久しぶりね
キョーコさんのパートナーのミス・コーデリアは白い帽子に白いワンピース姿で現れた
元気だったイーディ
ニヤッとイーディに微笑む イーディは、ササッとオレの背中に隠れて
オカゲサマで元気ネ
ミス・コーデリアは、イーディを同性愛のペットにしようとしていた過去があるから イーディは、警戒している
そんなに嫌わないでよホント、可愛いわね、あなた
ミス・コーデリアはクスクスと笑う そんなミス・コーデリアの後ろから彼女のペットの白髪の双子姉妹、イーニーとミーニーが現れた
hi
ああ、この人たちの姿を見るのは本当に久しぶりだなぁ この人たちは、最初に会った時は日本語がペラペラだったはずなのに いつの頃からか、日本語を話さなくなった うーん、余り深く考えない方が良いんだろうな
香月のジィさんに頼まれてた仕事がだいたい終わったからみんなで、東南アジアにバカンスに行ってたんだよ
キョーコさんは関西のヤクザ組織を壊滅させる仕事を請け負っていた そして、大阪にミス・コーデリアの組織が縄張りを得た アメリカの裏社会の組織が日本に進出したことになってしまったけれど あのまま関西ヤクザたちが、居座っているよりはずっと良い
それでさあっちで面白い子たちを見つけたから、拾って来たよ
キョーコさんは、そう言うとさらに木立の奥に向かって、オレには判らない言葉で何やら言う 奥から浅黒い肌に、黄色いワンピース姿の2人の少女がやって来た どちらも中学生ぐらいか 2人とも、どういうことだか判らないが長い槍のようなものを抱えていた ただこの槍は 穂先が、妙にブッ太い
こっちがアナで、そっちがドリィだよ
キョーコさんが、それぞれの少女を指差して言うが
キョーコ、違うわよこっちがドリィで、そっちがアナよ
ミス・コーデリアが訂正する
ありゃ、そうかゴメン、ゴメン2人、ご挨拶しなゴ・ア・イ・サ・ツだよ
キョーコさんが、浅黒い肌の少女たちに命じる
コンニチワ、ハジメマシテワタシの名前はドリィ・ルゥデス16歳デスゥ
たどたどしい日本語で1人目の少女が挨拶した
コンニッチワ、ワターシの名前はアナ・ルゥデス14歳ナノデスゥ
ドリィ・ルゥとアナ・ルゥ
2人とも、850年前の古代カビビビンガ王国時代から伝わるドリル槍の使い手だよ
キョーコさんは2人の異国少女の持つ槍を指差す
ほら、槍の先っぽに回転ドリルが付いているだろ
ああ、この槍の穂先がドリルになるのか
ドリィ、アナ
キョーコさんが指示すると、2人はニヤッと笑って槍の手元のスイッチを押した ギュィィィィィィンッ 槍の先のドリルが高速回転する こんなのが人間の身体に触れたら、擦っただけでも肌が裂けて大変なことになってしまう
凄いだろドリル槍こんなのが、古代からの伝統武術だっていうんだからさ
あのキョーコさんこのドリル、どういう原理で回っているんです
槍に付いているスイッチはどう見ても、工業製品なんだけれど
そんなの電気に決まってるだろ電動ドリルなんだから
やっぱりそうだよな
古代カビビンガ王国には850年前から、この電動ドリル槍があったんだよ
ドリィとアナが、現地の言葉で何かを言う
ほら、槍使いのこの子たちがそう証言しているんだから間違いないよ
キョーコさんは、ニヤニヤと笑いながらそう言った
でも、強いよこの子たちはそこの槍を持っているお嬢さんたちの100倍は強いね
キョーコさんの言葉に、栗宮さんが反応する しかし、さすが名家のお嬢様感情に任せて、キョーコ・メッサーに文句を言うようなことはしない キョーコさんの危険性については、さすがに理解している 栗宮さんも、香月家のガーデンパーティの時にキョーコさんのスバ抜けた戦闘能力を自分の眼で確認しているし
ところで、イーディアンタがあたしに会わせたいってメールに書いてきた子は、その子かい
キョーコさんは、イーディの脇に居たグレース・マリンカさんを見る
ソウヨこの子ネ
イーディは軽く答えた
なるほど、体力お化けだねあたしと似ているねもっとも、あたしはこの子の年齢には体力だけでなく、技の方も身に付けていたけれどね
キョーコさんは、一瞥するだけでグレース・マリンカさんをそう評した
でも、まだ若いんだから今から必死に頑張れば、それなりには強くなると思うよ肉体的な素質は良さそうだからああ筋肉にちょっと変なクセがついているけれど何だコリャ
ジュンは、一昨日までプロレスをやってたノネ
イーディは、グレースさんのことを本名で呼ぶ
ああ、それでかだから、まともに身体が鍛えられていなくて、鈍っているんだね
キョーコさんは、フンフンとうなずくと
ちょっと軽く手合わせしてみようかあたしも朝ご飯前に、軽く運動したいからね
ドリル槍とパイルバンカー槍にしようかと思ったのですが
パイルバンカーを知らない方もいらっしゃるでしょうし
メロウリンクはさらに知られていない
いやドリ・ルとアナ・ルという名前の女の子を出したかっただけです
1277.ネガティブ潰し / じゃあまん
わたしと
キョーコさんに手合わせしようと言われたグレース・マリンカさんはキョトンとした顔をする
向こうの人たちなら判るけれどあなたと
キョーコさんは、ミス・コーデリアやイーニーたちを見て言う
そうそう、あたしとイッチョ、やってみようよ
キョーコさんが、ニヤッと笑ったので オレは、キョーコさんが何をやっているのか、ようやく気付いた
えー、あたし強いんだよーあんたが思っているよりさ
オレやイーディたちは、キョーコさんがメチャクチャ強い人だということを知っているけれど グレース・マリンカさんは、そのことを知らない いや、キョーコさんはレイちゃんと闘う特別番組で何回か、テレビに出ているから観たことはあるかもしれないけれど 今のキョーコさんをグレース・マリンカはテレビに映っていたキョーコ・メッサーと同一人物だと思わないだろう
ほらほらほら
キョーコさんは、ヘロヘロのパンチを何回かグレースさんに繰り出す 不快な顔をするグレースさん そう、今のキョーコさんは
自分の強さを完全に消している
歩き方や、筋肉の使い方、立ち振る舞いも変えているし 強い人独特の雰囲気も消している だから、初対面のグレースさんには弱そうな人にしか見えない