鞍馬姉妹の名前が出たことで、狩野さんがビクッと反応する
わたくしはことの顛末はちゃんと知っておきたいのよだから、本当ならわたくし自身がここに残りたいんですけれどここにはほら、巫女さんたちが居るでしょ
ニヤッと微笑む桃子姉ちゃん
歌晏桃子さんだけは鷹倉神社の巫女の存在とその力を知っている
わたくしはどんな時でも、わたくしでいたいの人に操作されるのは嫌よ心の中を覗かれるのは、勝手にしたらって思うけれど
この人は、ホントにサバサバしている
だから、わたくしは残りません代わりに、まり子を置いていくわああこの子は、性格がユニークでしょもし巫女さんに性格を変えられたらすぐに判りますからねそうなった場合は歌晏家と香月家の全面戦争よ
笑顔のままそう言う
桃子お姉様どういうお話ですの
鳥居さんが、キョトンとして言う
ああ、この子には巫女の力のことは、教えていないんだな
ていうか鳥居さんに教えたら、平気でみんなに言い広めるだろうし
そんなことをしたらとんでもないことになるとか考えない子だもんな
巫女は全てわたくしの旦那様がご支配なさっております鳥居様が、わたくしたちに対してよほどのことをなさらない限りご無礼は致しませんわ
みすずも、笑顔で返す
そうま、信用するわみすずはもう、わたくしの妹なんですしまり子、とにかく、あなたは残って成り行きを見届けなさい鳥居家には、わたくしから連絡しておくわあそこの家は、歌晏家には頭が上がらないから
ああ、鳥居さんの家と歌晏家は結びつきがあるんだ
今夜は、お泊まりいただくことになるかもしれないですわ
オレたちの背後からアニエスを抱いた瑠璃子が言う
別に構いませんわ香月家のご本家に泊めていただくんですしわたくし、いつも桃子お姉様のお屋敷にはお泊まりしていますから
お泊まりいただく以上は、我が家の家風に従っていただきますがよろしいですわね
家風よく判らないですけれどまあ、何でも従いますわうふふちょっと楽しみ
鳥居さんは、クククと笑うが
オレには瑠璃子が怖い
こういうことを言い出す時の瑠璃子は、何か企んでいる
桃子お姉様わたくしたち、異能の力で鳥居様のお心を変化するようなことは致しませんがわたくしたちと一晩過ごしていただいた結果、鳥居様が色々と変わられるということはあるかもしれません
瑠璃子が桃子姉ちゃんに言う
お兄様と触れ合った方はみんな成長致しますからわたくしもそうでした
公ちゃんが
不思議そうに、オレを見る桃子姉ちゃん
そうなの良く判らないわねわたくしには
そしてみすずに
今回、わたくしがみすずとの関係を良好にしようと決めたのは、公ちゃんを見たからよ
香月家の本家の娘がよくもまあ、こんな木訥な子を選んだものだなって
ボクトツ
でも、こういう男の子を選ぶのならみすずだって悪い女の子じゃないって思ったのよほら、良く言うでしょ恋人というのは、同じレベルの男女だって男の子と女の子、どっちかが優れてて、どっちかが劣っているなんていう差が付くはずがないって
実際、今日のパーティの進行を見てあなたたちって、余裕が無いわよねいつも、いっぱいいっぱいで汗をかいている感じでエレガントではないわ
みすずは謝る
いいんじゃないのみすずは、まだ若いんだしあなたの頑張っている感じが、皆様には良く伝わってたわよだからみんな、みすずや香月家それに公ちゃんにまで、好印象を持ってくれたんだと思うわ
ああ確かに
みすずもオレもあんまり余裕は無かったと思う
でも、あたしだったらもっと優雅なパーティにするわよ次は、歌晏家のパーティに招待するから、公ちゃんと一緒にいらっしゃい
はいありがとうございます勉強させていただきます桃子お姉様
でも余裕がなくて、エレガントでは無いパーティでしたがとにかく、どんな時でも一生懸命になって頑張り続けるというのがあたしたちの家風ですから
家風
さっき、瑠璃子も同じ言葉を使ったけれど
あらまた、家風香月家にそんな家風があるなんて知らなかったわ
桃子姉ちゃんは笑う
違いますあたしの旦那様黒森公に仕える者の家風ですわ
みすずは真顔で、そう言う
ですから、優雅さは桃子お姉様にお任せ致します
改めて桃子姉ちゃんが、オレを見る
瑠璃子もそうなの
はいわたくしもお兄様に従う者でございますから
美子さんも
桃子姉ちゃんに聞かれて、美子さんは
今の香月家は公様を中心にして動いていますわ
ば、ばけらった
アニエスが、突然口を開いた
ギッと、桃子姉ちゃんを睨んでいる
美智も無言で、桃子姉ちゃんを見ていた
えー、プリンセス・アニエス様は
慌てて、コヨミちゃんが通訳しようとするが
通訳は結構よ何が言いたいのかは伝わったから
なるほど公ちゃんの影響なの
はいもちろん巫女とは関係ありませんいえ、巫女たちも旦那様と触れ合ったことで、良い方向へ進むことができました
じゃあまり子も、良くなるかしら
お姉様わたくしはいつも最高に良い状態ですわ
鳥居さんは、反発する
少なくとも、鞍馬さんたちのことは心配しなくていいのね
そういう桃子姉ちゃんに、みすずは
鞍馬さんのご姉妹どころか先ほどのスパイのことも、お任せ下さい
ふーんこんな木訥だけな子にそんな力があるとはとても思えないけれど
オレの顔を覗き込む
オレは、口を開いた
なあに、公ちゃん
ボクトツってどういう意味です
ボクトツというのは人の名前ネ
突然イーディが、現れる
ボクトツというのは、前漢の頃の匈奴の王様ネ紀元前174年に死んだのネ
あなたっそれは冒頓単于よっ
鳥居さんが、叫ぶ
そうネその人の話をしているノネ
わたくしたちは、その人の話はしていないのよっ
イーディそう言えば、お前、今まで何をしていたんだ
しばらく姿が見えなかったけれど
スパイの監視ネあの子眼を醒ました途端に、逃げようとしたから、フン捕まえて来たところネ
ああ、天童乙女か
今はどうしている
月子が来てくれたから大人しくしているノネ
はぁならいいけれど
あらあら、大変そうねじゃそっちは、あなたたちに任せるわ
そう言って桃子姉ちゃんは狩野さんの方へと向かう
まり子は置いていくけれど桜子、あなたはわたくしと一緒に帰りますからね
狩野さんの手を取る
鞍馬さんたちが心配なのは判るけれどわたくしたちは、残ってはいけないのよ立場があるんですから
3大名家の娘として