桃子姉ちゃんで誤魔化す
ほら、今日のパーティはみすずちゃんの主催のはずなのに、いつの間にか歌晏様のお嬢様が全体を仕切っていたでしょ
そうだ義姉妹の誓い辺りから
あれでいいのだよ歌晏の娘を立てたことでみすずの立場が頑健になったのだ
今日のパーティに来た少女たちは、これからは1つのグループとして結束していくだろう会長は歌晏の娘で、みすずは副会長で良いいや、むしろその方が良い目立たずに済むからな何しろ、歌晏の娘は目立つことが大好きなようだし
桃子姉ちゃんは派手好きだもんな
今日の会は共同体験であり通過儀礼として機能した緊張と緩和キョーコくんの襲撃や、スパイの逮捕が良い緊張を呼び私の声によって、さらに集中される歌晏の娘が私に叱られている時、会場内の娘たちは自分も私に叱られているような気分になったろうあの時、私が一気にまくしたてたことなど全てどうでもいいのだよ私に叱られたことを恐れ許されたことで、心がほぐれるさらに、私に秘密を打ち明けられたことで
閣下という呼び方の話よ
ミナホ姉さんが、オレに囁く
ああ、そうだあれみんなに話しちゃっていいの
ジッちゃんが、自分のことを閣下と呼ぶ人を実は小馬鹿にしているという
ジッちゃんには大使になった経歴なんてないのに元・大使なので閣下と呼ばなくてはいけないらしいという嘘を信じ込んでいるんだから
これから会う大切な人間について、事前調査すらしてこないようなヤツだと
いいのだよアレで
ジッちゃんは、フフフと笑う
あの子たちは、今日帰宅してから私が話したことを親たちに話すだろうしかし
うん歴史上閣下と自分のことを呼ばせたのは、成り上がりの悪いヤツで
だから、ジッちゃんをそう呼ぶことはそいつと同じだと言っているみたいなことになるわけで
親たちはどうすることもできんのだよ
香月様はご自分が本当はどう呼ばれたいのかというお話は、一切なさっていないわ
そして私は、私の部下には自分に対する戒めとして、私のことを閣下と呼ぶように命じている
そうだ閣下という言葉の裏の意味はどうあれ
翔姉ちゃんやレイちゃんたちが、ジッちゃんを閣下と呼ぶのは
ジッちゃん自身の命令だ
私の部下は、これからも私のことを閣下と呼ぶ
ああジッちゃんに対して、臣下の礼を取るのなら閣下と呼び続けないといけないのか
むしろ、明日から急に公の場で私のことを閣下と呼ばなくなると困る連中も出て来るのだ今日、来たのは一部の名家の娘たちだけだからな
そうか今日来ていない名家の人は、閣下という言葉の真実を知らない
だから、今まで通り閣下と呼び続けるだろう
そんな中で、今日来た子の親だけが急に閣下を止めて、香月様とか呼び出したら
他の人たちからは浮くし、目立つし、反感を買うかもしれない
皆、結局娘からは何も聞いていないという顔をして、今まで通り閣下と私を呼び続けるよそれが一番、ことを荒立てない方法だからな
ジッちゃんは、別に閣下と呼ばれることを嫌がっているわけではないから
みんな気まずい思いをするだろう困惑した顔を楽しませてもらうよ
意地悪そうにジッちゃんは、笑った
大事なことは、今日来た娘たちが香月家の当主が自分の秘密を打ち明けてくれるほど心を開いてくれたと感じてくれることだ極度の緊張の後での緩和みんなで同じ体験をしたことで仲間意識が芽生えているだから、今本当に、みんな和やかに和気藹々とパーティを楽しんでいるだろ
親・香月家組とかもなくなった
桃子姉ちゃんを中心に、みんなで楽しく談笑している
これでいいのだあの娘たちはみすずや瑠璃子、美子、そしてお前にとってお互いに一生助け合うことのできる大切な仲間になってくれるはずだ
セックスシーンは、誰から行くか悩んでます
鞍馬姉妹か、天童乙女か、水島可憐ちゃんかうーん
そしてそろそろ、何とかせねば
落ち込んでいても、仕方がない
ただ貧すれば鈍するというのは、本当ですね
多分、もっと酷いことになる前にトラブルの元凶から離れられたのは正解なんですけれど
ああいう人間を信用してしまったのは、やっぱり心に隙があったんだろうな
いや、昨日までは本人は善良で、こちらのことを気遣っているつもりなんだけれど、結果として大迷惑な人だと思っていたのですが
今日、改めて思い直してみると
最初っから、ガッツリとダマす気満々な人だったんだろうなあ
人を見る眼が無かったなあ
また落ち込んでしまいそうです
870.ハイ・ライフ / 始動
さてと上流階級のオジィちゃんの偏屈話は、それで終わりかい
ニヤニヤしながら、ジッちゃんとオレたちとの会話を聞いていたキョーコさんが口を開く
まあ、あたしが言うのもなんだけどさそのオジィちゃんの言うことは、話半分に聞いておくのが正解だからね
フンと鼻を鳴らす、キョーコさん
イケスカナイ上流階級《ハイ・ライフ》の人間の上から目線の勝手な理屈で、世の中は、こうなっていますっていうような話だからね全部間違っているとは言わないけれど鵜呑みにしたら、とんでもないことになるよ
ジッちゃんは、名家の人間として
しかもたくさんの名家を束ねる由緒ある香月家の当主としての立場から、オレに話している
あたしからしたらあのお嬢様たちは、動物園の檻の中に居るようなもんだ生きていくためには何の問題も無いように見えるけれど自由が無いこいつと結婚して、子孫を作れなんて、誰かに命令されて一生を送るなんてのはサイアクだと思わないかいそんなの、女を家畜だと思っているようなもんじゃないか
確かに、キョーコさんの意見はそう通りなんだけれど
男は、どこまで女を馬鹿にしたら気が済むんだろうね
そういう視点になるのも、当然なんだけれど
残念ながら私たちも家畜の一部なのだよ
ジッちゃんは、言う
男は自由で女だけが、男の言うままに人生を決められているわけではないからな不自由な思いをしているのは名家に生まれた人間全てだ男だから、女だからという区別は無い
そうか男だって、好き勝手に恋愛して結婚はできないんだ
名家の当主の家では
財産や権力など自分の家の中だけでなく、色んな家の思惑も絡むから
私だって、自分の望んだ相手と結婚できたわけではないからな
ジッちゃんが本当に愛していたのは瑠璃子の祖母だ
ジッちゃんだって、家のために一族によって決められた相手と結婚するしかなかった
男はいいんだよ結婚がどうだろうと外で幾らでも、浮気ができるんだからアンタだって、相当、遊んだんだろ