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ていうかオレ、思うんだけど、夜見子さんたちのお母さんが巫女の力を使ってた時には、絶対にそんな怖い顔はしていなかったんじゃないか

ハッとしたのは月子さんとルナさんだった

夜見子さんはまだミナホ姉さんを睨んでいる

ホント、負けず嫌いなんだな

多分、美智みたいに心穏やかにして、気を送っていたと思うよ

美智は、いつも基本的に無表情だセックスの時意外は

だけど、最近は普段の無表情の中に、小さな喜びや悲しみや怒りが感情の起伏が隠れていることに、オレは気付いた

美智の中に感情はある

それを内面に押し留め、制御することで強い気を放つことができるようになったんだろう

それが工藤流の極意

工藤父も、自分の内側に本当の感情を押し留めているんだけれど訳の判らない形で、予想外に放出しているからなぁ

美智よりも気の練り上げが足りていない

あの人は、工藤流の修行途中で家を飛び出したから仕方ないんだけれど

美智お前は、夜見子さんの能力をどう思う

出力が大きいだけの電波発信機ですしかも、送信はできるが、受信はできない

やっぱり強い気で、他人に言うことをきかせることはできるけれど

他人の気は感じ取れていない

それってやっぱり修行が足りてないからか

ご主人様はどう思われますか

おいおい質問に質問で返すと、零点だぞ

相手の気を受ける方の巫女の修行がセックスだったんじゃないかな

オレはそう推察する

渡り巫女はセックスを通じて、相手の気を感じ取ったんだと思うよセックスが必要だったのは、そのせいだと思う

セックスを教えられていない夜見子さんが気の送信しかできないんだから

わたくし自身旦那様とのセックスで、心月に開眼致しましたし

相手の心と身体を理解し、受け入れるにはセックスが最適だ

夜見子さんもセックスに目覚めたら、気の受信能力が身に付くかな

そうなると思いますしかし

その方の心の閉ざし方は、尋常ではありませんご主人様でもなかなか難しいと思われます

ああ、美智の心の眼には他人を一切シャットアウトしている夜見子さんの心の扉がはっきり見えているんだ

さっきから、何の話をしているんです

不機嫌そうに夜見子さんが言った

いや、こっちの話ですどうせ、今の夜見子さんには説明しても判らないことですし

馬鹿にしないでわたくしは鷹倉家の巫女です

いや、まだ巫女に成りきれてないだろ

あー、今度はオレを睨んでる

もう可愛くないから、その顔は止めて欲しい

あのさオレの勘なんだけれどもしかして、夜見子さんより月子さんの方が強い気を持ってないか

さっきから感じている

月子さんの方が内面の気のプールが大きいような

こうやって、無闇矢鱈に気をだだ漏れさせている夜見子さんと違って

月子さんの内面で、気がたっぷんたっぷん波打っているような

わたくしも、そう思います現在の力はそちらの方の方が、遥かに上です

驚く夜見子さん月子さんを見る

よ、夜見子様わたくしは

ショックを受けている月子さん

鷹倉家の正しい血を受け継いでいないわたくしが夜見子様より優れているはずがないではありませんか

訴えるように妹に言う

いや関係無いだろ

そもそも鷹倉家の神主の血筋と渡り巫女の血筋は、繋がっている必要は無かったんだろ明治になってから、鷹倉神社が漂泊の巫女たちを受け入れたんだし

その渡り巫女の中から、神主が妻を娶ったのだってほんの数代前からだろうし

いいえ鷹倉神社は伝統ある神社ですその尊い血筋は

神主の血を受け継いでいない月子さんが、強い口調でオレたちに言う

その尊い血筋と、渡り巫女の秘技二つを受け継ぐのは、夜見子様だけなんです

そうか渡り巫女の力は月子さんの方が、色濃く受け継いでいる気がするよ

ああちょっとずつ、判ってきた

なぜ巫女は仲裁をする時に、セックスをするのかそして、仲裁の証として、子供を産むのか何となく判ってきたよ

セックスをするのは隠しごと無しに、裸の心と身体を理解し合うために仲裁すべき双方とまぐわうそして、感じ取る理解するそれで仲裁の落としどころを見つけるんだ

本物の巫女なら気の受信能力も優れているはずだ

セックスすれば、相手の男の心が全て見える

だけど仲裁を実行させるためには、巫女の力を使うしかない結局のところは本人たちの意思を曲げて、巫女が力で仲裁案を受け入れさせるしかないんだ

心の中の真実を見られても男にはメンツがある

自分にとって不利な現実に対してそんなのは嘘だ、認めないと突っぱねることもあるだろう

だから、巫女の力で無理矢理に、仲裁案を受け入れさせる

超自然の力で、強引に承諾させられるのならヤクザたちも、メンツは保てる

鷹倉神社の巫女が相手ならどうしようもないと

だけど巫女の力で、人の心に無理強いするのは、やっぱり良いことじゃ無い歴代の巫女たちは、そうすることに罪悪感を感じていたんだだから自分も、自分の腹を痛めて仲裁の子を産むそうすることで、他人の心を操作することにケジメを付けていたんだ

自分もまた委ねられた仲裁に、命をかけた証として

だから無自覚なままで巫女の力を使おうとしている夜見子さんは、やっぱり間違っているんだ

オレはそう、結論付けた

あなたに何が判るのです

夜見子さんがブチ切れる

鷹倉の家の人間でもなければ巫女でもないあなたに

あの怖い眼でオレを睨んでいる

何も知らないくせに、勝手なことを

美智夜見子さんの気をカットできるか

可能です

ではやってくれ

こちらを向いて下さい

鋭い気を夜見子さんに向ける

夜見子さんが、思わず美智に振り向いた

美智の眼を睨む

はぁぁッッッッッ

一点集中型の心月が夜見子さんだけを、襲うッッ

きゃああああああっっっ

美智の眼を見たまま絶叫する、夜見子さん

夜見子様ぁっ

お姉様ぁぁっ

月子さんとルナさんが倒れそうな夜見子さんを抱きかかえる

うううっな、何あ、頭が痛い

頭を抱えて、うずくまる夜見子さん

より強い気をぶつけることで、あなたの気の発信機能を破壊しました

これでもうあなたは巫女の力は使えません

苦しみながら美智を睨む、夜見子さん

今のあなたはわたくしと気で繋がっています

美智は穏やかにそう言った

ですから

夜見子さんの手が自分のスカートを掴む

ななな、何

こういうこともできます

そのままズズズと自分のスカートを捲り上げる、夜見子さん

何ですの、これわたくしこんなこと、したくないのに