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オレだって、そこまでバカではない

オレもジッちゃんじゃなくて、閣下って呼んだ方がいいんだろ

そこは、お前お祖父様と呼ぶべきだろう

みすずとの仲を許していることは、皆に知られているんだ身内に閣下などと呼ばせていると思われたら、私の人格が疑われてしまう

判ったじゃあ、お祖父様で

おう頼むぞ

ニヤッと、ジッちゃんは言う

呼び方は、それでいいが奉ってくれよ私は香月家の当主で権力者なのだから

みすずや瑠璃子の友人たちが挨拶しに来るだろうが、私が挨拶するまではお前は何もするな私の顔が潰れる

ああ、偉い人から順番てこと

当たり前だお前は、近付いて来た女の子たちの顔を見るのもダメだからな眼が合ったら、何かしら挨拶しないといけないだろ

私と遠くから、女の子たちを眺めるのはいいだが、しげしげ見るのはダメだし、挨拶するまでは眼を合わすな絶対にだぞいいな

なかなか、大変だな

でも、しょうがないジッちゃんに恥ずかしい思いをさせるわけにはいかないんだから

私が話をしている時は、私の顔だけを見ていろよそ見をするな真面目に聞いていろいいな

では参ろうか

廊下に出ると大徳さんと張本さんが待っていた

この2人の専任警護人は、とにかく身体が大きい見ただけでも、強さが判る

ジッちゃんが2人に何も言わなくとも、ススッと後ろから付いてきてくれた

ああ、そうだ私には自由に話し掛けて良いからな女の子たちに、お前が緊張しすぎて何も話せなくなっていると思われるのはシャクだろ

ああ、オレもジッちゃんの横に控えていて、何か言われた時だけ答えるとかじゃないんだ

お前は身内だと言ったろそんなにシャチホコ張ったままの身内がいるかそういうことは普通でいいんだただし、周りにバカだと思われそうな会話はするなよ

えっと頑張るよ

だって、オレはバカだからバカなことを言ってしまいそうだよな

だから、ずっと黙ったまんまでいる方が良いんだろうけれど

ジッちゃんは、普通に会話をしろって言うし

中庭の皆さんは全員、耳をそばだててお祖父様と旦那様のなさっている会話を聞こうとすると思いますわ

女の子はみんな、聞き耳を立てるのが大好きですから

そういうのはお嬢様も、オレのクラスの子たちも変わらないか

旦那様こちらです

オレたちは、そのまま中庭に面する2階のテラスに出る

しかし、ホント広くて、古くて、立派な屋敷だ

だけどこの建物でも、香月家本家の敷地内では、3番目に古いもので昭和の中頃の建築だっけ

向こうには、明治に建てられた洋館があるらしい

そっちは建物が貴重すぎるのと、生活しずらいので今では、特別な行事の時以外は使用しないで保存しているらしい

暖房が、暖炉と薪で煙突が各部屋に繋がっているっていうんだから

窓ガラスの一部は、明治時代のステンドグラスで現在では、再現することができないって言うし

歴史ある建物は美しいが住むにはな冷暖房のシステムが完備する前の時代の設計はどうしたって夏は暑いし、冬は寒いのだよ夏場に風通しがよくなることを優先するからな従って、後からクーラーを付けても冷気が逃げる冷えにくい冬は、外の冷気が入り込んで来る

暮らすのなら、新しい家の方が良い

というわけでジッちゃんは、普段は平成になってから建てた別の棟に住んでいるそこは広くて、冷暖房完備で、広いお風呂もある瑠璃子や美子さんが暮らしていたのも、そっちだ

もっともパーティをするのなら、こっちの古い建物の方が趣があるがな

それで今日のガーデンパーティは、この昭和館の中庭ということになった

なるほど随分、集まって来ているな

テラスの柵まで近寄って、ジッちゃんは下の中庭を見下ろす

ああ、10人くらいのパーティドレスの美少女たちが白い椅子に座って、楽しそうに歓談している

そして、それぞれの脇には警護の少女たちが控えている

直接警護する少女警護人以外は中庭の外で待機していただくことになっていますわもちろん、香月セキュリティ・サービスの皆さんも

ああお付きの警護の少女以外に

男の警護員を連れて来ている子もいるんだな

これはあたしたちの親睦会ですし香月セキュリティ・サービス・トップエリートの翔お姉様、麗華お姉様にレクチャーしていただく場ですから、他社の警護の方はご遠慮していただきました

そうか商売敵に、香月セキュリティ・サービスのやり方を教えるわけにはいかないもんな

ふむまあ、いいだろう

ジッちゃんは、少女たちを見る

どこの家の娘たちも皆、美しいだろそう思わないか

確かに名家のお嬢様たちは、みんな顔も綺麗だしスタイルも良い

どうしてってお嬢様だからだろ

だから、何でお嬢様だと美人ばかりになるんだね

良い家の人は美人と結婚するとか

一か八か、そう答えてみる

まあ、そういうことだ金持ちや権力者だって女は綺麗な方が好きだからな綺麗な女に子供を産ませれば、生まれてくる子供には美しい遺伝子が備わるそういうことを何代も重ねてみろどんどん母親側から美の遺伝子が足されて、やがては美人ばかり生まれてくる家系になる

みすずや瑠璃子や美子さんも美しい

もちろん、家同士の結びつきを強くするため他家の娘を嫁にもらうことも多いがなあに、そういう家だってどこかの代で美しい女を娶っているんだよ昔は、正妻に子が産まれずに美しい妾の産んだ子が、家督を相続するケースも多かったしな

名家というものは美女の遺伝子を溜め込んでいくものなのか

あそこにいる少女たちは、ただの令嬢ではない成り上がり者の娘は1人もいないみんな、何代にも渡ってこの国の上流階級の中で生きてきたホンモノの名家の娘たちということだ

だから、皆あんなに美しい

オレは、もう一度少女たちの姿を見ようとするが

まあ香月様がいらっしゃいましたわ

ああ、閣下

あ2階のテラスから見下ろしているオレたちに、彼女たちが気付いた

さきほどまで楽しそうに歓談していた声が、シンと鎮まる

ジッちゃんの出現に、中庭全体が緊張していた

彼女たちと視線を合わすなよ

ジッちゃんにもう一度、小声でクギを刺された

さあ、行きましょう旦那様

みすずが先頭に立ちオレ、ジッちゃん、大徳さんと張本さん

オレたちはテラスの脇の白い石の階段を中庭に向かって下りていく

中庭の少女たちは、息を呑んでオレたちを見上げている

オレ緊張してきちゃったぞ

愛なら自分にしゃっふると呪文を唱えているような緊迫感だ

おお、そうだ黒森くん

階段を下りながら、ジッちゃんが大きな声で言った

黒森くんが克子くんとしていたという仕事についての話を、この間、君のお姉さんから聞かせてもらったよ