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そうだオレは、名家の人間ではない

アンタが、あのみすずとか瑠璃子っていう子を自分の女にしたんであってまた、あの子らがアンタと生きていくって自分で決めたんであってさアンタが名家の世界に呑み込まれちゃいけないんだよ

名家が、どういう仕組みで、どういうルールで成立しているかは知っておくべきだけど

オレが名家のしがらみに、押し潰されるのはダメだ

香月のジィさんもさほどほどにしておかないと、アンタの孫娘たちごと、この子を海外に連れて行くよ名家とか香月家とかが、関係無い世界へ

キョーコさんは、ジッちゃんにそう言う

この子が面白いのは公平な価値観を持っていることだろ相手が名家のお嬢様だろうが、貧乏人の娘だろうが、公平に敬意を持って相手するところだろそういう良いところを壊しちまいそうなことは、やらないで欲しいね

不機嫌そうに、キョーコさんは言う

なぜ、君がそこまで言う

ジッちゃんに問われたキョーコさんは

そりゃ、あたしは黒森家の父親代わりだからねあたしが文句を言ってあげなきゃ、誰が文句を言えるんだよこいつの姉ちゃんのミナホだって、アンタには真っ正面からクレームは言えないだろ

キョーコさん

母親代わりでなく父親なのかね

そうさ意外性があって、面白いだろ

ニヤッと、キョーコさんは笑う

ということだから、うちの家族をヨロシクねおジィちゃんあ、そうだ、ミナホ

キョーコさんが、ミナホ姉さんを見る

あたしのことをさ綺麗なお姉さんて、呼ぶのはいいんだよあんた綺麗な若々しいお姉さんとか言ったなかったかい

さっきのアニエスとの会話を盗聴していたんだ

綺麗なお姉さんが若々しいのは当たり前だろていうか、あんたまさか、あたしに若さが無いとか言いたいのかい

ごめんなさいは

ごめんなさいキョーコさん

頭を下げる、ミナホ姉さん

声が小さい

ごめんなさいっキョーコお姉さんっ

んよろしいっ

ああミナホ姉さんにとっては

キョーコさんが、オレにとってのミナホ姉さんみたいな存在なんだ

年上の優しくて頼りになる家族

そしてキョーコさんも、ミナホ姉さんのことを本当の妹のように可愛がっている

そんじゃそろそろ、あたしとコーデリアは失礼させてもらうよお嬢様たちがお帰りになる前に、キョーコ・メッサーがこの屋敷から立ち去ったってことにしておかないといけないだろ

パーティ会場の中庭には、他の名家の大人の護衛役は入れなくしてあるから

今は、まだ外の人たちには、キョーコ・メッサーがここに居ることは知られていない

しかし、パーティが終わって、それぞれお嬢様たちが自分の車で帰宅する時にはオレを見た感想や、レイちゃんたちに出会ったことと並んで、キョーコ・メッサーの乱入も語られることになる

お嬢様たちにとっては、キョーコ・メッサーはテレビの中でのレイちゃんの敵役でしかないけれど

プロの大人の警護人たちにとっては国際的な犯罪組織マランドロの大幹部だ

当然、警戒をする

だから、お嬢様たちの帰宅時間になる前にもう、キョーコ・メッサーは帰りましたという情報が伝わるようにしておかないといけない

とにかくオジィちゃんからの仕事は受けるよこれから、すぐにコーデリアたちと関西へ行って来るから

関西

ホントどこの国でも、マフィアっていうのは下らないよね嫌がらせのためだけに、人や時間やお金を浪費するわけだから

嫌がらせですか

そうだよ今日、ここに潜り込んで来たスパイの目的はただの嫌がらせだよそうじゃなかったら、あの娘を鉄砲玉みたいに使い捨てにしたりしないだろ

あの娘って天童乙女のことか

自分たちは、いつでもあの子みたいにお嬢様たちの近くに、スパイや刺客を送り込むことができますよっていう、関西のヤクザさんの嫌がらせなのよ

そういう嫌がらせを仕掛けてくるほど向こうは、弱っているってことさ

キョーコさんが、そう答えた

あっちも一枚岩じゃないってことだろうね内部で意見が割れて、まとまらないからこういう時間稼ぎをするだから、こっちは嫌がらせには応じないで一気に、攻撃に出るのさ

だから今日のスパイは、捨て駒なんだよ香月家の屋敷にそれも香月セキュリティ・サービスのエースが揃っている時に、あんな子1人を送り込んだって意味は無いだろ今日はそっちの怖いオッサンたちまで、ここに居るっていうのにさ

恭子さんは、ジッちゃんの背後に控えている大徳さんたちを見る

確かに、名家のお嬢様たちのパーティでそれぞれの警護役も来ていて

レイちゃんも翔姉ちゃんも来ていて

なおかつ、ジッちゃんが在宅で最強の専任警護人の2人までが居る

単純に香月家が主催するパーティをメチャクチャにして、他の名家に不快な思いをさせるってのだけが狙いだよあのスパイが捕らえられるのは、最初っから予定の内なのさ

キョーコさんは、言う

そして敵は巫女の力の存在も知っているだから、あのスパイには、余計な情報は知らされていないしむしろ、嘘をたくさん教え込まれているはずさ

巫女の力で天童乙女の心を調べたら

こちらを騙すための情報ばかりを掴まされるのか

でその情報の裏を取るなり、解析するなりするのに時間を取られることになるその隙を付いて、あちらさんは次の手を仕掛けて来るっていうことさ

パーティを潰して、香月家の評判を悪くするのにプラスして、嘘情報で時間稼ぎもしようっていうのか

だから、こっちはスパイの尋問なんかしないで、さっさと攻撃に出るわけだよ

天童乙女の尋問をするのは、時間のムダということか

でも、あの人気が使えましたよねそんな能力のある人を、使い捨てにしちゃうんですか

オレの問いにキョーコさんは

そういう手駒の価値を考えないで、鉄砲玉にしちゃうってのがあちらさんが焦ってて、内部分裂しているっていう証拠なのさ

ああ、中で揉めているから適材適所というわけにはいかない

鉄砲玉として使い捨てるにしてもそれなりに能力のある子を使わざるを得ないのか

あの天童乙女っていう子ですけれどキョーコさん、要りますかもちろん、今回の仕事が終わった後ですが

ミナホ姉さんが、キョーコさんに尋ねる

あたしは要らないね

キョーコさんは、即答した

そうですかああいうタイプは香月セキュリティ・サービスよりも、キョーコさんの組織の方が向いていると思ったんですけれど