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狩野様

みすずが、狩野さんを制する

あたしの旦那様に無礼を働くのでしたら狩野様でも容赦致しませんよ

中庭に居た全員が凍り付いた

黒森公様はあたしの夫となり、香月の家の全てを継がれるお方ですお祖父様も、すでにそうお認めになられていることは先ほど、あなたもご覧になっていたではございませんか

ジッちゃんはわざわざ、お嬢様たちにオレと親しく会話している姿を目撃させた

お兄様が、そうお望みなのでしたらわたくしも従いますわ

瑠璃子が立ち上がり、空のグラスをアーデルハイトさんに差し出す

はいグラスをどうぞ

ニコッと、優しく微笑む

困っているアーデルハイトさんに、主の鳥居さんが

いただきなさい香月家のお嬢様が差し出して下さったものを拒むことはできませんわ

アーデルハイトさんが、グラスを受け取る

では、あたしも江さん、どうぞ

みすずは、ニッコリ微笑んで狩野さんの警護役のシエさんにグラスを差し出す

シエさんも困惑の表情で、狩野さんを見る

仕方ありませんわ受け取りなさいみすず様のなさったことなんですから

シエさんも、グラスを受け取る

では、皆様もどうぞ

美子さんが、他のテーブルの警護役の子たちにもグラスを配っていく

警護役の人たちは一応、自分の主の顔を見る

主は、渋々と了承していった

警護役の子たちに、ここに来た時の主従関係を再確認させることができたぞ

主がいるからこそ、この場に来られた

そう感じれば今の主を捨てて、他の家に行こうという気分も削がれる

関さんと藤宮さんにも、グラスを渡して

オレは、メイドさんたちにそう命じた

しかし、わたくしたちは香月の家の臣下ですから

翔姉ちゃんが、オレにそう言うが

臣下だろうと何だろうと大人の人に、わざわざ講義をしてもらうために来てもらったんだからお礼をするのが当然だよ

この子らは礼儀としての拍手はしたけれど

誰もまた、レイちゃんたちに感謝の言葉を述べていない

みすず乾杯はまず、関さんたちに感謝の気持ちを込めてそれから、今日来て下さった皆さんの健康と幸せを願ってそうしてくれ

はい、判りましたわですから、旦那様もグラスをお持ち下さいませ

あそういや、オレがグラスを持っていない

ルナが、イーディからグラスをもらって来てくれた

オレンジジュースみたいのが入っている

美智たちも、グラスを持ったな

メイドさんたち以外はお嬢様たちも警護役も全員、グラスを持っている

さすがにメイドさんたちはお客様ではないから

では、皆様まずは、とてもためになるレクチャーをして下さいました、藤宮麗華さんと香月セキュリティ・サービスの関さんありがとうございました

みすずが頭を下げるので、他の子たちも頭を下げる

そして、今日、お集まり下さいました皆さん本当にありがとうございますどうか、この場にいる全員が健康で楽しく恐ろしいトラブルに巻き込まれないで、生きていけることを祈念して乾杯させていただきます

そうだ今日はそういう集まりなんだ

みすずの声が中庭に響く

オレたちは杯を捧げグラスに口を付けた

では、皆様楽しくご歓談下さいませ

みすずのその言葉で懇親会パーティが始まる

さあここからが勝負だ

美智たちにパーティで何をさせるのか、まだ思い付いていません

明日までに考えつくのだろうか

このエピソードは、登場人物が多いので人物リストを作ろうかと思います

なぜか群像劇になっていく

高校の卒業式でなぜか、全員で贈る言葉と乾杯を歌わされた記憶があります

何で、卒業する3年生が自分たちに乾杯を歌わなければいけなかったのか今でも判りません

大学は、演劇科だったので

謝恩会で、教授が屋根の上のバイオリン弾きの日は昇りまた沈むを歌うのが決まりになっていました

卒業生は、コーラスラインの悔やまなーいって出だしの歌

これから社会に羽ばたいていくのに、すでに挫折している人の歌を歌わせられます

853.ハイ・ライフ / 秘技

みすずが、懇親会パーティの開始を宣言したのに

お嬢様たちは、まだ静まったままだった

使用人である警護役たちと一緒の乾杯に戸惑っているようだ

しかし、この緊迫した空気があるからこそ

警護役の中から、他の家に自分を売り込みたいと思っている子たちも行動を起こせない

みすず様質問がございますわ

狩野さんは、乾杯のグラスに口を付けることすらしていなかった

はい、狩野様何でございましょう

会場内の少女たちの眼は、2人に集中した

どういうおつもりなのですか

ジロッと、狩野さんはみすずを睨んでいる

その背後で、警護役のシエさんが無表情で立っていた

彼女もグラスを持ってはいるが、中のドリンクは飲んでいない

まあ、主がまだ杯に口を付けていないのに臣下が飲むわけにはいかないのだろう

ですから何のお話でございます

みすずは、ケロッとして平然とそう答える

香月みすず様は警護役をわたくしたちと同じ扱いになさるおつもりなのでございますか

狩野さんが、尋ねる

同じ扱いも何も先ほど、あたしの旦那様が申し上げた通りでございますわ

みすずは熱い眼で、少し離れた所に居るオレを見る

今日はあたしが皆様をそれぞれのお家のお嬢様と、その警護をなさっていらっしゃる方々を招待致しましたここにいらっしゃる皆様は全て、あたしの香月家のお客様でございますわ

そういう理屈を聞いているのではありませんわわたくしはなぜ、わたくしたちと使用人を同じに扱うかということ聞いているんですっ

少し苛立ち気味に、狩野さんは答えた

あら、狩野様ともあろうお方が、お判りになりませんの

ゆっくりと、みすずは答える

あたしがお招きしたのですからあたしが、この場で一番腰を低くしなければならない立場なのですお嬢様たちはもちろんのこと、警護の方たちも今は、あたしよりも目上の存在なんでございますわお客様なのですから

少女たちはお嬢様も警護役も、みすずの言葉にジッと耳を傾けている

それなのに、あたしはお客様である警護の方々にグラスをお配りしないなんて大変失礼なことをしでかしてしまうところでしたあたしは傲慢でございましたそういうあたしの過ちを旦那様が指摘して下さったのです

みすずがオレを指差すからみんなが、オレを見る

オレの背中にしがみついているルナが、ますますオレに身体をくっつけてくる

旦那様みすずが間違っておりました申し訳ございません二度とこのような失態は繰り返しませんのでどうか、みすずのことをお見捨てにならないで下さいませ