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わたくしも早急にわたくしが果たすべき役目を見つけます

 桜子は、オレに約束する  そして、桜子は栗宮さんに向き直り

栗宮様、お判りですかあなたも、こちらのお屋敷に置いていただくためには、こちらの家族のために何かの役目が果たせなければいけないんですわ何もできないのにこちらに住まわせていただいて、槍のお稽古を好きなだけしていられると思ったら大間違いですわ

わ、わたくしはいえ、わたくしとくるみが、黒森様の側室としてお仕えするというのでは不十分だとおっしゃるのですか

 桜子を見つめる栗宮さん

本当に、判っていらっしゃらないのね

 桜子は、ハァと溜息を吐いた

栗宮様が、黒森様の側室になるということで、メリットを得るのは栗宮様側だけですわ黒森様や香月家にとってはデメリットでしかありません

なぜですわたくしは

 栗宮さんは、自分の家柄や容姿に自信があるのだろう

わたくしとくるみは黒森様に生涯を捧げるとお誓い致しますわ黒森様以外の殿方には、一生、身体を許しませんお望みの行為はどんなことでも致します黒森様のお子を産みます栗宮流槍術師範としてこの誓いは命を賭けて守ります

 栗宮さんは強く言う

もちろん、わたくしたちは側室でございますから公の場には、出ません黒森様の正妻になられるみすず様には、決して逆らいません他の皆様のお邪魔になるようなことも、決して致しませんから

 栗宮流槍術を守るためにオレの側室になるのか  そして、オレとの間に生まれた子に栗宮の姓と槍の技を伝えて、栗宮流槍術の後継者にしたいと考えている

そのお考えが迷惑なんですわ

黒森様もみすず様も、まだ高校生でいらっしゃいます正式にご結婚なさるのは数年先になるはずですわ名家の世界にも、香月様が黒森様をみすず様のパートナーとして認められたというお話は伝わっていますが、正式に婚約なさったというお話にはなっていません

 うんオレたちは、まだ婚約とかまでは公表していない  あくまでもパートナー宣言だけだ  名家の人間でないオレが正式に香月家の一員になるためには  香月家の分家や、他の名家にまだまだ、根回しをしないといけない

この状況でみすず様を差し置いて、栗宮様たちが黒森様の側室になるというのは問題ですわみすず様の沽券に関わりますまた、まだ16歳の黒森様が名家の令嬢を側室に迎えるというのも、様々な方の反発を招くと思います

 正式な婚約もまだなのに  高校1年生のオレが、みすずの他に側室を作ったなんてことが他の名家に知られたら  オレたちの評価は、メチャクチャ下がるだろう  みすずは女としての魅力が不足しいるということになるし  オレは、ガマンの効かないセックス中毒者だと思われる  しかも側室にしたのが名家・栗宮家の令嬢となれば  大変なスキャンダルになる

で、ですが黒森様はすでに、桜子様や他の方たちも

ええ、わたくしや水島可憐さん、鞍馬ありすさんたちも黒森様の女にしていただきましたでも、そのことは世間の皆様には、お知らせしていません

 桜子の言う通り名家の令嬢たちは、香月家にお預けになっているというのが正式な発表で  オレの女になっていることは、内緒になっている  この秘密は、これからもずっと隠し通されることになるだろう

でも、栗宮様の場合は栗宮様たちが、栗宮家を離れるためには黒森様の側室となったことを世間に公表するしかないのではありませんか

 栗宮家は栗宮素子さんを普通に他の名家に嫁がせたいのだから  それでは栗宮流槍術が続けられないからオレたちのところに転がり込もうというのは、あくまでも栗宮素子さんの計画だ  香月家と繋がりのある男の側室になったと公言することで、自分の家に他家に嫁に出すのを諦めてもらおうということなんだよな  だから、側室になったということは世間に知らしめないと効果が無い

それで、あなたたちは自分の家から離れて、このお屋敷で思う存分、槍のお稽古をすることができる栗宮様たちにとってはメリットのある計画ですでも、香月家や黒森家にとっては迷惑なだけです

 うんオレたちにとっては、悪い評判が広まることになる  特に、みすずが居るのに、さらに側室を作るオレはメチャクチャに叩かれることになるだろう  ただの庶民が、みすずのパートナーに選ばれたということだけでもヤッカム人間がいるのに  さらに、他の名家の令嬢まで側室にするんじゃ  そんな高校1年生気持ち悪すぎる

判りましたね栗宮様は、どこまでもご自分の都合だけで今回の側室のお話を持っていらしたんです黒森様やみすず様のことを、真剣に考えてはいらっしゃらなかった

桜子様のおっしゃる通りだと思います

 栗宮さんは、自分の計画の甘さを認めた

みすず様は、お優しいから気付いていらっしゃらないフリをして、席を外しておられるんですわですから、わたくしが僭越ながら、苦言を呈させていただきました

 名家の令嬢である栗宮素子さんに、真っ正面から意見を言えるのは  3大名家の1つ、狩野家の娘である桜子でないとダメだったんだ  他の子が同じことを言っても栗宮さんは反発するだけだったと思う

黒森様申し訳ございませんでした

 栗宮さんは、顔を青くしてオレに謝る

いや、いいんだよそんなことは

 栗宮さんが槍を続けていけるようにオレにできることはあるんだろうか  ジッちゃんに頼んで栗宮家に、素子さんたちが自由に槍の稽古ができるように話してもらうとか  栗宮さんたちの結婚相手も生まれた子供に、栗宮流槍術を伝えることを条件にしてもらうとか  ダメだな  幾ら、香月家が名家の束ね役だとしても独立している名家に、そこまで細かいことを要求するのはマズイだろう  それに、この件にジッちゃんを巻き込むのは筋違いだ  ジッちゃんの持つ影響力は、オレ自身の力ではないんだから

美智栗宮さんと何か話したか

はい、同じ古流武術を継承する者としてわたくしの意見をお尋ねになられましたので、率直にお答え致しました

 美智はいつもの無表情で答える

わたくしの場合はわたくしの代で、工藤流古武術が滅んだとしても、仕方ないと思っていますそうなったらそれが武術としての寿命であったと思うしかありません

武術というものは、多くの人間に伝われば良いというものではありませんから多くの人間に伝授することで次第に本質から遠ざかることもあります

 ああスポーツ化して、たくさんの人たちがやるようになって  元の武術とは異なるものになるケースもあるよな