えあ、あたしを助ける喜代原さんか
メグは眼を丸くする
メグはいわゆる優等生だ
成績も良いし、友達も多い
オレと婚約しているという特殊性を抜けば先生にも、クラスメイトたちにも、評価の高い子だ
オレたちの家族の中には、メグよりもさらに能力のある人はたくさんいるけれど少なくとも、オレたちのクラスの中では、できる生徒で通っている
愛みたいな内向的な子に、助けてもらうことなんて何もないと思っているのだろう
恵美さんは自分に自信がないんだよね愛みたいに
でも愛と違うから愛よりも勇気がある子だからすぐに怒っちゃうんだよね
メグが怒りっぽくなったのは、自信の無さの裏返し
心配で、怖くなっちゃうからだから吉田くんとか、怒ってもいい人にだけ怖い気持ちをブツケちゃうんだよね
そうネメグミは、ミスズたちには強いコトは言わないヨネ
Darlingやアタシ、マナそれからユキノそれぐらいネメグミが感情をブツケる相手は
いいえ、そうよ恵美って、弓槻や克子には甘えてるけれどアタシやこのバカに対してするみたいに、ギャーギャー喚いたりはしないじゃない
雪乃も、クククと笑う
テイウカほとんど9割、Darlingに怒っているネ
イーディが何か突飛なことをやるとメグが叱っていたりするけれど
あれはイーディが、メグのガス抜きのために、わざと怒りやすい子を演じてくれていたんだな
最近は、イーディが本当は飛びっ切り頭の良い子だってバレているからメグがイーディを叱ることは減っている
マナも昔から知っている妹だから、色々と文句がいいやすかったんだろうけれど
マナは瑠璃子と一緒に克子姉を師匠にしてどんどん家事仕事が上達してしまったし
マナがどんどん綺麗になっていくことにも、メグはコンプレックスを感じているからこれも最近は、関係が薄くなっている
ああ、そっか他の子たちに対するコンプレックスで気持ちが落ち込むと、このバカに喚いてストレスを解消してたのね
フンフンと、雪乃が納得する
や、やめてよあ、あたしはそんな薄っぺらい人間じゃないわよ
メグは、愛の言葉を必死に否定しようとする
でもそうだから愛、見てたから
愛はこの数日、オレたちの様子を観察していた
いや、愛これでも、前よりは良くなっているんだ
雪乃が一緒に住むようになったことで対等な立場で、文句が言い合える相手ができた
月子の子分になったことで少しずつ、心の調整をしてもらっている
メグのストレスは前よりは、緩和されてきている
でも今のままだと吉田くんが大変
愛が言う
そうネDarlingはメグミに文句を言われて、チョット可哀相って思う時もあるネ
イーディは、苦笑した
いいのよこのバカはそういうのを面倒だと思わないで、黙って受けとめるのがこのバカの唯一の良いところなんだし
雪乃は、そう言いながらメグに振り向く
恵美のこと好きなんだからこのバカは
えっよ、ヨシくん
好きだから怒られても、嫌いにならないんだよ
普通の人は、怒られたら嫌いになっちゃう自分が悪くて、怒られた時でも怒る人は嫌
ソウヨだからみんな、人に文句を言う時は、なるべく遠回しに言うネ嫌われないように直接、相手に怒りの感情をぶつけるのは、相手の心を攻撃するのと同じコトだって判っているカラ
恵美はこのバカが、絶対に自分のことを嫌いにならないって判っているからあんなに、思いっきり甘えていられるのよね
ゆ、雪乃あたし、甘えるなんて
後先のことを何も考えないで、ガンガン怒るなんていうのは相手に甘えているってことなのよ
ふんっ、と雪乃は鼻を鳴らす
そんで、このバカもそれを許してくれてるわけでしょ普通の男ならさうるせーなとかオレにそんなことグチんなよっとか、面倒がって逃げてくわよ恵美みたいな重い子ならグチグチ怒られるのが嫌だからってのが理由で、別れたりするわよ普通のレンアイなら
よ、ヨシくんは普通の子とは違うものっ
そうヨDarlingは違うヨ嫌な顔しないで、いつでもアタシたちの相手をしてくれるヨ
デモダカラと言って、メグミが今みたいにずっとDarlingに甘えていいってことにはならないのネ
メグは息を呑む
いや、これはメグの問題じゃなくってオレが悪いんだよ
オレさこういうのは、オレがメグを受けとめていれば、それでいいんだって思っていた
オレがガマンすれば、それで済むことなんだって
でも、そういう考えは間違っていたそんなのは、メグをバカにしているだけで
感情をオレにぶつけるメグと受けとめるオレ
オレは、そういう関係だと勝手に勘違いして
いつの間にかメグのことを上から目線で見ていた
みすずたちにコンプレックスを持ち溜まった感情をオレにぶつけるメグを
弱くて、可哀相だと思って
だからこそ、オレがガマンしなくちゃいけないって思っていた
とんでもない思い上がりだ
メグメグのコンプレックスは、メグ自身が解決していくしかないんだよ
オレはメグに言う
オレに感情をぶつけても何の解決にもならないんだ
むしろどれだけ怒っても、オレなら平気だと感じているから
怒りの度合いが、増していくばかりで
雪乃や月子たちという雪乃の心を紛らわせる防波堤はできたけれど
今のまんまでは、根本的な解決にはならない
でもあたし自分がどうすればいいのか判らないのよ
メグは言う
あたしだってヨシくんにプンプンしたくないでもあたしは、みんなには勝てないから
と
どうして勝つの
みんな違う子みんな、それぞれなんだよどうして勝たないといけないの
愛を見るメグ
勝ち負けなら今の愛は、誰にも勝てない
あなたは綺麗よあたしよりも、ずっと可愛いわよっ
それは恵美さんが、そう思っていることで
愛は、メグの眼を見る
あたしにとっては何の力にもならないだってそれは、愛が自分で手に入れた力じゃないから
愛は弱い子今の自分が弱いってことは、判っているでも、このままじゃ嫌だ弱いままの愛では愛が嫌なの
吉田くんに、嫌われちゃうからとかじゃないよだって、吉田くんは今のままの愛でも好きでいてくれると思うだから、これは愛の問題
本当に愛は変わった
愛は自分のことが、全部、自分でできる子になりたいまず、これそれからパンを作るのが上手くなりたいこれも大事セックスも、上手になりたいもっと、吉田くんと気持ち良くなりたいから
愛は、一生懸命話し続ける
初めて人のために何かしたいと動き出している
他の人は関係無い他の人のことを考えたら怖くなっちゃうからだって、愛はみんなよりも、何周も遅れてるから