まずは色んなパンが焼けるようになること定番のパンの味を、もっと美味しくすること他のことを悩むのは、その後よ
克子姉は娼婦時代に、お屋敷でパン作りを研究し続けて来た
オレは、まだまだ全然、腕では敵わない
それに、あなたの卒業に合わせて開店したとしてもあなたはまだ18歳で、あたしは23歳あなたに、アルバイトの指示までさせられないわよそういうのは、年上のあたしの仕事でしょ
いや、克子姉だって、まだ充分に若いのに
でも、確かに高校出たばかりしかも、オレみたいな男がアルバイトさんに何か言っても聞いてもらえないよな
そんなことないよ兄さん
さっき学生食堂の人たちに、兄さんが大きな声で話したら、みんなシーンとして聞いてくれてたし
そういえば、そんなこともあったっけ
でもあんなのタマタマだろ
オレがいきなり怒鳴ったから、みんなが驚いて注目してくれただけで
美智さんとの稽古の成果が、出始めているんだよ
はい気というのですかわたしも、大きな意志のが、スザッと飛んでいくのを感じました
コヨミちゃんも、そう言う
いや、オレ工藤流は6級だよ
小学校の水泳なら、水に顔を付けるだけだ
習ったのは、相手の攻撃から逃げる時の足捌きと
何か美智たちと、スウハァ呼吸を合わせる訓練があるけれど
心月の時に、いつもやっているのと同じだ
あれをセックス抜きで、息だけ合わせる
それが気を練る良い鍛錬になっているんだと思う
美智さんは、ボクたちの巫女の鍛錬からヒントを得て、新しい訓練を始めているよボクやヨミお姉様も工藤流のお稽古をさせてもらっているし
美智の古武術の気と巫女の力は相性が良いらしい
イーディさんも意見を言ってくれています美智さんさらに黒森工藤流を強くするんだって
ああ、美智はさらに研究と鍛錬を重ねて、自分の新しい流派を作っていくつもりなんだもんな
みんな夢があるんですね克子さんも美智さんも
コヨミちゃんが、そう言った
あたしだって、夢があるわよっ
ずっと黙っていた雪乃が言った
あ、あたしさ芸能プロダクション始めるかもしれないから
いや、フランシーとさスナッチは入れてあげないわオンナとオカマしか入れない事務所にするのっむふふっ
取るわよーっ芸能界の誰も手を触れない方のてっぺんを
それってどんな頂点なんだ
あ、あたしも愛も夢があるから
愛が釣られて、口を開く
とにかく今はパンを作るのが上手くなるみんなが、美味しいって言ってくれるパンが作れるようになるまで頑張る他のことは考えない
愛と不仲になったクラスメイトの子たちのこととかはフッ切ったらしい
そうか、頑張れ
愛は、恥ずかしそうに笑ってそう言った
みんな素敵な夢ばかりですね
コヨミちゃんが、愛の母親を見上げる
だから、小母さんも自分の夢を持っていいんですよ
だけど、あたしはもう
もう何なんですか
コヨミちゃんが、尋ねる
だって、あたしもうすぐ40歳よ
年齢は関係無いですだって小母さんはまだ、元気に生きているじゃないですか
夢を持つんですどんなことでもいいから
コヨミちゃんから、優しい力を感じる
コヨミちゃんの巫女の力は、癒やしの力なのか
でもあたしは、あなたとパン作りを習ってもお店を始めたりする勇気はないわ自分が作ったモノを、人に売るなんて怖くてできないもの
でも、パンが作れるようになったらみんなに食べてもらえます
わたし食べたいです小母さんが作ったパン
愛もた、食べてみたいよ、ママ
愛の母親が、娘を見る
愛とママで作ったパンを、食べっこしてみようよあたし、ママとそういうことしたい
一方的に、母親に何かをしてもらうのではなく
わたしが作ったパンも食べて
コヨミちゃんが、微笑む
楽しいよ、きっとみんなで、お茶の時間にするの
うん、楽しい思うママ
愛の母親と、愛とコヨミちゃんが手を重ね合う
そうですわ最初は、それくらいの夢から叶えていけばいいと思います
娘さんだけに、内向きな愛情を注ぎ込んでいるだけの状態よりはずっと良いと思いますわ
3人でパンを食べ合うお茶会だって大切な夢だ
話し終わったそんじゃあコーヒー入れたから、みんなで飲もうよっ
寧がコーヒーメイカーから、次々にカップに注いでいく
ご飯も食べてないし、残りのパンも食べてここの工房の片付けもしないとねっ
寧は母親を亡くしているから、こういう話に参加するのは苦手なんだな
オレも手伝うよ
さんきゅっ、ヨッちゃん
あたしはコーヒーはいいわ刺激物は裂けているのよ
雪乃は、ちゃんと出産のことを考えてくれている
ミルクか何かないの
ああ、オレが外で買って来るよ他にも何か欲しい人は
ドアの外は、学生食堂だ飲み物の自販機がある
いないみたいねほらっ、さっさと買って来なさいよ、このバカっ
オレは、雪乃のためにミルクを買いに出た
オレたちは、ようやく遅めの昼食を食べた
喜代原さんこちらのパンも、どうぞ
克子姉が、他のパンも進めるが愛の母親は、愛が作った歪なパンばかりを食べていた
ま、ママ克子さんの作ってくれたお弁当も美味しいよ
ええ、そうねいただくわ
ようやく弁当にも、箸をつけてくれた
そういえばさ愛ちゃんのお母さんの名前って、まだ聞いていないわよねっ
不意に、雪乃が尋ねた
そういえばそうだな
そうだねこれからささっ愛ちゃんのお母さんも、あたしたちの友達、うん、友達なんだからさちゃんと名前を教えて欲しいよっ
あたしは喜代原真琴と言います
真琴さんか
えアイとマコト
寧が、ギョッとする
もしかしてお父さんは、ナオヤって言うんじゃ
え、何でヤッちゃん
どうして、愛と真琴さんだと父親がナオヤなんだ
それはマコト・ナオヤ
寧お姉様ここに可奈さんいたら、また怒られてるよ
ルナが、呆れたように言う
ルナは、寧の心を見て、元ネタを知ったらしい
ああ、何かオタク・ネタなのね
苦々しい顔で、雪乃が寧を見る
なーによーっ
むくれる、寧
夫は和宏といいます
真琴さんは、暗い顔でそう答えた
え、喜代原和宏さんなのっ
今度は、雪乃が反応した
は、はいパパは、カズヒロですけれど
不思議そうに、愛が尋ねる
はあ永遠のプロリハビリストなのねっ
雪乃が、ウンウン頷いているが彼女には、ルナも突っ込まない
あたし今夜、夫と話をします
真琴さんは、そう言った
このままではいけないことは判っていますから