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親が警護役の家系というだけで警護役としての洞察力に欠ける子

ただし、その戦闘力は強いか弱いか判らない練習試合なら、メチャクチャ強いっていう子もいるかもしれないよ実戦では、おそらく使い物にならないどころか仲間の足を引っ張ることになるだろうけれど

2つめはあたしたちの近くで騒いでいたけれど、本当はキョーコさんの詐術に気付いている子この子たちは、怖いよキョーコさんたちの本当の実力に気付いたからわざと楽しそうに騒ぐ演技をして、主を守っているんだよ

腹を括って楽しそうなお芝居をしている

3つめはキョーコさんの詐術に気付かないで、主の側にいる子何が起きているのか、全然判っていない子だよねキョーコさんの怖さも、あたしたちの闘った内容にもピンと来ていないからキョーコ・メッサーも、香月セキュリティ・サービスも大したことはない自分の方が強いなんて思っているかもしれない

ああ、本当のバカか

4つめはキョーコさんの詐術に気付いて、最大警戒で主を守っている子あたしたちに近寄るような危険な行為も自分の主にさせないように見張っているというまあ、警護役としては合格だけど面白味のない子たちだよ

5つめはキョーコさんの詐術には気付かなかったけれど、あたしたちのバトルを見て思わず興奮しちゃった子たちそれで、自分の主を見捨てて別の主に売り込もうとか考えちゃってるわけヒーロー物のテレビ番組を観た後に、子供がヒーローになったつもりで暴れたりするでしょあれと同じあたしたちの闘いを見て、自分も強くなったみたいに錯覚しちゃっているんだよ

ああ一番、困ったタイプか

それでいて、主人に対する忠誠心にも欠けているから

そして、最後の6つめの人たちこの人たちは、キョーコさんの詐術に気付いて、あたしたちや美智ちゃんの本当の強さ、恐ろしさにも気付いている人たちだよ

どうして、そういう人たちが主から離れちゃっているんですか

警護役の仕事を何で放棄しているんだ

1つは主を見捨てでも、自分が助かるポジションに居たいとあたしたちを警戒しているんだよ

ああ、殺されるかもしれないというレベルまで想定して、動いている

もう1つはキョーコさんみたいに、強くなりたいって思っちゃったんだよ自分とのレベルの違いに愕然として

今の自分の実力を知って

キョーコさんどころか、あたしやレイカお姉さんあるいは、美智ちゃんやイーディと比べても、自分の方が弱いと感じて心の底から、悔しがっているんだと思うよ

武に生きる家の娘ならそういうこともあるだろう

だから、あの子の中の何人かは本気でキョーコさんに弟子入りすることも考えていると思うよそれがダメなら、レイカお姉さんでもいい香月セキュリティ・サービスでも、あるいは美智ちゃんたちでも

香月家に関わる場所に居られればキョーコさんの技を盗むこともできるかもしれないんだから

それぐらいキョーコさんの圧倒的な技量に、魅了されている

いずれにしても、今のまんま特定の家のお嬢様の警護役をやっている限りは、キョーコさんみたいに強くはなれないって気付いちゃったんだよ

だから主を捨てて香月家関連に、自分を売り込む決心をしている

というのが、あたしの意見だけれど信じるかどうかは、君が自分で判断してね

マルゴさんは笑って、そう言った

オレは、改めて中庭の少女たちを見る

マルゴさんの言う通りだと思います

1人1人警護役の子たちを見ていく

講義しているレイちゃんを見て、ポーッとしている子

講義を無視して、自分の主に集中している子

常に周りを気にして脱出経路のことばかり気にしている子

他の家のお嬢様たちを順番に見ている子

みすずや瑠璃子や美子さんだけをチラチラ見ている子

そしてキョーコさんが消えて行った、この屋敷の方をうかがっている子

何とかしないといけないな

講義が終われば、懇親会のパーティだ

何かしら騒ぎになることは判っている

でも、あたしは自分のスポンサー探しに集中しないといけないからね

判っていますオレが、何とかしますよ

オレは、ヨミとルナが横になっている部屋に急ぐ

この状況を何とかするためには

あいつらの協力が必要だ

作中に書いた実験をしたのは、ピーター・ブルックです

本当は、歴史劇の戦死者報告のセリフと、アウシュビッツで殺された人の名簿だったと思います

判りやすくするために、震災の名簿に変えさせていただきました他意はありません

大学を卒業して、演劇の裏方の仕事を始めた頃

ある芝居の打ち上げで、20代後半の男の俳優が、若い女優さんに

ボクはねえ、ピーター・ブルックのなにもない空間を読んだときに、ハッと眼の前が開けたんだよ

と、演劇論で女の子を口説いている姿を目撃しました

うわー、いまだにこんな人がいるんだと内心驚いたのですが

その男の俳優さんの話していることが、ものすごーく下らなかったので

ヤン・コットは読みましたかマーティン・エスリンをどう思います

と、突っ込んだらこちらを睨んで、どっかへ行ってしまいました

私も、もちろん読んでないのですが名前だけ上げただけなんですけれど

しかし、それから5年ぐらいして

やっぱり打ち上げの席で、40歳過ぎの俳優がなんと、いまさらスタニスラフスキーの演劇論で、若い女優を口説いていました

面白いのは、どちらも女の子ははあ、はあと困り顔でうなづくだけで

男の方が自分の知識を、ひたすら偉そうに語っているだけだという

そして、これも驚くべきことなのですが

そういう演劇論で説教する俳優さんに限ってとても芝居が下手だったりします

俳優としての功績で騎士に任じられたローレンス・オリビエは、

演技論なんて、スタジオへ向かう車の中で読んでしかも、車の中に置き忘れてくるべきものだ

と、言っていたと思います

851.ハイ・ライフ / 力の見せ方

マルゴさんと、ヨミ・ルナが休んでいる部屋に戻ると

巫女姉妹の介護は、イーディがしていたはずなのに

なぜか、美智がいる

イーディお姉様と交代したんですわ

うん、イーディお姉様が窓から中庭の様子をご覧になってミチが心配だって言って

もう大分回復したらしいヨミとルナが、オレに説明してくれた

ああ、なるほどイーディ、あそこにいるんだね

マルゴさんが、中庭を見ている

オレも窓の外を覗いてみた

うんイーディがみすずの後ろで、フンッとふんぞり返って立っている