忠誠心安城姉妹の
あの娘たちなら、放っておいても手に入りますから
ミナホ姉さんが、2人に言った
そして、部屋の入り口に立っているオレに言う
良信もう、判っていると思うけれど
あの子たちの主鞍馬美里さんは、娼婦に堕とすわ
ジッちゃんに直訴し損なってしかも、家の状態が良くないと言っていた
つまりお金に困っている
そして、オレに相談しろと、ジッちゃんはあの姉妹に言った
ということは黒森の娼館で働かせるということか
1人だけなの下の妹はどうするの
ミス・コーデリアがミナホ姉さんに尋ねる
妹のありすさんの方は、まだ13歳ですから
あたしの娼館は若すぎる子は、働かせないんですこれからは
ミナホ姉さんは12歳で娼婦に堕とされた
姉の美里さんの方にはお客を取らせますが、でも良信ありすさんの方もいつでも売りに出せるように調教はしますいいわね
あの姉妹は2人セットで引き取るというのが、条件なのお姉さんだけが身体を汚すのでは、妹さんの精神がもたないわお姉さんも妹さんより、心が弱そうだし2人同時に、調教しないと潰れてしまうと思うのよ
オレは犯罪組織黒い森のメンバーで娼館を経営する黒森家の子供だ
黒森御名穂の弟なんだ
ミナホ姉さんと一緒に、地獄へ堕ちる覚悟はできている
ああ、なるほど主が娼婦になるのなら、専任の警護役は解雇されてしまうわけね
そうだよなただの娼婦が自分専用の警護役を持つことはできない
ましてや、ミナホ姉さんの顧客は、みんな政財界の重鎮だそれぞれが自分の警護の人間を連れている
そういう人たちの買う娼婦には警護役は不要だし、邪魔になる
まあ、いいさその話は
キョーコさんが、鞍馬姉妹の話を打ち切る
それより良信くん、また後で会場に戻るんだろ
はい、懇親会の時間になったら戻りますけれど
キョーコさんは、監視カメラの操作スイッチをカチャカチャ動かす
今日の会に関西ヤクザから送り込まれて来た女の子は2人いる
うち、1人はこの子このお嬢さんの警護役この子は心配ない大阪との関係は、知り合いの知り合いぐらいだし後で、今日の香月家の様子を聞かせてくれぐらいしか言われていないはずだからさっきのあたしたちの茶番劇で騙せたと思う
ああ、キョーコさんを見たとかレイちゃんがカッコ良かったとかしか、話さないか
キョーコさんは、またカメラを切り替える
厄介なのは、こっちの子この子はちょっとメンド臭いと思うんだなんてったって、大阪から直で送り込まれて来ているから
カメラに映ったのは、目付きの鋭いポニーテールの女の子だった
名前は天童乙女《テンドウ・オトメ》大阪の天童貞男っていう侠客の娘だよ
美人だけれどすっげぇ、怖そうな子だなメチャクチャ不機嫌そうな顔をしているし
ミズシマ・ホールディングスの会長の警護役に先週からなっている香月家が、こういうイベントをやると知って、押し込んだとしか思えないね
みすずが、今日の会の計画を学校で話した後からか
学校に自分の警護役を連れて来ている女の子限定なのだから今まで警護役のいなかった子に、慌ててこの天童さんを押し付けたのか
あの、キョーカクって何です
ヤクザの世界のまあ、用心棒みたいなものよ義理と人情に溢れて、抗争の時に真っ先に敵と闘うっていう
それって、仕事なの
いつでも抗争とかしているわけではないだろうし普段は何をしているんだ
いつもは博打とかして、組の中でふらふらしているのよでも、とにかく強いってことになっているからその怖さで周りを威圧したり、人を脅したり、借金の回収とか、揉め事の仲裁に入ったり
特に天童貞男という侠客は大阪のヤクザの世界では知らない人がいないくらい有名な人なのよその筋の人たちには42歳の天童貞男って呼ばれているらしいわ
何が42歳
それが良く判らないのよ42歳が男の厄年だからこの人に会うと、厄年みたいなトラブルに巻き込まれるっていう説と、結婚したのが42歳の時だったっていう二つの説が有力らしいんだけれど
とにかく、ヤクザ世界にどっぷり漬かっている子なんだな
後でヨミたちに聞いてみよう
有名なヤクザなら、鷹倉神社に来たことがあったかもしれないし
とにかくさ、この天童乙女には注意して何か仕掛けて来るかもしれないから
キョーコさんは、オレにそう言った
ところであの
オレは、さっきイーディが言っていたことを聞いてみた
何で、こんな風に警護役の女の子が3パターンもいるんですか
それはキョーコさんたちのパフォーマンスが良すぎたからよ
名家のお嬢様が普段から、同い年ぐらいの女の子を警護役に付けるのは、ほとんどがイジメ対策なんだよ
キョーコさんが言う
それは聞きました
お嬢様が学校内で孤立しないように、最初からお付きを連れて行くでそのついでに、お付きの子に多少なりとも格闘技の心得があって強かったら、なお助かる現実は、そんなものだよ
つまり警護役の子は、メチャクチャ強い必要はないのよ
キョーコさんとミナホ姉さんが、笑って言う
いじめっ子が警戒するぐらいでいいわけだよ登下校には、どうせプロの男の警護員が別に付くんだしね
ああ、お嬢差学校の中、限定なら
だから、普通は警護役の子は、その名家が雇っている警護の家系の中で、お嬢様と年が近い子を選ぶだけなんだよ本当の強さとかは、そんなに考慮しないんだ
イジメ対策なら、警護役の子のお父さんやお兄さんが強いってだけでも、効力があるもの
ああお父さんが警察官の子や、お兄さんがプロレスラーの子はイジメられにくいってのと同じか
美智さんみたいに、本当に強いって子はそんなにいないのよ
だからさ主のお嬢様と一緒に、マルゴの周りで楽しくキャッキャしているのもアリなんだよ警護役としてはお嬢様の仲の良いご学友でもあるんだからさ
キョーコさんが、そう言った
でちゃんとご主人様にくっついていた警護役の子たちは、まあ普通に仕事しているっていう意識のある子たちだよ問題なのは
最後の主から離れていた連中か
あの子たちは今のお嬢様の警護役の仕事に不満があるんだよ
警護役の家に生まれてお父さんやお兄さんは、名家の当主の警護を勤めているわけだろそっちがやりたいのさお嬢様の警護なんて、バカらしくてやってられないって思っているんだよ
それだけじゃないわ今の自分が担当している家でなくもっと大きな家の警護役になりたいって思っちゃったのよ
今まで通り自分の生活だけしか知らなかったら、先祖代々、この名家に仕えてきたんだから自分もこのお嬢様に仕えなくてはいけないって思ってたんでしょうけれど