頭の中がぐるんぐるんしていますのぉぉ
ふらふらの状態で、ヨミは答えた
ミス・コーデリアも、その子を放してあげて下さい彼女たちにはもう、攻撃能力ありませんっ
凛とした顔で、そう言う
ミス・コーデリアはルナを腕で受けとめると静かに地面に寝かした
あううう、お星様が見えますぅぅ
ああ、ルナの方もグッタリしている
子供相手に少しやりすぎなんじゃないですか
レイちゃんがキョーコさんに抗議する
はい麗華
翔姉ちゃんが、預かっていた撲殺ステッキをレイちゃんに手渡す
ありがとうございます翔お姉様
そしてスッと、撲殺ステッキを構えた
悪いけれど君たちは手を出さないで
レイちゃんが、美智とイーディに言う
最後はやっぱり、大人同士で決着をつけないといけないからね
レイちゃんが、キョーコさんと闘う
かしこまったノネ
美智とイーディは、スッと頭を下げヨミとルナの看護に向かう
今日は若い人たちの講習会ということでしたからわたくしは前に出ないつもりでしたがやはり、警護人としての血が騒ぎました
レイちゃんは、ゆっくりと間合いを詰めていく
おお、言うようになったねぇうちのニキータと良い勝負のあんたが、このあたしとガチでやり合うって言うかい
ニヤッと、キョーコさんは微笑む
ええ、せっかく機会ですからね
ステッキの切っ先がキョーコさんを狙っている
あら、ここにはあたしもいるんだけれどあたしの相手は、もしかしてあなた
ミス・コーデリアは、翔姉ちゃんを見る
まさか今のわたくしは香月セキュリティ・サービスの現場責任ですわヘッドがフロントの仕事を取るわけには参りませんもの
翔姉ちゃんは、平然とそう言う
じゃあ藤宮麗華さん、2対1になるけれど、それでもいいのかしら
ミス・コーデリアがレイちゃんの背後に廻り込む
前にキョーコさん、後ろにミス・コーデリアでは
いくらレイちゃんでも、勝ち目はない
いえいえここで、ヒーローの登場になるんですよ
屋敷の中からまた別の人の声がする
ぴったりとしたウエスタン・シャツに、ジーンズ
足には、ウエスタンブーツ
テンガロンハットで、顔を隠した長身の女性
ははは、ここでお前かい
嬉しそうに、キョーコさんは笑う
あたしよりも、後から出て来るとは良い度胸じゃないか
真打ちは最後に出るものとあたしに教えてくれたのは、キョーコさんじゃないですか
そうだったねぇマルゴ
マルゴさんが帽子を取る
現れたのは爽やかな笑顔だった
だ、誰あの人
アメリカ人
うわぁぁ、カッコ良い
柔らかな金髪に、ブルーの瞳長身の長い足
誰が見ても強いと判る、鍛え上げられた屈強な肉体
君、悪いけれど預かっててくれるかい
マルゴさんは、近くのテーブルに座っていたお嬢様にテンガロンハットを預ける
は、はいわ、わたくしでよろしければ
自信たっぷりで、ニコニコと笑っている
うわぁぁ、素敵
あん、好きになっちゃいそう
どなたなのこの方
凛とした雰囲気のレイちゃんとは、また違った魅力で名家のお嬢様たちを心を惹く
随分、鍛え直してきたようだね
キョーコさんは、愛弟子に言った
ええ、マスター・クリタイメストラに稽古を付けていただいてきましたから
マルゴさんは、アメリカに行っていた
帰国することをオレは知らなかったから、もしかしたら空港から直接、この香月家本家の邸宅までやって来たのかもしれない
うんいいね立ち姿がスッキリしたよ闇の匂いが、まったくしない
キョーコさんはそう言う
麗華さんキョーコさんのお相手は、あたしに任せていただけますか
マルゴさんは、軽くジャンプして身体を解す
ええ、どうぞということであなたのお相手が、わたくしになりました
レイちゃんは、ステッキの先をミス・コーデリアの方へ向ける
ま仕方ないわね
ミス・コーデリアもニヤッと微笑んで構える
せっかくだから若い子たちのお手本になるような、綺麗なバトルをしましょうよ
マルゴさんが、キョーコさんに言う
ああ、そうだねこのまま若くて可愛い女の子たちに嫌われたままっていうのも困るからね
そうね少しは大人らしさを見せてあげましょうか
キョーコさんとミス・コーデリアが微笑む
ええ、お願いします若い人たちのために
では、キョーコさん
いくよ、マルゴ
藤宮麗華、参りますっ
オーケイ、Come on
そして4人の大人たちの闘いが始まった
シエさんが戦闘を見て、呟く
綺麗だわ
アーデルハイトさんも
う、美しいですわ
狩野さんが、溜息を漏らす
どうして、こんなことができるの
鳥居さんは、呆然と見続けている
4人の闘いは、まるで舞踏のように美しかった
さっきの美智やイーディの攻撃は
相手の隙を付こうと高速で突っつきまくるだけの荒々しい闘いだったけれど
キョーコさん対マルゴさんレイちゃん対ミス・コーデリアの闘いは、優雅だった
お互いにお互いの技量が判っている者同士の闘い
相手のミスを誘い、付け入ろうとするような姑息なアクションは一切無い
真っ正面から、己の持つ力と技の全てをぶつけ、相手の力と技を受ける
この闘いには、相手に対する尊敬の念がはっきりと見えた
美智やイーディの闘い方が、力の無い子供が大人相手に精一杯背伸びしていただけのもでしかなかったことが判った
ホンモノのプロは小手先の技なんて使わないんだ
藤宮麗華さんは、剣道の出身だから、こんな闘いもできるとは思っていましたが
まさかキョーコ・メッサーがこんな清らかな闘いをするとは
アーデルハイトさんとシエさんが、思わずそう感想を述べる
キヌカよく、見ておきなさいあれが一流の方たちです
スゴイです
わたくしも、この光景を心に刻みます
いつの間にか戻って来ていた、安城ミタマ&キヌカ姉妹もそう言った
こんなの、ズルい
アーデルハイトさんが呟く
香月家の警護役にも、先を越されていると感じたのにこの人たちは、わたくしの遥か向こうに居る
美智やイーディなら、まだすぐに追いつけると感じていたんだろう
だから、まだ負けていないと思っていた
それなのに、この4人には勝てないと感じたんだな
わたくしも全然、ダメですこの人たちとはレベルが違い過ぎる修行も経験も何もかも
口惜しそうに、そう言うシエさんに狩野さんは
ならば鍛錬なさい口惜しいのなら鍛錬を重ねるしかないのよ、シエ
はい桜子お嬢様
ハイジあなたも、頑張るのよ
鳥居さんが自分の警護役に、そう話し掛けるが