あたし、連絡します
マナが、携帯電話を取り出す
寧ちゃんも、監視室に着いたらすぐに校内のチェックを始めると思うし
岩倉さんのことだから何かを企んでいる可能性はある
今、寧さんが入ってった所に、すでに誰か忍び込んでるなんてことはないの
それは無いわあそこのシャッターは、あたしたちの車に付いているこの機械ででないと開かないようになっているし
克子姉が、ダッシュボードに取り付けられている装置を指差す
誰かが侵入したら、警報が鳴るようにもなっているわそれに地下通路と監視室の間を通る時にも、センサーと探知機があるから問題が起きたら、前後の扉を下ろして、不審者を閉じこめるようになっているわ
白坂創介と闘うための城として、御名穂姉さんが築いたのだから防御は徹底している
とオレの携帯が鳴った寧だ
もしもーしっ、通路を全力で走って監視室に入ったよあたしの方は問題無しここも誰もいないチェックしたからこのまま全校を監視しまーす
寧は無事だ
うん、頼むよ何かあったら
大丈夫だよここからならヨッちゃんやイーディの携帯どころか、全校放送で危険を知らせることもできるからっ
ああ、そういう手もあるのか
とにかく気を付けてね幸代ちゃんは危険人物だから
ほいじゃあね、ヨッちゃん
マルゴお姉ちゃんも、もう監視してくれてるって
マナも電話を切ってそう言う
心配して、こっちの様子を観ていてくれてたみたい
マルゴさんいつも、オレたちのことを気にしてくれているから
ま、いいわもうすぐ部室棟よ
オレたちを乗せたバンが部室棟の前に着く
いいんだよこんなことしてくれなくても山峰はうちの部員なんだから
女子陸上部の部室の前
ペットボトル入ったの段ボールを献上したら、竹芝キャプテンがそう言った
いえ、これはオレのいや、オレとメグの感謝の気持ちですから
あの、他の部の皆さんも1箱ずつ受け取って下さい
メグが、集まって来た運動部の生徒たちに言う
いきなり、克子姉がバンで乗り付けたことで部室内に居た生徒たちも、外に出て来た
おお、克子さん今日も美しい
2年の星崎もなかなか美形だよな
1年のパン屋の愛ちゃんもいるぜ
バンの中から、次々と美少女たちが降りてきたから
オレ、マニアックかもしれないけれどイーディちゃんも好きだぜ
マニアックじゃねぇよあの外人は美人だしかも、良い筋肉している
運動部の中にはイーディの肉体美に惹かれている男子もいる
あの、昨日、メグを助けていただいて本当にありがとうございました
オレとメグは並んで集まって来た生徒たちに、頭を下げる
あの少ないですけれど、各部で1箱ずつ受け取って下さい
差し入れですからどうぞっ
オレはバンから、段ボール箱を次々と下ろす
昨日、山峰を助けてくれた部だけだよどの部が助けてくれたか、あたしはちゃんと覚えているからね関係無い部が、取りに来たらブッ飛ばすよっ
竹芝先輩が、そう言ってくれたから各運動部へのお礼は、スムーズに手渡せた
それと皆さん、ちょっと聞いて
克子姉が、大きな声で叫ぶ
今日パン工房で、試作品を作るから試作だから、美味しいかどうかは判らないけれどその代わり、お金はいらないわよっ感想を教えてくれるならだけど
お昼の12時から無料試食会を開催しまーす
愛も彼女なりに声を張って、みんなに言った
え、パン食べ放題なのか
タダでいいのかよ
さっそく男子の運動部員が、食い付いてくるが
試食だから、感想を聞くって言ってたろだから、1人3個ぐらいまでにしなっガツガツ食べて全部、感想が言えるのかい
竹芝先輩が、そう男子たちに言ってくれた
でも、克子さんや愛ちゃんの手作りパンだろああそいつも作るのか
うーん、オレの名前は浸透していないらしい
いいえ、今日の試食はパン工房が、学園祭でテニス部とコラボする時に出すパンだからあたしたちも作るわよ
可奈センパイが、ニコッと笑う
可奈ぁとりあえず、5人、パン作りやってみたいってさ
可奈センパイの友達のテニス部員の女の子がやって来る
それだけ居れば充分よえっとパンを作る子は、こっちに集まってくれる
克子姉が、テニス部の子に言う
はいちょっと待って下さい
テニス部の少女が、女子テニス部の部室へ走って行き
パン作る子は、集まってだって
待ってぇ、今、行くぅ
部室の中から、テニスウェアに着替えた女子部員がゾロゾロと現れる
何で、着替えてるのよ
可奈センパイが、尋ねると
だって、学園祭当日はこの格好で、喫茶店をやるわけでしょだから、パン作りを習うのもこっちの格好の方がいいかなって
あ、これ、洗濯してきたのをそのまま着ていますから衛生的にも問題ありません
うん、臭くなーいっうふふふ
テニス部員たちが、クスクスと笑う
まあ、いいわ手洗いとかは最初に徹底するからそれで今日のパン講座の講師なんだけれど、あたしは用があるから、朝しかいられないのよ
えー、克子さん教えてくれないんですかぁ
じゃあ、先生役はパン屋くん
オレ、パン屋くんとか呼ばれているんだ
いや、オレも今日は、行かないといけないところがあるんで
慌てて、そう言う
ってことはあたしたち、愛に習うの
愛、あんた大丈夫
愛は、元テニス部だからこの人たちは、愛の引っ込み思案ぶりをよく知っている
人に物を教えられるような性格ではなかったことを
うん頑張る
愛は、小さな声でそう答えた
愛ちゃんだけじゃないわよ今日は、あたしの代わりに最後まで、パン作りを教える講師に来てもらったわ
克子姉の言葉とともにマナがバンから降りてくる
お早うございます講師の黒森マナですみなさん、よろしく
ニコッと笑ってマナが、そう言った
マナは、5月にここの学校に来ている
顔を覚えている生徒もいるかもしれない
うわっすっげぇ美人
うん、克子さんに匹敵する
大人の匂いがするぜぇぇ
克子さんより、色っぽいかも
半年で変貌を遂げたマナは中学生には、見えないらしい
以前は小柄だったのに、体質改善でスクスクと背が伸びたし
オレの精液を何度も呑んで14歳とは思えない色気と雰囲気のある子になっている
足が長―いそれに、細くて綺麗
さすが、克子さんのお友達よねぇ
女の子たちも、すっかりマナが克子姉と同じぐらいの年齢だと思い込んでいる
実際は、まだ14歳この場に居る、誰よりも若いんだけれど
今日は、あたしと愛さんで講師をしますから判らないコトがあったら、何でも聞いて下さいいいですね