グレースさんは、ケロリとした顔を言う
もちろん返り討ちにしたけれどそれ以来、気を付けている3人ほど、その時のわたしの反撃が元で引退した
本当にプロレスの世界では、トンデモナイ存在だったんだな
わたしは負けたくなかっただけもし、わたしよりも強い選手が居れば負けを認めよでも、そんなヤツは1人もいなかった
グレースさんの素地 圧倒的な身体能力には、他のレスラーたちは全く歯が立たなかったのか
そしたら最近は、みんな、わたしと試合をするのを嫌がるようになってきたからだから、プロレスは辞めて一昨日の大会に出てみた会社は、わたしが他所の試合に出るのを許してくれなかったから全員倒してきた
ああプロレス会社の社長とか、全員、病院送りにしたんだよなこの人
そりゃ、しょうがないだろだって弱小のプロレス団体だろ運営も選手たちもまともな人材がいるはずないじゃないか
キョーコさんは苦笑する
わたしはただ、思いっきり闘うことのできる場が欲しかっただけだ
プロレスは、そういう世界だと思ったでも、入ってみたら違ったそんなに楽しくなかったみんな弱いしだから
気持ちは判るけれど結局、あんたは世間知らずだっただけなんだよ無知は罪だよあんたはプロレス会社にとっては、ただの厄介者でしかなかったんだし
キョーコさんが、そこまで言うと
ここへ来たのは正解だったと思うやっと全力を出して闘える相手が見つかった
グレースさんは、キョーコさんを見て言う
それはどうだろうね悪いけれどあたしにとっては、あんたみたいな子供は邪魔なだけなんだよていうか、あんたは弱すぎるし隙が有りすぎるね
全力を出して闘うとか以前なんだよあたしにとっては、アンタみたいな子はヨチヨチ歩きの赤ん坊以下だからさあんがしてきたことは、自分の欲求や都合を周りの人間に力で押し付けてきただけだろそんな出来の悪い女の子に合わせて、遊んでやるつもりは無いよ
確かにグレースさんは、強いことと闘ってみたい、自分は負けたくないという個人の欲求だけで生きている 他者への視線が欠落している
あんたは、いっぺんきちんと誰かに負けないとダメだと思うよ今のままなら、身体能力の高さを何の役にも使えないまま年齢だけを重ねていくことになるだろうよ
短くて済みませんちょっと時間切れです 例の女子プロレスで、相手の選手の顔面を殴って、大ケガさせてしまった21歳の女子選手が結局、引退するという話 大人は誰も責任を取らないんですねえ ブックもアングルもあったんだからけしかけた大人はいたはずなのに それでちょっとプロレス話になってしまいました
1278.ネガティブ潰し / くろけっと
・キョーコ・メッサー/国際的犯罪者異常なまでに強い同性愛者
・ミス・コーデリア/キョーコのパートナーロサンゼルスの犯罪組織の幹部
・グレース・マリンカ/21歳女子レスラーほややんとした性格尾上ジュン
キョーコさんは、グレース・マリンカさんにそう告げる
負けるのは嫌だ負けたら終わりだ何もかも奪われる
グレースさんは、苦しげに言う
それもその通りさ負けるのは良いことじゃない負けることが当たり前になってしまったら、負け癖が付いてどんなものにも勝てなくなるだから
キョーコさんは、ニヤッと微笑む
負ける相手っていうのは、ちゃんと選ばないといけないのさ
あなたに、わたしは負けると言うのか
ギッとキョーコさんを睨むグレースさん
えーグレースさん、今、何度もキョーコさんに負けてたじゃんかっ
寧が驚いてそう言う そうだグレースさんは、何回もキョーコさんにジャーマン・スープレックス・ホールドで投げられて、フォール負けしていた
あれは負けの内には入らない
わたしはプロレスで勝負するなんて約束した覚えはないから
まあ、そう言えばそうだ キョーコさんが突然手合わせしようと言い出してバンバン投げ飛ばしてただけだ 誰が見たって、圧倒的にキョーコさんが勝ってたよな
だからさちゃんと負けて来た経験の無い子は、面倒なんだよ
キョーコさんは、苦笑する
自分が負けたことを認めないからね眼の前に起きたことは、たまたまそういう結果になっただけのことで自分が弱くて負けたわけではないって思い込むから
あなたが強いことは認める今のわたしよりも強いかもしれないでもわたしは、絶対にあなたより強くなるだから今日のわたしは弱かったとしても、明日のわたしはあなたに負けないつまりあたしは、まだ負けていない
こういうトンデモな理屈を駆使するんだよねこのタイプの子は何があっても、自分の負けを認めない認めてしまったら、自分のアイデンティティが崩壊してしまうと思っているのさだから
キョーコさんは、イーディを見る
格闘技の大会で負けたくせに堂々と、勝った人間の家に厄介になることができるのさ
ジュンに勝ったのは、アタシじゃナイヨ
イーディは、ヘロヘロと笑うが
同じことだよこの子にとっては
マアねセイコやポロンやモモたちは、根がアスリートだから、純粋にアタシたちの勝利を祝福しに来てくれたけれどジュンは違うからね
うんルドルフ聖子さんや、大ポロン・カリスマンさんたちは競技者だ だから、自分が負けたことを受け入れていたし昨夜のパーティにも、さっぱりした顔で来てくれていた でも、グレース・マリンカさんは
この子は、負けたつもりはないんだよ優勝したマルゴにだって自分が本気で特訓すれば、絶対に勝てるって信じているんだからさ
そうだ今すぐには無理でも、いつかはわたしが勝つそう信じていられなくて、何で戦い続けられる
キョーコさんの言葉にグレースさんは応える
その根性はスゴイと思うけれどさでも、あんたは居場所がなくなったからって、たまたまパーティに呼ばれた家に転がり込んじゃうような、お行儀の悪い娘なんだよねしかも勝ったマルゴに対してのリスペクトは無い
誰だって、自分が一番のはずだ自分が世界で一番強くなるって信じているからこそ、わたしはわたしでいられるんだ
グレースさんは、必死になって叫ぶ
ふーん強いって何
キョーコさんは、クスクス笑いながら言う
あたしは世界一強くなりたいなんて、思ったことはないよだって、ホラどれだけあたしが不死身の女でも、核兵器には負ける人間のできることには、どうしたって限界はあるからね
そんな屁理屈は
まあ、聞きなよそう、核兵器で思い出したけれどあんたM-388 デイビー・クロケットって知ってるかいイーディは知ってるよね