シャアどんな仕事でもするということと、どれだけ安い仕事でもするということは同じではないなぜ、それが判らない、アムロ
いや確かにどんな仕事でもしますからとは言いましたが
そこまで安い仕事だと無理です
というか、そこまで安いともはや仕事ではありません
前にも、かなりブラックな現場で何度も働いたことがありますが
低賃金で正規雇用でないのに、仕事なんだから責任をもってやり遂げろとよく、サービスを強要されました
そういうのは日本の悪いところですよね
若い頃は、それでもサービスした分の頑張りは、ちゃんと見ていてくれるはずの人がいるはずだとか思っていましたが
そういう人は、本当にいないんですよね
むしろ、こちらがサービスするが当然になっていくだけで
だから、今回いただいた仕事はちょっと無理だよなあと思いました
昔、演劇の仕事をしたいた頃に
無償奉仕とか、サービスとかそういう仕事も多かったのです
お金が無い劇団さんとか、その劇団の関係者が知り合いだった時に
でも、ある時、名古屋で活躍している演出家の先生とお話をしたら
オレは若いときから、ちゃんと仕事に見合った金をくれる現場にしかいかなかったずいぶん、あいつは冷たい人間だとか金の亡者とか言われたが、そういう覚悟で仕事をしないとプロじゃないから
と聞いたことがあります
多少安くても、自分が決めたラインがあってこれだけの仕事をするのなら、最低限、これぐらいはもらわないと合わないっていう基準を守らないとダメになるから
安かったり、無料奉仕だと結局、仕事が雑になります
安くてもお金と関係無く、いつでも最高の仕事を精一杯するというのは、無理ですから
1日が24時間で稼がなくては生きていけない金額というのがある以上は
同じ時間働いて、最低時給で稼げる額以下の仕事はやっぱり、しちゃいけないんだと思います
しかも、その仕事をしても給与が今後増えたり、人脈が拡がるという可能性が皆無なら
さて、どういう風に相手のプライドを傷つけずに断るか
恐ろしいことに、そういう無茶な条件を提示する人にかぎって、
お前のためにやってあげているんだから
と、思っているんですよね
859.ハイ・ライフ / リトル・キャットファイト その2
カッシーンッ
小柄なキヌカさんが、両手の鉄爪をクロスさせる
はぁぁ、そんなのが相手じゃわたくしも、奥の手を使わざるを得ませんわ
相対するアーデルハイトさんが、溜息を吐くと
シャキーンッッ
アーデルハイトさんの両脚の革靴の爪先から、鉄の刃が勢い良く飛び出す
あなたごときに、わたくしの技を使うのは大人げないことだと思いますがわたくしも、出し惜しみしている場合ではないみたいですから
スッと片足で立ち、靴先のきらめく刃をキヌカさんに向ける
わたくしのゲルマン忍法の神髄お見せしますわ
ムムッ、ゲルマン忍法なのネ
知っているのか、イーディ
かつて世界忍者フクロウ男爵と互角の戦いをした、キョージ・ブレーダーが創始者の技ネ何でも、ゲルマンの秘術とヤーパン忍法を混ぜ合わせたものらしいネ
ヤーパン忍法
ヤーマン族も関係しているらしいネ
ニヒヒと、イーディは笑う
何だ冗談か
大人げないとか言いましたがあなたとわたくしは同い年のはずですが
キヌカさんが言う
年は同じでも、わたくしの方が成熟しておりますわっ
ほんのちょっと背の違いだけです
背だけあなたわたくしのこの胸と、あなた自身のその貧相な胸板を比較なさいましたの
ハーフのアーデルハイトさんは、13歳でもかなりぷっくりとした胸をしているけれど
キヌカさんはつるぺただ
ああ、判りました大人げないというのは、すなわち
キヌカさんが、アーデルハイトさんを睨む
あなたは、もう毛が生えているのですねっ
だから大人なのですねアソコがワッサワサなのですね
ワッサワサなわけないでしょっ
では、ボーボー
チョロチョロよ当たり前でしょわたくし、まだ13歳よ
何なんだこの会話は
なるほど、チョロチョロでございますか
キヌカさんは、ふふんと大きくうなずく
あらそういうあなたは、もしかして、まだ生えていないのかしら
全く動揺せずにむしろ勝ち誇った顔でアーデルハイトさんは微笑む
もしかしてつるつる
つるつるで、ございます
あら、じゃあまだお子様なのね
下の毛と戦闘力は、関係ございません
毛の話を始めたのは、あなたの方じゃないの
何なんだ、この13歳東西武闘少女対決は
そろそろ始めなさい皆様、呆れていらっしゃるわよ
審判役の翔姉ちゃんが苦笑する
しかし、実際のところ
会場内のお嬢様たちや警護役の少女たちは面白がって、2人の様子を見ていた
アーデルハイトさんは鳥居家から解雇されているし、キヌカさんの主家は潰れかけていることがバレている
2人とも、名家の威信を背負うような立場ではない
どっちが勝っても負けても、他家を巻き込むような問題にはならないだろうし
何より2人とも見た目は、とても可愛い13歳の少女だ
凶器を持っていても、微笑ましい感じに見える
ていうか、オレも各家のお嬢様たちも
警護役の少女というのが、どれぐらい鍛え上げられているかを良く知っているから
こんな鉄の爪と靴の仕込み刃ぐらいで悲惨な結果になることはないと判っている
ここは香月家のパーティ会場なのだから
本当に、パーティの余興としての闘いしか望まれていないことはこの少女たちも、よく判っているはずだ
2人とも、そういう意味では優秀な警護役のはずだから
勝敗は、どう決める
アーデルハイトさんが、キヌカさんに尋ねる
泣いたら負けというのでは
それはダメよあなた、何回負かせても泣きそうにないもの
では、先に3度膝を地面に付けた方が負けというのは
乗ったわ
2人には、ニヤッと笑う
では、始めるわよレディゴーッ
翔姉ちゃんの合図とともにキヌカさんが、ブワワッと加速する
安城流拳法必殺、猫拳ッッ
左右の鉄の爪をネコの手みたいに繰り出していく
にゃにゃにゃにゃにゃーにゃ、にゃーにゃーにゃぁぁっっ
まるでミッキー・ロークネ
イーディのその例えは、オレにはよく判らない
何よ危ないわねっ
襲いかかって来る猫パンチの鉄の爪をアーデルハイトさんは、全て靴先の刃で跳ね返していく
あの子徹底的に足技を使う流派みたいネ
ホントアーデルハイトさんはキックでしか闘っていない
にゃにゃにゃにゃにゃぁー