あたしたちと敵対したって構わないよそれはそれだからただし、あたしもミナホも請け負った仕事は最後までやり通す女だけどね
キョーコさんは、そう言った
じゃあ、そろそろ戻りなさいあんまりあなたの帰りが遅いと、みすずさんたちがヤキモキしちゃうと思うから
うん、判った色々、ありがとうございました
オレは、キョーコさんとミナホ姉さんに頭を下げた
はいはい、またね健闘を祈るわよ、boy
今までオレたちの話を聞くだけで、会話に参加しなかったミス・コーデリアが笑ってオレに手を振った
ミナホ姉さんたちが居た部屋から、廊下に出るとマルゴさんが待っていてくれた
マルゴさんが、オレと一緒に部屋の中に入らなかったのは
そうだよ今のあたしは中の2人と立場が違うからね
今はちょっとミナホたちの悪巧みの仲間入りはできないから
マルゴさんは、表の世界で格闘技ビジネスをすることになっている
だから、ミナホ姉さんの新しい娼館に関わる仕事や、キョーコさんの裏の仕事の手伝いをすることはできない
今日のあたしは、スポンサー集めの方が大切だしね正直、資金的なことはもう大丈夫なんだけれど社会的に名の通った会社が何社か居てくれると、色々と助かるんだよ保証になるからね
今日、ここに来ているお嬢様たちの家は、大きな会社と繋がりがあるから
大手企業に名前だけでも協賛してもらうための、キッカケが作れるかもしれない
それなら、ヤッちゃんも連れて来れば良かったのに
オレは、そう思った
スポンサー開拓なら、マルゴさんと2人でアピールした方が効果的だろう
いや、寧は年下の子には、割と人気があるけれど同い年ぐらいの女の子には、意外と敬遠されちゃうんだよ
特に今日は、可愛いお嬢様たちの集まりだからさ
ああ寧だと美人過ぎて、反感を持つ子もいるのか
今日はさできる限り波風を立てたくないんだよあたし1人なら、元・警護人で今はプロ格闘家を目指している女っていうことで、みんな納得してくれるでしょ納得ができるものには、人は反感は持たないものだからさ
マルゴさんに寧が加わると
この美人過ぎる子は何マルゴさんと、どういう関係と疑念が反感に変化していく
そして、その空間に反感を持っている子が何人かいるだけで、場の雰囲気が悪くなっちゃうからね空気が澱むとあたしに好感を持ってくれている子たちも萎縮しちゃうだろうし
なるほどとにかく今日は、明るく楽しく、格闘家としてのマルゴさんの魅力をアピールして、スポンサー獲得に繋げたいのか
あたしが今はもう格闘家なんだって知った途端警護の女の子たちも緊張が緩んでいたでしょ
ああ警護役の女の子たちの中には、他の名家に鞍替えしたがっている子もいるから
マルゴさんがもしフリーの警護人だったら、瑠璃子や美子さんの警護役の仕事を奪われちゃうんじゃないかって不安になったんだ
でも、そうじゃないって判ったから
ただの格闘家なら興味の無い子は、放っておいてくれるしね
ということで、良信くんあたしに何か質問はあるかい
廊下を歩きながらマルゴさんが言う
今のあたしは割とニュートラルな立場だからね
ミナホ姉さんやキョーコさんの大人の仕事をしているという立場でもなく
みすずや瑠璃子のお嬢様学校の生徒仲間という立場でもない
じゃあ、1つだけ相談したいことがあるんですけれど
オレはさっき、キョーコさんたちが言っていた警護役の子たちの売り込みの件をマルゴさんに聞いてみることにした
そういうことで今、警護役の子たちは、主と一緒に楽しんじゃっている子とちゃんと真面目に主の警護に集中している子と主の警護を放棄して、もっと別の家に自分を売り込もうとしている子の3グループに分かれているっていうんですけれど
君はどう思うの
オレは確かに、キョーコさんたちの言う通りかなって、でも
何か雰囲気的に、もうちょっとメンド臭い感じなのかなって
ただ単に3種類の子たちに分かれたというような簡単な話ではないと思う
ふうん何でそう思うのか、自分で分析できる
マルゴさんが、オレの眼を覗き込む
何か気持ち悪いんですよ
オレは、心の中の違和感を言葉にする
キョーコさんたちと、美智やイーディは本気のバトルをしていましたその後の、マルゴさんやレイちゃんもキョーコさんたちと、スッゴイ闘いをしていました
オレは見ていた
あの闘いは、物凄く高レベルなものだってオレにも判った
でも休憩時間になったら、お嬢様たちはみんなワーッとマルゴさんやレイちゃんのところに集まってみんな、キョーコさんたちの凄さとか怖さとか、話していないっていうか気にも留めていないみたいだから
あれだけの戦闘を見たばかりなのに、平然とワーキャー喚いていた
それはさ君もいろんな人たちの闘いを見てきて、すっかり眼が肥えてしまったってことさ
そして、キョーコさんという人が、どれだけ恐ろしいかってことなんだけれど
マルゴさんは足をとめ、窓から中庭の様子を見る
お嬢様と警護役たちは、みんな仲良くレイちゃんの講義を聞いているようだった
みすずたちもいる
ああ、テーブルのメンバーみすず、瑠璃子、狩野さん、鳥居さん、鞍馬姉妹そして、それぞれの主の背後に立つ、美智、シエさん、アーデルハイトさん、安城姉妹も、そのままだ
誰1人、他のテーブルに移っていないということは狩野さんや鳥居さんにとっても、みすずたちの保護下である、あのテーブルに居る方が都合が良いということなんだろう
元の一人きりのテーブルで孤立しているよりは
さっきのキョーコさんの闘いキョーコさんは、わざとあそこに居るお嬢様たちや警護役の女の子たちには、敵意を放射しなかったんだよ
だから武闘の能力も経験も無いお嬢様たちや、修行の浅い警護役の子にはあたしたちの闘いが、本当に自分たちにはまったく危害が及ばないものなんだって感じていたんだそうプロレスの試合会場でリングの中を見ているような気分でいられたんだ
すぐ眼の前で、あんなに激しいバトルがあったのに
安全な見せ物だと感じて、悠々と見ていた
ほら、レイカお姉さんが言ってたでしょこれは、エキシビション・マッチだって本当にそういう練習試合だと思って見ていたんだよお嬢様たちにとっては、キョーコ・メッサーもレイカお姉様もテレビの世界で闘っている人でしかないから
フィクションだと思っているってことですかテレビの中で行われている闘いはキョーコさんとレイちゃんのヤラセっていうか、作り事の闘いだってバレてるってこと