オレは壁の時計を見る そろそろ明日売るパンの仕込みを始めないといけない
パパあの
アニエスがルナたちとやって来る
兄さん、今日はちょっとボクたち、パンのお手伝いを休んでもいい
アニエスたちは、毎晩50円安い簡単なパンを作るのを手伝ってくれている
学校が始まりましたからアニエスちゃんと、明日の予習をしておきたいんです
コヨミちゃんがそう言う
さすが、私立のお嬢様校ボクたちが、思ってたよりも授業のレベルが上だったんです
わたしはたちも、しばらく学校をお休みしていましたから予習をきっちりしておきたいんです
ルナもコヨミちゃんも真面目な性格だもんな ああそれに 学校に初めて通うアニエスのことを考えてくれているんだ きっちり予習・復習をやっていかないとアニエスは、みんなの勉強のペースに付いていけなくなるかもしれない
可憐ちゃんも、一緒にお勉強してくれるそうですの
はい、公お兄様
ずっと超お嬢様校の生徒の可憐がみんなの勉強を見てくれるのは助かる
旦那様、この子たちのことは、あたしが見ますわ
高2のみすずが小6の子たちの勉強を見てくれるのは助かる いや、オレなら小学生に教えるのはちょっと怪しいけど、みすずは優等生だし
頼むよ、みすずアニエスとルナとコヨミちゃんと可憐は、今日からはパンの手伝いの方は、やれる時だけでいいから自分の勉強の方を優先してくれ
いえ、今日は学校の初日だったし、帰って来てから色々あって時間が遅くなっちゃいましたけれど明日からは、学校の予習とパンのお手伝いは両立させます
どっちもわたしたちにとっては、大切なことですから
うん、そうだねボクたち、明日からはどっちもちゃんとやるから
今日だけ、ごめんなさいですの
今日一日で、学校の授業の流れがだいたい判ってもらえたと思いますので今日は各教科ごとに、確認した方が良いと思うんです
アニエスと可憐も、真面目な顔で言う
お勉強するのなら、2階の書庫の隣の部屋を使いなさいあそこなら静かだし、テーブルと椅子もあるから
克子姉が鍵を持って来る
じゃあ、みんな今、克子姉が言った部屋で勉強してくれ
多分、その部屋はここが黒森楼だった頃に 地方から連れて来られて、オレたちの高校に通っていた娼婦たちが みんなで学校の勉強をした部屋なんだろう アニエスが元気にオレに返事をする
じゃあ、パパドリィちゃんとアナちゃんも、また後でですのっ
アニエスは、アーニャと一緒に居る少女暗殺者姉妹に声を掛けた そして、そのままゾロゾロと食堂から出て行く
アニエスちゃんたちは、偉いですわ
うん、うちらなんて予習なんてしたことないもんな
小6カルテットたちが退室したのを確認してから リエとエリの双子がやって来る
うちら、学校は明後日からですしお手伝いしますわ、お兄さん
お手伝いさせてもらいますお兄さん
ヨミもお手伝い致しますわ
エリ&リエの後ろからヨミさらにありすとキヌカもやって来る
わたくしたちも居りますわ
みんなパン作りの基礎は覚えてくれているから問題は無い
じゃ、パン工房へ移動するか
オレは、椅子から立ち上がるが 改めてアーニャとドリィとアナのドリル槍姉妹の様子を見る
この子たちはあたしが見ているから、平気よもう少し、身体を動かして汗をかかせるわわたくしたちは色々と迷った時は、取りあえず自分の身体をいじめた方が良いのよそれで、疲れさせて今日は早く休ませるわ
うん、ドリィとアナも頭の中を整理する時間が必要だろう 今日はもう、いっぱいいっぱいのはずだ
わたくしたちも、お付き合い致します
ミタマとハイジがそう言う 武闘派の気持ちは、武闘派の子が一番良く判っているか
だったら、地下のさ元・アニエスの部屋へ行ってみてよっ
寧が壁のモニターに、地下室の様子を映し出す
同じことを考えて、先に身体をいじめてる子たちがいるからさっ
モニターの画面には黙々とトレーニングしているイーディとグレース・マリンカさんが映る
ソコは違うネ踏み込みが甘いヨ、ジュン
もう一度だっ
何度でもジュンができるようになるまで付き合うネ
グレースさんも負けた記憶から再起しようとしている
ハイジちゃんアーニャちゃんたちを地下室に連れてってくれる
寧が、ハイジに言う
かしこまりましたこちらです
ええ、頼むわ
ハイジの先導でアーニャ、ドリィ&アナ、ミタマも食堂から出て行った
藤宮さんは行かないんですか
木下さんが、克子姉の持って来てくれたケーキを食べながら言う
今は大人が顔を出すべきではないのよだから、わたくしが顔を出すのは良くないわ同年代の子たちに揉まれることが今のあの子たちには必要なんですから
ドリィ・ルゥさんにアナ・ルゥさんニキータ・ゴルバチョフことアーニャさんも
そうか、アーニャもずっとキョーコさんとミス・コーデリアの配下でしかなかったから 今もみたいに家族の一員として積極的に、自分にできることをやっていくなんていうのは慣れていないんだ
わたくしより美智ちゃん、あなたはどうして行かないの
レイちゃんは、美智に声を掛ける そう言えば、今夜の美智はやけに大人しいな
向こうは、イーディが居りますから任せられます
美智は静かに答える
お屋敷の警備のためには自由に動ける人間が、一人は残っていないといけませんから
あら、それならわたくしがここに居るわよ
うん、監視装置のチェックなんかはレイちゃんも良く判っているしむしろ、レイちゃんはプロの警護人だから、完璧に使いこなせる
ま、美智ちゃんの気持ちは、だいたい判ってるけれどね
レイちゃんは、そう言って向こうのテーブルに残っている栗宮さんと御厨さんを見る
みすず、ありす、可憐は、アニエスの予習のために退席した
瑠璃子と美子さんは、夕食の片付けで台所に行ったからやはりここにはいない 名家の令嬢である栗宮さんは同じく名家の令嬢であるみすずたちには、立場的に今の落ち込んだ気持ちをオープンにはできない 他家の令嬢たちは、取りあえずみんな、栗宮さんの前から姿を消した そして、その上で 栗宮さんは、香月家の家臣であるレイちゃんや木下さんには現状の問題を相談するのは気が引けるだろうから、話し掛けられないと思う この武闘派の名家の令嬢たちが、今、一番気楽に話をすることができるのは 昔からよく知っている香月家の警護役の美智ということになる いや、さっきの栗宮さんが木下さんに負けた時にも、美智は、できる限り自分の気配を消していた だから、栗宮さんは美智には相談しやすいはずだ このまま、オレたちもパン工房に移動してここに栗宮さんたちと美智だけが残る様にすればいいのか レイちゃんたちも、時間差で移動してくれるだろう