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不機嫌そうに、彼女は言った

こんなこと香月家の警護役ごときに、わたくしの力が抑え込まれるなんて

抑え込んだのではございませんあなたの力の出所を、完全に破壊しましたあなたにはもう気の力は使えません

美智は無表情で、そう言う

そんなはずないわわたくしの巫女の力は

はいこれが完成された力ならば、わたくしが破壊することはできなかったと思いますしかし、あなたの力は未熟でしたから

美智が身動きできない鷹倉夜見子さんの胸を、トンと突く

あなたの力は、もう外に放出されることはありませんもう誰もあなたの支配には屈しないということです

嘘よそんな

でも現実は、この通りです今は、あなたの肉体はわたくしによって支配されていますあなたの方は誰も支配できていません

悔しそうな眼で、夜見子さんは美智を睨む

そんな顔をしてもムダです笑いなさいほら、笑うのです

美智が気を発する

鷹倉夜見子さんの顔が、ホヘッと笑い顔に変わる

その方が、幾らかマシです

美智は極めてMだと思っていたけれど

Sの才能もあるのか

ううう、こんなこんなの嫌よおっ

作り笑いの顔のまま夜見子さんは涙を零す

美智ちょっとその顔は怖い無理な笑い顔はやめろ

美智が気を緩める

顔の緊張が解けると夜見子さんは、大きく深呼吸する

いつから何です

夜見子さんに巫女の力が現れて周囲の人を支配できるようになったのは

夜見子さんは答えない

嫌よ鷹倉家の人間がそんな男の言うことをきくのはわたくしは、高貴な生まれですわ何か質問があれば、月子さんにお尋ねなさいわたくしは、下賤な人間とは喋りませんわ

不快そうに、夜見子さんは言う

それって月子さんは、夜見子さんとお父さんが違うってことだよね

あらお判りになりましたわたくしは、鷹倉家当主、鷹倉和麿の娘です由緒ある鷹倉神社の神主家の血筋と、巫女であった母の血筋の双方を引き継いでいますあなたのような方と話す口は持っていませんわ

いやずいぶん、話しているじゃないかペラペラと

まあ、正体は14歳の女の子だからな

じゃあ、月子さんに聞くよ夜見子さんは、何歳の時に巫女の力に目覚めたんです

月子さんは

小学校の4年生ぐらいだと思います力が明確になったのはでも、夜見子様は幼稚園ぐらいの時分から、周りの子供たちを惹き付ける力はお持ちでしたし

イジメッ子を追い払うぐらいの力はあったってこと

はい拒絶する力だけは、お早めにお見付けになられましたしかし、ご自分の意思を自由に周囲の方々に従わせるようになられたのは、10歳ぐらいの頃からだと思います

ふーん、で月子さんは

月子さんは、いつから力が使えるようになったんだ

わ、わたくしにはその様な力はございません

そうですわ汚れた血の混じっている月子には、巫女の力が発現するはずがないですわ

夜見子さんが、割り込んでくる

それはおかしいよそもそも、渡り巫女の力は鷹倉神社とは関係無いんだろ

ジッちゃんの話では鷹倉神社は、明治になってから行き場をなくした渡り巫女たちを引き取っただけだ

巫女の能力に、鷹倉神社の神主の血筋は関係無いはずだ

そもそも渡り巫女は、何百年にも渡って、各地の人々とセックスを通して神下ろしをしてきたのだから

今更、月子さんにヤクザの血が入っているからといって巫女の力が現れないはずがない

でも、本当にわたくしには、巫女の力は無いのです嘘ではございません

月子さんは、そう言う

ご自分では気付いていらっしゃらないのだと思いますあるいは夜見子さんに対するお気持ちから、力が発揮できないのかも

美智がそう分析する

神主さんの正統な娘である夜見子さんに遠慮しているから自分にも力があるとは信じられないのか

違いますわこの力は巫女の後継者たる、わたくしだけのものなんです

ああこの夜見子さんの我の強い性格が

姉の月子さんに、強くに影響しているのかもしれないな

ふーんで、その力がなくなっちゃったんだけれどどうするつもり

どうせ、小4ぐらいからは同じクラスの子や、学校の先生なんかに力を使いまくってきたんだろそれでみんな支配して自分の思い通りにしてきたんだろ

力ある者が、力の無いものを御するのは、当然のことですわ

14歳中2らしいことを言うていうか、この場合は厨2か

じゃ、もっと力のあるオレたちに支配されるのは当然、アリだよな

ウッと息を呑む鷹倉夜見子さん

みすずが夜見子さんのことが苦手な理由よく判ったよ

この子はみすずたちとは、正反対なんだな

みすずや瑠璃子は香月家という名家に生まれたけれど、周りの人たちからの嫉妬ややっかみを避けるために、気を遣っておとなしく暮らしてきただろ周りの子の意思を尊重して自分の我を通さずに、調和を保とうとしてきた

誰からも嫌われないように、普段は鷹揚で明るく穏やかに

それでいて、誰とも親しくならない孤高の立場を守ってきた

でも、夜見子さんはメチャクチャ我が強いから他の子の意思なんてお構いなしで、ガンガン力を使って、周りを自分に従わせていたんだな

相手を尊重するのが対人関係の基本であるみすずと相手の意思を無視するのが基本の夜見子さんが、合うはずが無い

ただ、みすずの方が押しまくられるだけだ

しかも夜見子さんは、みすずまで支配しようとしていた

まあ、ジッちゃんが完全に支配されないように様子を見てくれていたんだろうけど

そして今夜見子さんは誰も支配できなくなったさて、どうする

く、屈辱ですわ

夜見子さんは、そう呟く

いや、屈辱とかそういう感想はいいから

美智ルナさんは、どうなんだ

オレはそれが気になっていた

ルナさんにも巫女の力はあるのか

美智は、ジッとルナさんを見る

ビクッと震えるルナさん

力はあるのかもしれませんが目覚めてはいないようです

夜見子さんが、自由に力を使えるようになったのは、10歳頃だった

それが早いのか遅いのか判らないけれど

12歳のルナさんが、まだ力に目覚めていないということは充分考えられる

美智月子さんとルナさんの注意は怠るなずっと、お前が付いてチェックしていてくれ

この後の処女喪失の精神的なショックで、突然力に目覚めるって可能性もある

さてそれじゃあ、3人とも服を脱いで裸の身体を見せてもらうよ

オレは鷹倉姉妹に命じる

どうしてそんなことを

夜見子さんが、オレを睨むが

あなたたちは、これから娼婦になるための適性検査をするでみんな娼婦ってのが具体的にどんなことをするのか知らないみたいだけれど