アーデルハイトさんは、そう言うが
見ているお嬢様たちが気にするのネ
ああ年上が、小さい子に勝つのは当たり前とか名家の名誉を担っている以上、負けは許されないとか
色々と考えてしまう
ダカラ、アンタの相手はアンタと年が近くて、やっぱり背負っているものが無い子じゃないとダメなのネ
いるのか、そんな子
ルナがオレの足にムギュッと抱きつく
そうだ、ルナは12歳だ
ソレハないネ
イーディが、ブンブンッと手を振って否定する
ソッチのアンタ確か、アンタは13歳だったハズヨ
イーディが指したのは鞍馬家の警護役、安城キヌカさんだった
驚くキヌカさん
ねえ、あなた今までの皆様の会話を聞いていらして、どう思われました
みすずの隣にいた瑠璃子が、キヌカさんに尋ねる
わ、わたくしはいえ、わたくしも何も聞いておりませんでしたから
キヌカさんは、そう答えるが
先ほどのあなたたちご姉妹のキョーコ・メッサーさんへの挑戦は、主の家の名誉のためだったのですよね
瑠璃子は、さらに尋ねる
そうでございます鞍馬の家とそれに仕えるわたくしたちの心意気を示したのでございますね、姉上
妹に声を掛けられて、姉のミタマさんもウンとうなずく
そのために、わたくしたち姉妹はキョーコ・メッサーを空から攻めたのです
残念ながら、かわされてしまいましたが
鞍馬家と美里お嬢様、ありすお嬢様にはわたくしたち姉妹が付いていると、世間に示したかったのでございます
お嬢様に無礼を働く方は、わたくしたちが容赦しないのであります
警護役姉妹はそう言い切る
そこまでしてあなたたちは、鞍馬さんの家に残りたいのね
でも、このままですと鞍馬様の家は、潰れてしまいますわ
お家が無くなってしまったとしても、わたくしたちは忠臣としてお仕えし続ける覚悟です
覚悟です
何の戸惑いもなく、安城姉妹はそう言い切った
でも、お家がなくなってしまうよりは続いていた方がいいのではありませんか
あなたたちの主のお二人にとっては
そりゃ安城姉妹は、鞍馬家が潰れても主人を守り続けるというが
鞍馬家のお嬢様姉妹にとっては、家が潰れない方が良いに決まっている
サッキ、コッチのこの子は主に仕えたまま、香月セキュリティ・サービスで働けないかって言っていたネ
イーディが、シエさんを指して、そう言う
アンタたちは、主を守るだけでなくその腕を売って、主の家を助けようとは思わないノカネ
腕を売る
わたくしも、鞍馬さんの家のご負債がどれほどの額になるのかは存じ上げませんけれど
アンタたちが他の家の警護役として身売りをしたら少しは返済が助かるんじゃないのカネ
イーディが続く
しかし、そうなればわたくしたちは
お嬢様たちと、離れ離れになってしまいますっ
安城姉妹は、困惑する
別に一生、他の家に仕えろっていう話ではないノネ期間限定でイイノネ
それに、姉妹のどちらかお一人だけでも、鞍馬さんに付いていて差し上げればいいのではありませんか
姉妹の片方だけでも、外に出稼ぎに行く
わたくしたちの会社でしたら、そういう契約はアリよただし相応の実力は見せていただかないといけないけれど
構いませんわよねみすず様
ええお祖父様も、香月セキュリティ・サービスの若い警護役の採用は、関さんにお任せしておりますから
みすずも承諾する
さっきコッチの子の主が言ってたみたいにアンタたち姉妹がキョーコ・メッサーに仕掛けたのは、鞍馬家を見限って、他の家に就職活動するためのパフォーマンスだったとここに居るお嬢様たちは思っているネ
鳥居さんは、そう思い込んでいたきっと、他の人たちも
あれは、わたくしどもは
アンタたち姉妹がどういうつもりだったかとか、他の人にはドウデモイイことなのネ真意が伝わらなければ、他人の推察が事実になってしまうノネ
みんながそう思っているのだからそういうことなんだとして、受け入れられてしまう
つまり、今のあなたたちは主に解雇さればかりのこの子と同じ立場なのよ
翔姉ちゃんが、アーデルハイトさんを指す
しかも、妹さんの方はこの子と同い年よね二人とも、見た目はまだ子供だし背負っている家は無い
翔姉ちゃんは、今日来ている警護役全員のことを記憶している
鳥居家は、名家でない成り上がりとしか思われていないし
没落寸前なことが広く知られてしまった鞍馬家にも、守るべき名誉は残っていない
その上、キヌカさんはさっきの闘いで、皆様に知られているパーティの余興の対戦としては、丁度良いマッチ・メイクだと思うんだけれど
13歳の可愛い女の子同士の対戦なら
ま、待って下さいわたくしたちに相談なさらないで勝手に話を進めないで
姉妹の主である鞍馬ありすさんが、怒ってしまう
キヌカは、わたくしの警護役ですわそうですわよね、お姉様
相変わらず姉の鞍馬美里さんは、オロオロするだけだ
残念ですけれど美里さん、ありすさんには何もご相談できないんですわ
今のお二人には、もう何もお持ちになっていらっしゃらないのですから
ミナホ姉さんは言っていた
美里さんは娼婦に堕とす
ありすさんも、一緒に調教する
それは、もう決まっていると
つまり、鞍馬家とジッちゃんミナホ姉さんとの話はついている
この警護役のご姉妹への給金も衣食住ももう鞍馬のお家では、保証してさしあげることはできませんわ
そんなものはいりませぬ
わたくしたち姉妹は、自分の意志でお嬢様に付いて参るのであります
瑠璃子の言葉に、安城姉妹は反応するが
わたくしは今、鞍馬様たちとお話ししているんですわ
やんわりと、瑠璃子は答える
ミタマ、キヌカ静かにしていなさい
鞍馬ありすさんが、臣下たちにそう言った
瑠璃子様申し訳ございませんお続け下さい
姉の鞍馬美里さんも
今のあなたたちの警護役はご自分たちの意志で、あなたたちに付いて来ているだけですわ現実の鞍馬さんたちには、この方たちに仕えていただくだけのお力はもう無いのですから
美里さんが、ポロポロと涙を零す
ですから、この警護役のご姉妹はすでに自由なんですわもちろん、何の代償も与えられないとしても、今まで通り鞍馬さんたちを警護し続けるというのも、この方たちの自由ですそして、鞍馬の家を救うために、ご自分たちの能力を他の家に売るというのもこの方たちの自由
つまり鞍馬さんたちに相談することではないのよもう
安城姉妹が自分たちの腕を売るかどうかは、もう彼女たち自身の問題なんだ
だから、あえて主の鞍馬姉妹を無視して話をしていたのか