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ということは、あれなのかしら香月閣下が、あんな低レベルなお話をなさらなくてはいけなかったのはもしかして、あなたのレベルが低いからなのかしら

歌晏さんが、オレに尋ねる

歌晏様、それはあまりにも失礼ですわ

みすずが、歌晏さんに抗議しようとするが

いや、いいんだみすず

オレは、みすずを止める

ここで怒ったら負けだ

歌晏さんは、みんなの前でオレたちを怒らせたいんだから

そして、感情がいきり立ったオレたちを見てまた笑うつもりなんだ

確かに、ジッちゃんはオレのレベルに合わせてくれたんだと思います

まあ、天下の香月閣下が、わざわざあんなに低レベルなお話を

しかし、オレはあの話が、低レベルだとは思っていません

オレは、歌晏さんの言葉を遮る

ああ、そうねあなたのような庶民にとっては、どんなお話もハイ・レベルなのかもしれないわね

歌晏さんは、なおもオレを煽る

オレは今実際に、自分のビジネスを始めています

高校でパンを作って、学生食堂で売るのだって立派なビジネスだ

ジッちゃんは、今のオレのビジネスに必要なアドバイスをしてくれたんですオレはそれを低レベルだと思いません

歌晏さんは、ニッと笑う

あら、ビジネスならわたくしだってしているわよわたくしは株式もやるし、自分で起業した会社も3つあるわ

ああ、鳥居さんに株を教えたのは自分だって自慢していたものな

わたくしは17歳ですけれどあなた、お幾つ

16です

ほら、わたくしと1つしか違わないでも、1年前のわたくしだってもう会社の経営は始めていましたし、経営学の本やビジネスに関する本は何冊も読んでいましたわあなたのレベルなんて小学校で卒業していますわ

歌晏さんは、勝ち誇ったようにそう言う

ですからわたくしは、あなたがどんなビジネスをなさっているのか、よく判りませんけれどただビジネスをやっているということで、わたくしを論破するのは無理ですわよ少なくともわたくしと同じだけの経済についての知識をお持ちでないと

この人は、とにかくオレみたいな馬の骨が、香月家に入り込むことが不満なんだ

もちろん、いくら歌晏家だってジッちゃんの決定に口出しすることは、できない

家が違うんだから

だから、公の場でオレを馬鹿にすることで

名家のお嬢様たちにあんな人が、みすず様の相手で大丈夫と思わせて

オレを追放せざるを得ない雰囲気を作ろうとしているんだ

歌晏さんはまだ高校生ですよね

貴様様をお付けしろ頭が高いぞ

山田梅子さんが、オレに言う

構いませんわ、セバスティアヌス身分の低い人に、正しい礼儀作法を求めることは間違っていますわ

歌晏桃子さんは、そう答える

わたくしが、高校生なのだということもお判りにならないみたいですし高校生でなかったら、そもそもこのみすず様のパーティに呼んでいただけるはずがないですのに

今日はみすずたちの通う超・お嬢様校の生徒たちが来ている

小学部・中学部・高等部

みすずの学校には、大学部は無いしお嬢様たちは、大学生になってからは、プロの大人の男性を警護役にするから、今日の会には高校生までしか来ていない

高校生をやりながら会社を3つも経営しているんですか

オレの問いに歌晏さんは

それがどうかしたの経営者は、指示だけをすればいいんですから何も問題はないわよアイデアが浮かんだら指示をして、報告を受けて、決裁すればいいだけなんですから

えっとオレも、歌晏さんが何の会社をやっているか判らないですけれどあの、売ったり買ったり、段取りしたりするのは誰がやっているんですか

そんなの社員に決まっているじゃない

唖然とした表情で歌晏さんは言う

あなたそんなことも判らないの

えっと、歌晏さんが直接、仕入れ先の人にあったり、お客さんに会ったりすることは

あるわけないでしょああ、大手の取引先の社長さんとはお会いしたことがあるけれどそれと、メイン・バンクの人にもそれはお父様の会社の方に同行していただきましたけれど

え、ちょっと待って下さい歌晏さんはえっと、上から指示をしているだけなんですか

そうよだって経営者ですもの

なるほどってだって、わたくしの企業の1つはインターネット通販をやっていますけれど注文の受付とか、発送業務なんかまで、わたくしがする必要はないじゃありませんか

え、会社を始めてから1回も自分で注文を受けたり、自分で発送したことがないんですか

だから何で、わたくしがしなくてはいけないのよ

歌晏さんが、叫ぶ

そのために従業員を雇っているわけでしょ

だいたい、わたくしの会社の倉庫は地方にありますのよ地方の方が、土地代が安いですからだから、注文を受けた人が、倉庫にいる人に連絡して倉庫から発送しているのよわたくしには学校があるんですから地方の倉庫になんて、行ってられないわよっ

歌晏さんは、吐き捨てるようにそう言った

Darlingのペースネ

オレの後ろで、イーディが微笑む

つまり歌晏さんのビジネスは、上から指示するだけで成立しているんですね

意味が判りませんわ経営というのは、そういうものでしょ

いや、オレは自分で全部、一通りは経験していますから

一通り

はい材料の注文から始めて商品の製造も販売も工房の掃除や片付けも自分でやっていますよ

あ、あなた何のビジネスをやっているの

歌晏さんは、訳が判らないという顔をしている

オレはパン屋のビジネスをやっています

パン

はい自分で小麦粉やイーストを買って、パンを作って、焼いて売るのは最近、他の子に任せていますけれど、最初は自分で売っていました

何で、そんなことをするの趣味なの

歌晏さんが、尋ねる

いいえ、真面目なビジネスですオレは、将来的にはこのビジネスを発展させて生きていくつもりですから

だったらパン作りなんて、人に任せればいいじゃないの作るのもそうだけど、売るのだってあなたは、今はどんなパンが売れるのかだけ調査してこういうパンを作って、売れって指示するだけでいいでしょ

一気に歌晏さんは、まくし立てる

そんなのどう考えたって、あなたよりも上手にパンを作れる人がいっぱいいると思うわよ専門職は、雇えばいいのよビジネスの何から何まで自分でやるとか気が狂っているとしか思えないわよ

全ての工程を経験していることが後々になって役に立つのよ

突然の声に、歌晏さんが振り向く

その先に居たのは

名乗るつもりはございません香月様のご命令で参りましたわ

香月閣下の

驚く歌晏さん

はいあの人の庭先でピーチク騒いでいる小生意気な娘をこらしめてこいと勅命を受けましたわ