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だから自分があたしよりも成績が悪いからといってあたしの公立への進学を妨げたり、あたしをバスケ部から辞めさせた雪乃が憎かった絶対に、許せなかった

メグは本当は、頭の良い進学校の公立高校に合格していた

それを雪乃が妬んで公立への進学を辞退させて、自分と同じ高校へ入学させた

部活も中学時代は、同じバスケをしていて

メグの中学の方が強かったからという理由でメグにバスケ部を辞めさせた

そのくせ、自分もバスケ部を続けていないという

あの子はあたしが持っていない普通の幸せをいっぱい持っているくせにずっと、あたしを苦しめ続けてきたから

同い年の母親の違う姉妹、雪乃が居たから

メグは、人一倍、普通の幸せに憧れていた

だからあたしは、あの子が今みたいなミジメな状態になつてしまったことを可哀想だとは思っていませんむしろざまあみろって思っています

メグはそう、言う

2つばかり、あなたの勘違いがあるわね

ミナホ姉さんはメグに言う

まず1つめは雪乃さんの家は、全然、普通じゃなかったわよ

何を言うんです、御名穂さん両親がちゃんと揃っていてみんなが、同じ家に住んでいて毎日が、楽しそうな普通の幸せな家庭だったじゃないですか

メグは抗議する

別に白坂創介の家庭が、普通の家より劣っているとは言ってないわよむしろ逆ね

あの男は一流広告代理店の正社員で、部長さんで白坂家という名門の一員でしょ東京に持ち家があるのよそれも、親から継いだ土地・建物でなくあの男が、自分で買ったのよまあ、本業以外の黒い森の収益金からも、かなり勝手に流用しているんでしょうけれど

そうだ白坂創介は、普通な男では無かった

車は、高級外国車夏と冬の休暇ごとに、海外旅行ハワイにも、コンドミニアムを持っていたわよね奥さんの実家も、お金持ち奥さん本人は、マスコミによく顔を出していた料理評論家

超絶エリートで生まれながらの上流階級

ああいう輩《やから》を普通と考えるのは、大間違いよ

メグは、納得しない

さっき、あたしがこの子に話したことを覚えている取らぬ狸の皮算用そうね確かに、あなたと雪乃さんは立場が入れ替わる可能性があったのかもしれないあなたが、法的に認められた白坂家の令嬢で、雪乃さんの方が隠し子だったという可能性が山峰家に引き取られた後のあなたは、ひたすら雪乃さんにイジメられるだけだったから、ずっとそういうことを考えていたんでしょうね自分と雪乃さんが逆の立場だったならって

ミナホ姉さんは、ククっと笑う

でも、そんな現実は無かったのよ雪乃さんが本妻の子で、あなたは隠し子その現実は、絶対に覆らないのよ

でも、悔しいじゃないですか雪乃は、いつも笑っていてあたしは、耐えるだけでこんなの変ですよ

ええ、変ねだから、あなたは白坂創介や白坂家の呪縛を断ち切って、自由になったんでしょ山峰家に戻らないことだって白坂家との縁に触れるのが嫌だからでしょ

そうですあたしは

だったら、もう自分と雪乃さんを比較することもやめなさい

ミナホ姉さんはキッパリと言った

幸せというものは、人それぞれよ人それぞれに違う幸せがあるはずよあなたが思い込んでいる普通の幸せなんて、存在しないのよあなたは、あなたの現実に即した幸せを求めるべきなのよ

メグは納得しない

昔のメグは雪乃が、白坂家が幸せそうに見えたんだろだから、許せなかった

でも白坂創介の家って、そんなに幸せだったのかな

幸せそうだったわよあたしはずっと見て来たもの

白坂一族の集まりで晴れ着を着て、楽しそうにしている雪乃たちを、末席から眺めていたメグ

自分は学校の制服姿で、晴れ着は着れない

白坂家の前当主のお気に入りだった雪乃が、メグに晴れ着を着ることを禁じていたから

でも、オレたちはマナのことを知っているじゃないか

マナは白坂家の娘、雪乃の実の妹だ

子供の頃から身体の弱かったマナは、静岡の親戚の家に預けられていたでも、誰も両親も雪乃も、一度もマナのお見舞いに来なかったって

白坂創介は、外でやりたい放題していたし雪乃たちの母親だって、マネージャーと不倫をしていた家庭のことなんか全然顧みていなかった

それでも家があるだけ両親と暮らしているだけ、あたしよりも幸せだったはずよ

そうじゃない住む家があっても親と一緒に暮らしていて幸せじゃないっていうことはあるんだ

オレは証明できるよ

オレには家があった

オレは両親と暮らしていた

でも、あの家はいつも暗闇で、独りぼっちだった

恵美白坂創介を憎むなとは言わないわあたしも憎んでいる死んでも許さないわ、あの男だけは過去の雪乃さんについて、わだかまりを抱いたままなのも別にいいわ

でもあなたには未来があるのよこれから先のことを考える時には過去の恨み辛みは忘れなさいそうしないと前に進めなくなるから

未来

あたしはそれを良信から教わったのよ過去に囚われたままじゃいけないって愛している人たちを幸せにしたいのなら、前に進む勇気を持たないといけないって

そんなことオレが

いや、オレそんなことを言った覚えはないよ

なくてもそうなのよ

ミナホ姉さんはクスッと微笑む

白坂創介に復讐を遂げたら、そのまま死んでしまおうと思っていたあたしにあなたは、生きがいを家族をくれたから

あなたが来てくれる前はあたしたちの黒い森は、白坂創介に復讐するための仲間の集団でしかなかったわあなたがあたしたちを家族にしてしまったのよ

いや、違うよオレたちは、みんなで家族になったんだ

オレたちは全員本当の血の繋がった家族をロストしていて

家族を求めていたから必要としていたから

そういう思いをみんな心に秘めていたからオレたちは集まり、家族になった

恵美は判るわよねこの子が、あたしたち家族のために果たした役割の大きさが

まあいいわとにかくあなたが思い込んでいた普通の幸せなんて、無いから自分が幸せだと思えばどんな環境でも幸せなのよ

人間はね世界中を支配する大皇帝になっても、まだ幸せを求めるわ逆に今から死刑が執行される、自分の首に絞首刑のロープが掛けられるそんな瞬間でも、まだ幸せでいたいと思う幸福の追求は、人間が人間として生き続ける限り終わることがないのよあたしたちは、幸福になることをやめることができないでもね

自分の人生に相応しい幸福を追求しましょう例えば、あたしがあたしが、今から男の人と恋愛して、結婚して、その人の子供産んでごく普通の幸せな家庭を築くそういう類いの幸福を求めるのは、間違っているでしょうどんなに望んでもそれは実現することのない夢なんだから