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655.従わざるもの

いずれにせよ、彼女の力は大したものではないわ

だってあたしも、平気だから

昨日の京都での会談も、今も香月様の後ろにずっと控えていたから、あなたには判らなかったのだろうけれど

そう言って夜見子さんたち鷹倉姉妹を見下ろす

ミナホ姉さんはわざと、夜見子さんの巫女の力に支配されているフリをしていた

香月様が、昨日あたしたちの前で自分は、亡くなったお母様の巫女から、巫女の力に支配されない技を授けられているとおっしゃったのもブラフよ

ブラフつまり、嘘誰かを騙すための

お祖父様がわたくしたちを騙したのですか

違うわよ香月様が騙したのは夜見子さんたちよ

ククっと、ミナホ姉さんは微笑む

夜見子さん、あなた今までは、その程度の力で、何でも自分の思うとおりにやってこれたんでしょう学校のお友達や同年代の子供たちそれに、鷹倉神社を信奉するヤクザの皆さんぐらいには、あなたの力でも、充分通じるのでしょうから

ミナホ姉さんの言葉に鷹倉姉妹たちは、怯える

子供は、精神的に未熟だし1人でも力に支配された子がでれば、あなたに巫女の力があることが周囲に広まるわ鷹倉夜見子には、そういう異能の力があるという噂が広まってみんな、あなたの力を信じていくそうなれば、あなたにとっては、支配しやすいわよね

巫女の力の存在を最初から信じているのなら

あっさりと、支配に屈するか

ヤクザさんたちも、そうヤクザさんたちは、本物のつまり、あなたたちのお母様の巫女を知っているからその力もだから、娘である夜見子さんも、同じ能力を持っているんだろうと信じてしまっているだから、簡単に心を奪われ支配される

ああ、本物の巫女の恐ろしさを知っているだけに

あっさりと、夜見子さんの力も受け入れてしまうのか

そういう、あなたにとって都合の良い環境だったから今までは、どんなことでもあなたの望むように、人々を操作することができたのよ

昨日の京都での会談あなたは、香月様には自分の技が効かないことに驚いていたけれど、香月様の嘘の説明で納得をしたまあ長年、政財界の魑魅魍魎と闘って来た香月家のご当主ですもの、あなたの未熟な巫女の力が通じないこともありえるとそう思ったんでしょう亡くなったお母様から、秘技を授かっていたという話も信憑性があったのでしょうし

うんジッちゃんなら、何かとんでもない体験があるって言われても驚かないな

仙人とか河童に会ったことがあるとか言い出してもオレは信じる

しかも、香月様はみすずさん、美子さんを京都に連れて行かれたわ護衛の美智さんもあなたは、香月様には力が通じなかったけれどみすずさんたちには、自分の力が通じることを確認して、ホッとした美智さんは、とても控え目な人だから何も喋らなかったし、夜見子さんはみすずさんのお供だと思っているから、美智さんのことを無視していた丁度、あたしのことを香月様の部下だと思って、無視していたようにね

ああ、美智も自分自身が気を操る人間だから、夜見子さんの支配には屈しない

ただ警護役として余計なことは何も言わずに、控えていたのだろう美智は、そういう性格の子だ

ジッちゃんの側に居たミナホ姉さんも同じ

普段は、相手に自分の手の内を気付かれないように気配を消す

そして、美智とミナホ姉さんが、おとなしくしているのを夜見子さんの方は、ちゃんと支配が効いているのと誤認したいや、そう誤認させた

今の夜見子さんは一方的に、巫女の力を発するだけで

それがちゃんと通じているか相手の気の状態を察知する力の方は、とんでもなく未熟なんだ

だから、そんな思い違いをする

ジッちゃんとミナホ姉さんの仕掛けた落とし穴にハマる

だから、あなたは香月様は支配できないけれど、他の人間はみんな自分の意志通りに従わせることができると考えて、東京行きを承諾したのよねどうせ、香月様はお忙しいからあなたたちの日常の世話は、全て、あたしがするという話になったそれに、困ったことがあれば、みすずさんたちに何でも頼めば良いそういう環境ならどうにでも、あなたの自由にできるそう考えたんでしょ

3人、身を寄せ合っている鷹倉姉妹

ミナホ姉さんの言葉に夜見子さんは、グッと奥歯を噛みしめている

月子さんとルナさんは、プルプル震えて俯いたままだ

わたくしたちを、ダマしたのですか

ようやく、夜見子さんがそう言った

あら、勘違いしないでね香月様が、あなたたちを保護なされたということに間違いはないのよ

ミナホ姉さんは、笑って言う

どっちみち、あなたの未熟な力じゃ、どういう選択をしても破綻していたはずだからあなたが香月様でなく他の方に庇護を求めたとしてもそれが、どこかのヤクザ屋さんとかだったら今頃、あなたたちもっと酷い目に合わされているわよ

この世の闇の世界に生きている本物の怖い人たちと一度でも交渉したことのある人間なら夜見子さんレベルの力では支配なんてできないわよ半端な精神力で立ち向かったらあっという間に、財産も生命も、何もかも全て奪い取られるんだからあの人たちに絡んだらこちらも心を研ぎ澄まして、交渉のテーブルに着くのよ命懸けの話し合いなんて、あなたはまだやったことが無いでしょ

修羅場を潜ってきた人間には夜見子さんの力は通じない

香月様はとても寛容なお方だからあなたの人を小馬鹿にした態度を、許して下さったのよこれが、その辺のヤクザならとっくに殺されてるわよ

そ、そんなはずがありません

夜見子さんは叫ぶ

わ、わたくしには利用価値があるはずです鷹倉神社の巫女の血を受け継ぐわたくしには

でも、あなたたち3人もいるでしょ

1人ぐらい殺しても困らないじゃないヤクザなら、そうするわあなたたちの眼の前でまず、1人、惨たらしくのたうち回るような苦痛を与えて、殺すわそしたら、残りの2人のお嬢さんは、従順になるでしょ

3姉妹はすっかり怯えきっている

実際にはヤクザだって、殺す前に犯すぐらいで止めておくだろうが

この姉妹は、セックスを知らない

その素晴らしさも恐ろしさも

だから、ミナホ姉さんの話が殺すに飛躍してもあっさり信じ込んでしまう

普段から、ヤクザと付き合いのある神社の子だから

キレた時のヤクザの恐ろしさのイメージが想像できてしまうのだろう

そうねその場合は、多分、一番年下のルナさんが殺されるんでしょうね上の月子さんにはまだ利用価値があるし

月子さんはどこぞの大物ヤクザと血縁がある

そ、そんなのボク、嫌だよ怖い

大丈夫ですよルナ様

震えるルナさんを、月子さんが抱き締める

ホント香月様は、お優しいわルナさんを、この子のセックス奴隷にするだけで許して下さったんですもの