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ていうかさ人間は、みんな地べたを這って生きているんだよ

人間は空は飛べないからオレも、あなたも、みすずや瑠璃子だってみんな、自分の足で大地を踏みしめて、必死に生きているんだよヤクザの娘だからとか名家のお嬢様だからなんていう差は無いんだよ実際は

あんたに、あたしたちの何が判るっていうんだい

天童乙女が、オレに言う

そう言うあなただって、オレやみすずたちの何が判るんだよ

ふん、判りたくないねっあんたたちみたいな連中のことはさっ

天童乙女は、そう言うが

じゃあ、いいんだね天童さんの仲間の女の子たちは、このまま見殺しで

脅す気かい

天童乙女は、寧に言う

脅すまでもないよ天童さんは、あたしたちにもう捕まっているわけで取引が成立しないのなら、見捨てるだけだよあたしたちには、天童さんや天童さんの仲間を助けることには、何のメリットも無いんだからさ

寧も絶対に、笑顔を崩さない

オレたちは今夜中に、あなたのお父さん天童貞男さんたちのグループも、関西から追加でやって来た猪鹿蝶一郎さんたちの一派も、ブッ潰すよ再起不能にするもしかしたら殺さなきゃいけないかもしれない

オレの言葉に、鳥居さんが驚く

こ、殺すって

オレたちを付け狙うのは判るけれど他の家のお嬢様まで巻き込もうとするのは、ちょっと酷すぎると思うこういう馬鹿な計画を再び企てないないようにかなりキツイ処分をしないといけないだろうね

オレは、彼女に答えた

一罰百戒だよジッちゃんが、名家が香月家に甘えてこないように釘を刺すために、鞍馬家を救わない決意したようにオレたちも、腹を括らないといけないと思う

そう言ってオレは、改めて天童乙女を見る

あなたやあなたの仲間のことはオレたちにとっては、二の次のことなんだよオレたちは、オレたちでいっぱいいっぱいでやっているんだから本物のヤクザとの殺し合いをさとっくに、こんなの遊びじゃなくなっているわけだらさ

天童乙女は、オレを見つめている

だからあなたが、オレたちがヤクザたちと闘うのに、何らかのメリットをもたらしてくれるのならオレたちは、あなたとあなたの仲間を助けることもできるかもしれないあくまでもかもしれないだよオレたちにとっての優先順位はヤクザたちを完全にブチのめすことであって、あなたの仲間を救うことではないから

オレはフェアにカードを切ることにした

こういう論理で話が通じない人ならこの人のことはもう、諦めるしかない

それでも、保証が欲しいねあたしがあんたたちに協力したらあたしはどうなってもいいんだだが、あの子たちは助けて欲しいんだよ

天童乙女は、真顔でそう言う

ダメだ保証はしない

オレははっきりと、そう告げた

オレとあなたとの取引はフィフティ・フィフティじゃないからな

あたしは命を賭けているんだよっ

あなたの命だけじゃ、釣り合わないってことだよ

天童乙女が、ギギッとオレを睨む

オレは、オレの家族みすずや瑠璃子だけじゃない、あなたに見せてきた子たちと、あなたには見せていない子たちまで全員の運命を背負っているんだあの子たちを不幸にするわけにはいかないんだよっ

オレは部屋の奥で楽しそうに、冷たい飲み物を飲んでいる真緒ちゃんやアニエスたちを見る

オレの命より家族の方が大切だそれから、みすずたちが幸せに生きていくためには他の名家の人たちにも、絶対に迷惑を掛けてはいけないことも判っているだからあなたやあなたの仲間を優先することはできない

命を張っているのは、アンタだけじゃないノネ

イーディが、天童乙女にそう言う

そうだよあたしたちと天童さん利害関係が合うところでしか、共闘できないよ

それでもいいのなら、手を貸して欲しいオレには、そういう風にしか言えない

天童乙女に、そう告げるオレを見て、鳥居さんは

黒森さんはどうして、そんなに馬鹿正直でいらっしゃるの

呆れた表情でそう言う

こんな人適当に、上辺で相手が望むような約束をしておいて、とりあえず利用してしまえばいいですのに

ああ鳥居さんにとっては

天童乙女のような娘は、そういうことをしてもいい下賤な存在なんだ

人と人ですから命を張っている人間同士ですから、嘘は吐けません

こういうところで嘘を吐くような人間はどんなに頭が良くて、優秀で、能力のある人間でもダメだと思うんです

何がダメなの

鳥居さんは、不思議そうにオレを見ている

最終的に裏切るかもしれない人間と命懸けの戦いを一緒にすることはできないからですよ

そんなのこちらが、この人が裏切らないように監視していれば

違います鳥居さん

自分の方の問題じゃないんです

鳥居さんは、いつも自分の立場でしか物事を考えない

オレは、天童乙女を指差し

この人がオレとなら一緒に闘えるって感じてくれないと、本気で命懸けで闘うことができないでしょ

オレは、この人に自分の父親を切り捨てろって、言っているんですから

オレは再び、天童乙女を見る

天童さん、あなた自分のお父さんを、見殺しにできますか

天童乙女は、ブルブルと震え出す

あなた自身と、あなたの仲間を救うためにはもう、それしかないんですオレたちは、あなたのお父さんを殺さなくて済むかもしれないけれど巫女の力で、お父さんの心は改変しますあなたのことを一生、思い出さなくなるかもしれません

それは別にいいさ、あんなやつ

本当にいいんですか

オレは、さらに詰め寄る

これは架空の話じゃないんですこれから起こる現実の話ですそれでも、天童さんはいいんですか

だって、他に手は無いんだろ

オレには思い付かないです天童さんたちをヤクザたちから自由にするためには

殺すか巫女の力で心と記憶を殺すしかない

だったら仕方ないじゃないか

そういう話をしているんじゃねぇっ

鋭く、天童乙女に言った

仕方ないとか、どうしようもないとかそんなことじゃなくって、あなた自身は覚悟できるのかって聞いているんだよっ

そんなのどうだっていいじゃないかっ

天童乙女が、オレに逆ギレしようとする

ちゃんと覚悟できないで、流れのままに親を見捨てたら、一生後悔するだろ

そういう情けない思いを抱えて、一生生きていくのは良くないよ

驚く天童乙女に、寧は

ヨッちゃんもさ親を切り捨ててきた子なんだよ覚悟して

昔の特撮は、変身前も変身後も同じ俳優さんがやっていました

これは特撮モノのルーツである時代劇で

**小僧とか**頭巾とか鞍馬天狗とか

覆面はしているけれど、眼は出ているので同じ役者さんがやっていたことから始まっているのだと思います