名前だけは

音楽の時間に習った様な気がするけれど

どんな曲を作ったのかまでは、知らない

では、一緒に聴きに行きましょううふふ楽しみです

あたしの好きな物美味しい物、素敵な物、美しいと思う物を一つ一つ旦那様にご紹介します一緒に観ましょう、聴きましょう、食べましょう二人でね、旦那様

旦那様の好きな物も教えて下さい

オレはそういうの特に無いから

じゃあ、一緒に居る時に教えて下さいこの曲はいいねとかこの味は好きだとかそれで、旦那様のお好みが判ります

はは時間が掛かりそうだな

掛かっていいんですずっと、一緒なんですから

急ぐ必要は無いんだ

慌てて、みすずの好きな物のリストを暗記する必要も

時間を掛けて少しずつ、知っていけばいい

その方がきっと楽しい

オレもみすずも

楽しみなことでいっぱいですねっ旦那様

みすずがオレに抱きつく

ちょ、ちょっとみ、みすず様離れて君、みすず様から離れなさいっ

司馬貴彦が、慌ててそう言うがみすずはさらにオレにしがみつく

ていうかまた、呼び方がみすず様に戻っている

香月家の臣下という気持ちは、一生抜けなそうだ

ごめんなさい、貴彦さんあたし、あなたのことはどうしても受け入れらませんあたしは、この人と生きていきたいんですこの人を愛していますから

ぼ、僕は僕は、こんなに努力しているっ努力しているのにっ

その努力がたまらなく嫌なんです

努力しなくちゃどうにもならない人間関係なんてあたしは嫌です

ですがビジネスの世界ではそういう努力をして、顧客とのコネクションを築き上げていくというのが

ですから得意先が釣りが趣味なら、自分も釣りをするとかゴルフの時は、必ず相手を勝たせるとか

男と女の関係をビジネスと一緒にしないで下さいっ

みすずの声は司馬貴彦を通り越して、閣下に向けられている

オレを抱き締めたまま

閣下はニヤニヤと笑っていた

みすずと司馬貴彦の対決を見世物として楽しんでいる

いいえ、変わりませんよっ僕たちの世界では誰の娘と結婚するかということだって大事なビジネスですよ

そんなのあたしには、受け入れられません今のあたしには、心から愛している相手がいるんですから

みすずの言葉に、司馬貴彦がブチ切れる

そいつだってみすず様の家柄を手に入れたいだけに決まってますっそれで、みすず様に近付いた悪いやつですよっそうだそうに決まってるっだって、そいつは庶民ですよっ

大声で喚く婚約者にみすずは

それは、あなたのことなんじゃないですの司馬貴彦さん

凍り付く司馬貴彦

あなたのお家だってお父様が香月グループの重役になるまでは、普通のお家だったはずですあなたの言葉を借りるなら庶民ですよね

その冷たい言葉に、司馬貴彦はさらに反発した

昔と今は違いますっ僕には現在、香月グループの重役である父がいますっそれに、僕は、一流大学に通っているし、頭だって良い才能もある何より、努力している僕は、誰よりも努力しているんですよっ僕は、そういう特別の人間なんだっ

切れてしまった司馬貴彦が次々と心の中をさらけ出す

僕みたいな高学歴でハイスペックな人間がここまで我慢しているっていうのにっそれもこれも、あなたと結婚すれば、香月グループのトップになれるからですよっあなたが香月の家の娘でなければ、僕は絶対にこんなに下手には出ないんだっだいたい僕、こう見えても、とってもモテるんですからねっ

ああ、もう言ってることの訳が判らない

そうでしょうね

そうですよっ父が重役で一流大学に通っていて、車だってポルシェなんですよポルシェのカイエンですポルシェな上に四駆ですレベルが違うんですそれだけで、大学じゃあ僕に近寄って来る女がわんさかいるんですっみんな、僕の車の助手席に座りたがるんですっ僕の支払いで、高級レストランに行くのを楽しみにしているんですでも、僕は絶対に、その子らの誰とも付き合わないし特別な関係にはなりませんっどうしてだか判りますか

そんなの判るはずがない

変な女と付き合ったら僕の将来に傷が付きますから僕は、子供の頃から父と母に厳しく言われているんですっもし間違いを起こして、子供でもできたらあんな浪費にしか能の無い下らない馬鹿女と結婚しなくちゃならなくなるっそんな人生は、ゴメンですっだから、僕はそいつらをみんな振り切って本気で努力しているんですっ

眼を血走らせて、司馬俊彦が喚く

ええ、そうです僕は、童貞ですでも、女に縁が無くて童貞なんじゃないです自分から努力して童貞であることを守り抜いているんです自ら童貞である運命を選んだ、誇りある童貞です名誉童貞なんです童貞紳士ですそこまで徹底して努力しているんですよぉっ僕はっ

胸を張って、力強く童貞をアピールする司馬俊彦

結局、この男は

自分にしか興味が無いんだな

だから、これまでも他の人間とまともに付き合ってきていないし

多分これからも、そうなんだろう

こんなにまで努力している童貞の僕をどうして、あなたは認めてくれようとしないんですかっ

オレを憎しみの眼でギーッと睨む

そんな何の価値も無さそうな庶民の高校生にこんなに努力している僕が、負けるはずがないんですよっ

貴彦さんでは、どうすることもできない魅力がこの人にはあるんです

司馬貴彦が、怒りに叫ぶ

僕が、庶民に負けるはずがないっいったい、そいつの何が良いっていうんですかっ

セックスです

司馬貴彦が凍り付く

いや、部屋中が

ママ、セックスってなあに

真緒ちゃんが渚に尋ねる

とっても気持ちのいいことよっ

えー、そうなの真緒もやってみたいっ

大きくなったらね

渚が、真緒ちゃんの頭を撫でる

聞きましたか美子

はいあの方は、セックスというものについて知っていらっしゃるみたいですね

この部屋でセックスの意味を知らないのは

3歳の真緒ちゃんと、瑠璃子さん美子さんペアだけか

あ関さんと藤宮さんは、真っ赤な顔をしている

意外と純情なんだな二人とも

みすずが、オレの頬をチュッとキスをする

この人とのセックスはとても素晴らしいですこの人は、一人の男として心と身体を目一杯使って、あたしのことを愛して下さいますあたしも一人の女として、精一杯ご奉仕致しますセックスしている時は二人とも裸ですから自分の生身の肉体が、この人を悦ばせてあげられるということが、本当に嬉しいんですこの人の生身の身体があたしの身体を感じさせてくれることもあたし、この人と裸で抱き合っていると生まれてきて良かったって思います女で良かったって