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友達がいなくなっちゃったのか

とにかく、このお姉さんのお母さんは何かお仕事をしていて、パワフルな人なんですねだから、他の子のお母さんたちも表立っては文句は言わないし、学校の先生も何かと気に掛けてくれるようになっていたからイジメとかまでには、発展しなかったみたいです

ああ、PTAとかでお母さんが、あんまりにもガンガンうるさいから

イジメたりすると、メンドウなことになるからって

でも、中学生になったら、さすがにお母さんが介入してくるわけにはいかないから

保護者と学校の関係だって小学生までとは違う

このお姉さん自身も中学の子たちには、お母さんのことを知られたくなかったから

すぐに学校まで親が乗り込んでくるとか知られたくはないよな

だから、中学からは校内に、お母さんみたいに依存できるセンパイを見つけて守ってもらえるようにしていたみたいです

依存守ってもらう

うううううう

愛さんはただ怯えて、震えているだけだ

人にたっぷりと愛情を注いでもらって育ってきた子が、自分も誰かに愛情を注げるようになるかっていったら必ずしもそうではないってことよ

この子みたいに常に、親に守られてきて、誰かに守られることが当たり前になっている子はいつでも、誰かの庇護下に入ることしか考えていないわ

小学校までは家でも学校でも、母親の庇護下にいたけれど

中学からは母に出しゃばられるのは恥ずかしいし、母の方も学校にまで影響力を及ぼせなくなっている

だから、母に代わって自分を守ってくれる相手を探す

なるほどねそれで今回は、あたしのところに来たってわけね

可奈センパイが、嘆息する

ち、ちがいますあ、あたしはあの

もういいわよっていうかそのオドオドした、不景気な顔はやめられないの

あたしから見たら、そっちの方がよっぽど問題だと思うわよ愛は、そんなに可愛いのにさあんた、基本的に困り顔じゃないいつも、眉毛を八の字にしてさそのうち、オデコの皺が取れなくなるわよっ

愛さんは、うつむいて唸るだけだ

こうやっていつも、オドオドして、自分には敵意が無いことを示してそんで、可奈ちゃんみたいに、周りから人気があって評判の良い先輩に守ってもらうようにして今まで来たわけなんだね愛ちゃんは

寧も、呆れてそう言った

それなのに、人に助けてもらってもありがとうが言えない子なのよこの可愛いお顔を困らせるだけで、世の中を渡ってきたのよね今日まで

ただ、あなたの場合は本当に今までが幸運だっただけよさっきの柔道部の子みたいに、あなたのあたし困っているんです作戦の効かない子も世の中にはいるからね

愛さんの生き方はあたし、困っています察して下さい判って下さいと、相手に態度でアピールするわけだけど

さっきの進藤みたいなバカだと、他人の気持ちを察するという機能が最初から付いていない不良品だから

そんな手が通じるはずがない

それに、今回は底抜けのバカが、相手だったから、みんな愛の方を助けてくれたけれどさ

可奈センパイも言う

もうちょっとマシな男の子が、愛に恋をしていたとしたらさ逆にみんな、面白がって、あんたとくっつけようとしたかもしれないわよ多少、顔や趣味が悪くても、そこそこマジメな子だったらさ男の子の方に味方するわようちの部の子は、そういうの大好きだもの

ああ、多少、不釣り合いでも面白がって、カップルにしようとするのか

女の子の運動部だと、そういうこともあるだろうな

ああたしす好きな人いいますから

愛さんは言う

あら、誰なのあたしの知っている人

そ、それはい言えないですあ、あたし

ルナちゃーん、教えてっ

寧が、ムフフと笑う

ルナが、オレの顔を見る

さすがに、女の子として愛さんの好きな人のことまでは、みんなに言うべきではないと感じたらしい

いいから教えて、ルナちゃんこれ愛さんにとって、必要なことだから

克子姉が、ルナに言う

ルナ克子姉の言う通りにしてくれ

オレの言葉に、ルナは頷く

愛さんの顔を覗き込む

い、言わないであの

愛さんは慌てて、ルナを見るが

眼と眼が合った瞬間に、ルナは心の隙間を覗き込む

あ、見えましたえっと、男子テニス部の辻さんです

辻って2年の

はいえっとこのお姉さんはその辻先輩が、カッコ良いなあって思ったからそれで、自分も女子テニス部に入ったそうです

ううっあああっ

唸る愛さん

でも、辻ってカノジョいるじゃないのっ

しかも、中学の時からもう3年続いているっていう、ラブラブのカノジョちょっとデコッ鼻だけど悪い子じゃないわよ口は悪いけれどご飯とか、豪快にグワッて大きな口で食べるし笑顔が可愛いのよガハハハハッて、戦国武将みたいに笑うから竹田信子って言うんだけれど、あたしたちはシンゲンって呼んでいるから

それ女の子として、どうなんだ

とにかく、あそこは簡単には別れないわよすごい仲がいいんだから辻も戦国武将好きだし

いやいやうんと

え、愛ってまさか、シンゲンから辻を略奪するとかそういうことを考えているわけ

うっううううっ

そういうことは、考えていないみたいです

え、何まさか、シンゲンの悪い噂とか流して辻に嫌われるようにするとか

愛さんは、ぷるぷると首を振る

そういうことも考えていないみたいです

だって、そんな無茶でもしなければ辻は、あなたのカレシにはならないわよ

黙り込む愛さんの心をルナが読む

えっとあくまでも、辻という人が、自然にカノジョさんと別れるのを待つそうです

だから、自然には別れないわよ相手はシンゲンなのよ

でも別れるまで、待つそうですそして

ルナが先を読む

辻という人がこのお姉さんの気持ちに気付いて、付き合って下さいと言ってくるまで待つそうです

いや、だって辻は、あんたの気持ちなんて知らないでしょ

ううううっあ、あの

でも、今こういう機会があって、このお姉さんの気持ちを、可奈さんが知りましたから

可奈センパイが、ポカンとした顔をする

いや、確かに今愛が辻のことを好きだってことは知ったけれどそれがどうしたっていのよ

ええっとあ、あのその

ですから、きっと可奈さんが、辻という人とカノジョさんを別れさせて自分と辻という人の間を取り持ってくれるんじゃないかと考えていますこのお姉さんは

徹底的に、他人任せなんだぁ愛ちゃん

さすがの寧も、絶句する

ホントにあなた自分からは、何もしない子なのね

可奈センパイも、呆れるを通り越して呆然としている

ていうかさ、そもそも辻と愛って、接触がないでしょあんたたちが話しているところとか、見たことがないわよ