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わ、わたくしたちにミズシマ・ホールディングス・グループを手放せとおっしゃるのですか

水島老人の言葉に、ジッちゃんは

そういう了見だから、関西の暴力団組織につけ込まれたのだよ

強く言った

水島家にはいや、君には企業グループの総帥たる経営能力が無かったそれだけのことだ世間の皆様にこれ以上迷惑を掛けないうちに、退き給え後片付けぐらいは、助けてやる

水島家の財産を集めて財団化するんだなそれで、先祖代々の文物は守れる水島家の体面が保てるだけの社会的な地位は、私が用意してやろう狩野家と同じだ

ああ、社会的な団体とかの名誉職みたいなのをいっぱいやって

生活だけは何とかできるようにしてくれるのか

それでは水島家は死んだも同然です

気落ちした様子で、水島老人は言った

ミズシマ・ホールディングス・グループを失うなんて

では、ミズシマ・ホールディングスと共に滅びたまえ

私の屋敷に暴力団組織の手の者を送り込んだことは全ての名家の怒りを買うことになるだろう私が水島の家は滅ぼすと宣言したら全ての名家が、君との縁を切ることになる

色んな名家の経営している会社が、一斉にミズシマ・ホールディングスとの取引を止める

この決定は、私だけでなく歌晏と狩野と連名で出すことにする

香月家だけでなく3大名家で

そ、それでは水島家は、全ての名家から見捨てられてしまいます

君のやったことの結果だ覚悟したまえよ

か、閣下ぁ

ああ、君の孫娘だがこのまま、我が家で引き取る私が適当な人物と結婚させ、水島家を継がせるこの娘は小賢しいところがあるが、勇気がある知性もある少なくとも、君や君の息子よりも見所があるちゃんと水島家だけは残してやるから、感謝したまえよ

お、お待ち下さい可憐はわたくしの大切な孫娘でございます

大切ならば、どうして暴力団組織の人間に委ねるようなことをしたのかねっ

厳しく叱責する

もう切るぞ君のような人間とは、話をするだけムダだ君には誠意が無い真摯さも無い

お、お待ち下さいかっ、閣下ぁぁ

ジッちゃんは、返事をせずに電話を切った

すぐに、別のところへ電話を掛ける

私だ水島が電話を掛けて来ても、私には繋ぐな君が応対しろそれでミズシマ・ホールディングスの分割の件は、どんどん進めてくれ大丈夫だすぐに泣きついてきて、そうなることになるそれで歌晏家や他の家にも、利益が出るように君のところで調整してくれたまえ今日の件の迷惑料は、それぞれの家に支払ってやらんとならんそうでもせんと、治まらない家もあるだろうから

ああ大切な家のお嬢様を危険に晒したということで

他の名家が、水島家を攻撃する前に水島家の持っている利権を分配する話を付けてしまおうというのか

うむ頼む高浜物産の方は娘がバカだったというだけのことだすでに高浜の方から詫びと今日来ている全ての家に対して、充分な慰謝料を支払うと連絡があった水島のやつも高浜ぐらい、周りを眼を見る眼があれば、こんなことにはならなかったのになまあ、仕方がない

天童乙女にそそのかされて、香月家に楯突いた高浜さんの方は

すでに、ジッちゃんや他の名家の人たちに全面降伏したんだ

だから問題が深刻にならずに許される

一方、水島家は姑息な工作をしようと企てたから

全面的に潰されることになった

頼んだぞ

ジッちゃんは秘書か、会社の部下か判らないけれど電話を切った

こういうことになったよ水島可憐くん

可憐さんに、厳しい表情で言う

水島家の先祖代々の屋敷や資産はバラバラに売り払われることがないように監視しておくだから、それらはきちんと君が引き継ぐことになるはずだ君個人の物ではなく、君が長となる財団の所有物ということになるかもしれないが

とりあえず次の世代には、残される

ミズシマ・ホールディングスという企業グループはなくなるそれは、覚悟してくれたまえ

可憐さんは、辛そうにうつむいた

そして、わたくしは水島家には、戻れないのですね

ああ、申し訳ないが帰すわけにはいかんな人質というわけではないが水島や彼の息子からは、引き離す

さっき君は家の罪は自分の罪だから、自分のことも罰して下さいと、私に言ったがその考えは、今でも変わっていないかね

可憐さんは

はい先ほども申し上げました通りあれは、わたしく自身の覚悟でございます

祖父や父に命じられたから、ああ言ったのではないと可憐さんは強調する

では、君自身も処罰することにする

何なりと、お申し付け下さいませ

可憐さんは、上品に一礼した

うむでは君は、今から香月家の家臣となれ

水島家という名家の令嬢ではない香月家に仕える1人の家臣だ

可憐さんは、ジッとジッちゃんを見ている

そうだな君が20歳になって成人した時に君を水島家の次の当主にするそれまで8年間香月家の臣下して、みすずに仕えるのだ

みすず様にで、ございますか

私には、12歳の少女にしてもらうような仕事は無い

ムッとして、ジッちゃんはそう言う

謝罪する、可憐さん

はっきり言えば君の祖父や父親は、今回、自分たちがしでかしたことの重さを理解していない典型的な坊ちゃん育ちの名家の当主だな自分が何をやっているのか判っていないしやってしまったことの結果、何が起きるかということに対して楽天的過ぎる

それは私も感じておりました

水島老人は自分たちが、ミズシマ・ホールディングスの経営から退けば、全てが許されると思っていた

それどころか、香月グループや他の名家が、ミズシマ・ホールディングスを建て直してくれるだろうとすら

名家には、結束が必要だ同じ業種で争っている家もあるが長い歴史を共有する古い家同士、なるべく協力しあっていかなくてはならない

だからこそ水島家が今回したことは、他の名家への裏切り行為なのだ家同士の信頼関係を破壊してしまうことだ

他の名家のお嬢様たちが集まっているパーティに暴力団関係者を送り込むということは

しかも、そういうことを引き起こしておきながら簡単に許してもらえるだろうと、舐めた態度に出た

一罰百戒というつまり水島家に対しては、思い処罰をしなければ、今後またこのようなことが起こらんとも限らない

暴力団だけでなく、悪い人間たちは、いつだって名家を狙っているのだからもう少し、それぞれの家に警戒させるためにも

だから、わたくしが名家の地位を剥奪され、みすず様の臣下に降格されるのですね

可憐さんは、答えた