Выбрать главу

マルゴさんはずっと別室から、オレたちの様子を観察していたんだ

それは良い傾向だと思うよ誰かのことを心配して、面倒を見てあげることで、自分自身の心も安定していくからね

だから、あたしたちはそれぞれの子の自主性に任せて、なるべく干渉しないようにサポートしていきたいと思うんだ克子さん、渚さん、いいね

克子姉と渚が頷く

君もそういう気持ちで、あの子たちと接して特に、瑠璃子さんと美智ちゃんとマナちゃんだね、今一番、心がアクティブになっているのは

特に、瑠璃子さんは、自分がここに居るということを受け入れられたからだから、やっと他のことに眼が移っている

オレに将来のことを尋ねたり、美子さんのこと考え出したりしているのは

家族の一員として生きていくことに、自信が付いたからだろう

美智ちゃんは、みすずさんも見ているからまあ大丈夫だと思うけれどマナちゃんは、さっき言った通り今夜次第で、また変化が起きるかもしれないから要注意だよ

本当にこの人はオレたち全体を見通している

ということを理解してくれた上でなんだけれど

マルゴさんは苦笑する

ミナホのこと頼むね

ミナホが、一番不安定なんだよ今恭子さんが、あたしたちから隔離しないといけないって考えたぐらいにね

昨夜からミナホ姉さんは、この屋敷を留守にしている

今は、恭子さんたちと学校の監視室にいる

しょうがないよねミナホが、ずっと待ち望んでいた復讐が、やっと完遂するんだから

白坂創介に家族から引き離され、娼婦に堕とされてから16年か

妹の奈生実さんを殺され赤ちゃんの産めない身体にされて

娼館の運営者として、ミナホ姉さんはずっと爪を研いできた

白坂創介の喉笛を切り裂くために

ミナホのことはあたしたちで、フォローするなるべく、声を掛け合っていこういいね

はい、マルゴちゃん

判りました、マルゴ様

渚と克子姉は即答する

それで、君の役割だけれど上手く立ち回ろうとしなくて良いからね失敗してもいいからミナホを心配させるんだよ

オレが心配させるんですか

ああ君のことを心配している間は、ミナホの心は暴走しないよ

ああ、やっと話の意味が見えてきた

相手に心配を掛けるのも愛情の一つだっていう時があるんだよ

でも心配掛けるって、オレ、どうしたらいいんでしょう

わざわざ心配される方法なんて、オレには思い付かない

大丈夫さそのために雪乃さんを捕獲したんだろ

ミナホがこの屋敷に居ない時に、あの子を捕獲できて良かったよ

ミナホだったら君と接触させずに、復讐の時間まで、もう雪乃さんを監禁したまんまにしておくさその方が、イレギュラーが起こる可能性がなくなる何て言っても雪乃さんは、何をしでかすか判らない子だからね

それはその通りだけれど

イレギュラーを起こすんだよ雪乃さん爆弾だねそれに翻弄されている間はミナホは、心が破裂せずに済む今みたいに、全ての準備が終わって、夜になるのを待っているだけだとミナホの心が、ふつふつと沸騰して煮詰まっていくだけだからね

ミナホ姉さんが、夜になるのを待ってくれているのはオレがアニエスの心を開かせるのを待ってくれているからですか

そうじゃないミナホは別に、アニエスを白坂創介の前で無理矢理強姦したって構わないと思っている復讐の完遂の方が、今のミナホにとっては上だから

ではなぜ

白坂創介の精神はもう、張り詰めきっていると言っていた

今日の夜が限界だろうと

まあ、ちょっとした理由があるんだ今は言えないけれど

とにかくあたしたちは、あたしたちでミナホに勘付かれないように、作戦を行わないといけない

えっとここの浴室の会話は

ああ、マイクは真緒ちゃんがいる場所の音声だけを拾うようにしているミナホは、あたしたちより安定していない、あっちの子供たちの方を心配しているからあたしたちの会話は聞いていないよそれに、この浴室であたしが君への聞き取り調査をすることは知っているから

オレの精神状態のチェックをマルゴさんに指示したのはミナホ姉さんだ

ここでオレがマルゴさんと話しているのは変ではない

ましてやマルゴさんが、オレたちにミナホ姉さんの裏を付くことについて相談しているとは考えていないだろう

じゃあ、具体的なことはまた後でそろそろまた、真緒ちゃんに絡むメンバーを変えた方がいいから

マルゴさんは、ザバッと浴槽から立ち上がる

そして暗い顔の麗華を見下ろし

ところでさ麗華お姉さん

麗華は見上げる

あなたは、誰を心配するの

ニコッと、麗華に微笑む

あなたに欠けているのは、そういうところだと思うよ

また感想欄の返信が滞っているのでなるべく今夜やります

全て目を通して、必ず返信致しますので

お金も気力もないのでワンフェスは行きませんでした

さて、ようやく次の展開が見えてきたのですが

雪乃が何をしでかすのかもちろん、まだ考えついていません

442.恋はマジョリカ

だから、あなたは警護人としても、中途半端なんだと思うよ

そう言ってマルゴさんは、立ち去る

渚も、マルゴさんに続いて、真緒ちゃんたちの方へ行く

麗華は、どんよりとうな垂れる

麗華お姉さん

克子姉が、麗華に優しく話し掛ける

麗華お姉さんは自分が本心では守られたいって思っていたことに、もう気付いていますよね

それがオレたちの呼んでいるレイちゃん

寧が始めた麗華お姉さんの心が捻れてしまった時期まで、幼児退行させるというアイデアは良かったと思うけれどもうそろそろ、限界でしょ

麗華は、無言で克子姉を見る

守られたいっていうだけでなく、守りたいっていう気持ちが起こればそれで、随分救われることになると思いますわ麗華お姉さんの場合は

どうして、みんなこんなに一生懸命なんですわたくしのことだけでなく、小さな子たちから、黒森様や美子様、ミス・イーディのことまで考えていらっしゃる

オレやマルゴさんたちの会話を、麗華はずっと聞いていた

これが家族をするということなんだと思います今ではマナちゃんや美智さん、それに瑠璃子さんまでが、自分が守られることではなく家族を守ることの方に意識をシフトしています真緒ちゃんですらアニエスに気を遣っていますよ

克子姉は、少女たちの方を見る

この浴室の中で、自分のことだけで手一杯になっているのは、ミス・イーディと麗華お姉さんだけですわ

うん2人だけ、自分の身の置き場に戸惑っている

その通りだと思います

麗華は、湯の中に口まで浸かりぶくぶくと泡を吹く

それから、バシャバシャと顔を洗った