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確かに、栗宮さんも御厨さんも、美人だし料理が上手なことも良く判ったけれど

 栗宮さんと御厨さんはジッとオレを見つめている

でも、だからって何が何でも栗宮さんたちをオレの女にしたいとは思わないよ

わたくしたちには黒森様の側室にしていただけるほどの価値が無いというのですか

 栗宮さんは静かにそう言う  御厨さんも、悲しそうな顔でオレを見ていた

そうじゃないです女の子としての魅力は感じています

でしたらもどうかわたくしたちを

でもそうやって、オレの意志を無視して、一方的に押し付けて来られるのは、あんまり気分の良いことではないですよね

栗宮さんは、栗宮流槍術を守ることばかり考えていてとにかく、この屋敷に押し掛けてここに居座ってしまえば、後は何とかなると思っていませんでしたかオレたちが、栗宮さんたちを受け入れるのは当然のことなんだと、思い込んではいませんでしたか

 口籠もる栗宮さん

香月家には名家の伝統を守りたいという、ジッちゃんの思いがあります栗宮流槍術も、ジッちゃんが守りたいモノの1つに入っているのかもしれないだから、もしどうしても栗宮流槍術を存続させたいのなら栗宮さんは正々堂々とジッちゃんに頼みに行くべきですオレのところに、無理矢理入り込んでそれで何とかしてもらおうというのは、筋が違うと思います

 栗宮さんたちも、相当、切羽詰まっているんだろうけれど

これは、ちょっとマナー違反が過ぎると思う

みすずや瑠璃子は栗宮さんが、オレたちのことをナメていると感じているんでしょうでも、あいつらにも名家・香月家の娘としての誇りがありますからだから徹底的に、栗宮さんたちをお客様として扱っているんです

 押し掛けて来るのも、ここに泊まるのも平然と受けとめる  しかし、栗宮さんは家族でなくどこまでも、ゲストとして扱う

だから栗宮さんの問題についても、みすずたち自身は、直接、タッチしないで香月家の臣下であるレイちゃんや美智に任せているんだと思います

 名家・栗宮家の令嬢の悩みを香月家として聞いてやっているということにしている  それで、とっととここから出て行かせたいと思っているんだ  栗宮さんたちを家族として受け入れるつもりは全く無い

あなるほどそうなんですわね

 桜子が、うなずく

ではわたくしたちは、この先、どうしたら良いのでしょうか

本当に判らないんですどうすれば、栗宮流槍術を残していくことができるのか

 この人は本当に自分の槍のことしか興味が無い

家を出て自立するしかないんじゃないですか

家を出る

はいオレが話を聞いた限りでは今の栗宮家は、栗宮流槍術を必要としていないんですよね家伝の槍の技をもう子孫に伝えなくても良いと思っている

 今の時代に槍の技は使われないんだから

情けないことですがおっしゃる通りです

 栗宮さんは認める

現在のわたくしの家の当主は槍はもう必要ないと思っています一族のほとんどの者もでも、わたくしとくるみは、この先祖代々の技を何としても残していきたいのです

だったら家を出るしかないじゃないですか

 オレはキッパリと言い切った

栗宮流槍術を守るために、栗宮家を出るというのは矛盾しているかもしれませんけれど栗宮家に属している限りは、あなたたちは家の決定に従わなくてはいけないはずです

そうですわね家名を背負っている以上は、勝手なことは許されないと思いますわ

 桜子も、そう言った

今の栗宮さんは家に養ってもらっているんですから家の人たちの考えと違うことをしたいのなら、家を出て自立するべきです

し、しかしわたくしたちは

 栗宮さんは、口籠もる

わたくしも、くるみも自立して生計を立てるようなことは

 この人も、生まれながらのお嬢様だ  自分で金を稼いで生きていくことのできる能力は今は持っていない

ですから、これから自活していくための技術を身に付けていくしかないんですよ

このままだと他家に嫁に出されてしまって、槍を捨てなくちゃいけなくなるって危機感を持っているんでしょうけれど少なくても、後数年は結婚させられるようなことはないはずですよね

 栗宮さんは、まだ17歳だ  幾ら何でも、今時高校を卒業して、すぐに結婚とかはないだろう

それはそうだと、思いますが

でも、すでにわたくしの許婚者を決めるという動きも出ていますので

婚約させられたってそんなの、ホントに結婚する前に破棄してしまえばいいんです

あなたの意志に反して、勝手に決められたことなんですから婚約者に後で憎まれることになるかもしれませんが、今は時間稼ぎをするべきです

時間を稼ぐ

ええ、あなたと御厨さんが自立して生きていく方法を身に付けるための時間です

 2年でも3年でも猶予が有れば、何とかなる

とにかく、槍を続けたいのならいずれは家を出て自立するつまり名家の世界から出て行くことを覚悟して下さい

栗宮さんが、オレの側室になろうとしたのは槍を続けながら、しかも名家の世界に留まりたいと思っていたからですよね

 香月みすずのパートナーであるオレの側室になることで  香月家の保護を受けながら栗宮家の家名も捨てないでいられる

そんなのは、甘い考えだし人の力に頼るだけのみっともない行為です槍を取るのなら、家を捨てなきゃいけないし家を捨てるということは、名家の世界の人間じゃなくなる覚悟をしなくちゃいけないですよ

わたくしが栗宮家の娘ではなくなる名家の世界からも離れる

そうですそこまでの覚悟を決めて外の世界で自立してみせなければ、あなたの栗宮流槍術は、守り続けられないと思います

 オレの言葉に、栗宮さんはブルルルッと震える

そ、そんな無理ですわわたくしが名家の世界から離れるなんて

 名家のお嬢様として生まれ、幼稚園から超お嬢様校で学んで来た栗宮さん  友人も全て、名家の令嬢たちだろう

無理なら栗宮流槍術のことは諦めて下さい名家の一員として生きるのなら、栗宮家の当主に従って槍を捨てて、普通に他の名家に嫁ぐしかないですよ

 名家の娘としての地位も槍も両方、持ち続けるというのは虫が良すぎる

栗宮家が栗宮流槍術を必要としていないのならそうなるしかないんですから

家の意志に反して、槍をお続けになるのなら家をお出になられるしかない黒森様のおっしゃる通りだと思いますわ

 栗宮さんは、困惑している

本気でやれば、2~3年で、生きていくための技術は身に付くはずですオレだって、高校を卒業した後にパン屋で生計を立てるために、今、技術を身に付けているんですから