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何より父親からしてみたら、わざわざ自分に相談してくれたことが嬉しかったんじゃないのかそれも自分の帰宅をみんなで食事の支度をして、待っててくれたのだから

そうやって礼を尽くしてもらった以上は父親は、快く承諾したんだろう

父娘と言っても愛との関係は、限り無く希薄だったんだから

それが、初めて自分と向き合ってくれた

しかも、オレたちの眼の前で父親として、娘の相談に真摯に堪えないといけない

相変わらす、愛は言葉がゆっくりで話の内容が舌っ足らずでなかなか、何が言いたいのかは判りづらかったんだけどさでも愛がパン作りが上手くなりたいって本気で思っていることそれをキッカケにして、自分自身を変えていきたいって真剣に考えていることは伝わってきたから

だから愛の父親は、了解してくれたのだと思う

それから、真琴さんも家から出て、社会に出て仕事がしたいっていう話をして

愛の熱気に押されたのか、真琴さんも顔を真っ赤にして、一生懸命話していた

愛のお父さんは、むしろそっちの真琴さんの話の方を驚いていたけれど

結婚してからずっと主婦で、ほとんど外へ出ない人だったんだから

こっちは、克子姉がフォローしてとりあえず、渚の花屋でパートで働くという話にして渚の店のホームページとかも、見てももらってさ

幸いなことに、渚の店はネットでの評判も良い

変なお店でなく、きちんとしたお店で無理しない範囲で働くのなら構わないって、言ってもらえたんだよ

愛も真琴さんもちゃんと正しい形で許可を取ることができた

それで、そういう話が終わった後でオレたちはお屋敷に帰ったんだけどさ

愛と真琴さんと父親を残して

で、週末が終わってお父さんが赴任先の仙台へ帰った後に、また愛の家へ行ったんだけどさ

オレの話を、楽しそうにジッちゃんは聞いている

結局オレたちが帰った後で、家族3人でゆっくりと色んな話をしたんだってさその

ジッちゃんに話すべきか

いや、話しておこう

愛ももう、オレの家族なんだから

真琴さんが愛が、旦那さんの本当の娘じゃないことを告白して土下座して謝ったらしい

でも、旦那さんはやっぱり、知ってたんだってずっと前から愛が自分の娘じゃないことを

そうだろうな人はそんなに鈍感ではないからな

真琴さんが泣いて詫びて愛も泣いて離婚や、慰謝料の話までしたらしいけれど

男の方は、そんなことは望まなかったのだな

うん愛のお父さんは

愛のお父さんはホモ・セクシャルだったんだよ

学生時代から山登り友達に相手がいて

そういうことか

うん女性が愛せないからだけど、上司のお嬢さんとの縁談が来ちゃってさ断れないし

そういうこともあるな

そうなんだよそれで結婚して

真琴さんとセックスしたのは、新婚初夜だけだったという

そんな状態だったからさ真琴さんとの夫婦生活には、全然不満が無かったんだって愛が自分の娘でないことも気にしていなくて

むしろ、上司や自分の両親に対して子供がいるということで面目が立つと感じていたらしい

ほら、ホモ・セクシャルだから自分の子供が産まれることは、最初から諦めていたから愛みたいな可愛い娘が居ることは、むしろ嬉しかったって

日本じゃ、ホモ・カップルが養子をもらうとか無理だし

これからも、気にしないで今まで通り家族を続けていきたいって言ってくれたらしいよ

ジッちゃんは、うなづく

ただもし、真琴さんに他に好きな人ができたとしてもできれば、定年までは夫婦のままで居て欲しいってお願いされたらしいけれど

ああ、離婚すると経歴に傷がつく会社なんだな

ていうか独り身になると色々と厄介な仕事ばかり押し付けられる会社らしいよアフリカとか中東の国に、数年の予定で赴任とか

奥さんと子供が居ると厳しい現場には送り込まれないんだって

だから、このまま偽装夫婦を続けさせてくれというのも

でも、まあそういうことなんだよな

子孫ができなくても構わないというのは、私の理解の外だがそういう人間もいるのだろう世の中は広いからな

いや、むしろその方が伝統的なのかもしれん血の繋がらない娘でも自分の墓の世話をしてくれるのなら

日本は家というものを尊ぶがなこの家とは、血の繋がりではない自分の本当の子供でなくとも先祖代々の墓を供養をしてくれる人間が残ってくれれば、それで良いということになっている

日本では、先祖の供養を誰もしなくなることが一番の罪なのだよ古事記にあったと思うぞ疫病が蔓延したので占ってみたら、誰にも供養されない霊の仕業だと判ったそれで、慌てて子孫を探して供養をさせたら、疫病が鎮まったとか

歌舞伎などには、まだこの考えは続いている今の団十郎家は、江戸時代からの団十郎家とは血が繋がっていない

えそんなのアリなの

だが、団十郎家の芸を引き継ぎ先祖の供養も引き継いでいるそれが家を継ぐということなんだ

オレは、ふと吉田の家のことを考える

オレはもう、戸籍上は吉田の家の子供ではない

オレの父親や母親あの人たちもいつか死ぬのだろう

その後、誰があの人たちの葬式や、お墓の世話をするんだろうか

黒森の子になったんだ

ミナホ姉さんは、子供を産めない身体だから

黒森家のお墓は、オレが守っていかないといけない

吉田の家のことを考えている余裕は無い

バァちゃんのお墓は、今どうなっているんだろう

オレは墓参りをしていない

で、とりあえずその愛という娘の家については、何の問題もないのだな

ジッちゃんの言葉で、オレは現実に引き戻された

あ、うん問題無いよ今は、愛も真琴さんもほとんどお屋敷に居るけれど週末だけは、家に戻って今度は、お父さんの相手の人とも会うらしいよ

そうか一応、調査はさせておくぞ

何が問題の起点となるか判らないからなホモのカップルがケンカしたことがキッカケで、みすずや瑠璃子にまで飛び火しては困る

そうなんだ香月家の影響力は、大きすぎる

お屋敷に居るということは、みすずたちとも親しくするということなんだから

愛のお父さんが原因で、おかしなスキャンダルに発展する可能性もある

うむよく、率直に話してくれた感謝するこれからもどうしても話したくないことは構わないが、できる限り私に話してくれ

ジッちゃんは、オレにそう言う

香月家を守るためには仕方のないことなんだろう

オレが気付かないような問題でも、ジッちゃんなら判るんだろうし

オレも、ジッちゃんには何でも話しておかないといけないと思っている

それが、オレの義務だと