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判ったほんのちょっとでも容赦しちゃダメなんだな

 この敵は、こっちが隙を見せたら食い付いてくる  そういうタイプのバカだ  最初から最後まで、徹頭徹尾、潰してかからないといけない

そういうコトなのネ

ソシテそういうバカな人間からは、あのコを奪い獲っていいのネ

あれだけ才能のあるコ見逃すのは、もったいないヨ

 つまりオレたちの仲間にする

そうだね、ヨッちゃんあの子、今のままの主の下に居たって、不幸になるだけだと思うよ

ほら、イーディはもうすぐあたしやマルゴお姉ちゃんたちとアメリカへ行くでしょヨッちゃんたちの警護が、1人減っちゃうわけだしさっ

才能の有るガードのコは、何人居てもいいノネ

判った考えておくよ

 オレは、それだけ返事をした  黒瀬安寿さんが、どんな人なのかどうかはもう少し、見なければいけない  オレたちは、校長室の前に着いた  この校舎はミナホ姉さんが設計に関わっているから  ここの校長室も、さっきの英語準備室も  ほとんど一般生徒が通らないように造られている  学校の生徒たちの動線から、外れるようにデザインされている  だから、学園祭の最中なのにここには誰もいない

ヨシくん、鍵は

ああ、ミナホ姉さんからここの学校のマスターキーを預かってるから

 この緊急用の予備の放送室もこの鍵で開くはずだ  実際に鍵穴にキーを差し込む  ほら、ホントに開いた  ドアを開けて、中を覗き込む  半年前に、薬で狂わされた遠藤が雪乃を襲って  途中からオレが遠藤に代わって、雪乃のレイプを全校放送した  あの後、一応、掃除と片付けはしたから  今は、この放送用の小スタジオにはパイプ椅子が幾つかあるだけだ  まあ、敵との面談には使えるだろう

Darling、来たネ

 イーディの言葉に、廊下の方を見ると  さっきのお下げの黒瀬さんを先頭に10人ぐらいの集団がこっちに向かって来る  ああ、黒瀬さんまだ制服にリュックを背負ったままだ  そのすぐ後ろに、大学生ぐらいの黒スーツの男が歩いている  そして同じ黒スーツのどう見ても警護員たちが、誰かを取り囲むようにして守っている

ちょっと、ちょっとさっきヨッちゃんが警護は2人までって伝えたはずだよっ

それは、そちらが勝手に提示した条件だろうこちらは了承できない

 黒瀬さんの後ろの大学生みたいな男が言う  こいつが、警護員のチーフか

あのさここは、あたしたちのテリトリーだよっあんた人の家に押し掛けてきて、自分ルールを押し通そうとするわけっ

もういいよ、ヤッちゃん

そっちがそうなら面談は無しださあ、戻るぞ

 オレは、予備の放送室のドアをロックして立ち去ろうとした

ままま、待って下さいあ、あの黒森様

 慌てて、黒瀬さんがオレを引き止めようと声を発する

だから、黒森なんてやつはここには居ないよオレは、吉田だって言ってるだろ

 オレは、彼女を見て笑う  ホント、真面目で良い子だな  それに可愛い

あの、皆様ちょっと、ストップして下さい

 集団の先頭の黒瀬さんが全体の歩みを身体を張って止める

辻本さん、わたくしとあなた以外はここで待機です

 もう1人の大学生みたいな男に、黒瀬さんは言う

しかし、白瀬憲王《ノリオ》様のご意向は

 辻本青年は、黒瀬さんに抗議するが

だって、しょうがないじゃないですか警護役は2人までじゃないと黒森様は面談して下さらないって言っているんですから

憲王様のご意向を無視して一般市民の言う通りにするというのか

 ああどうせ、オレは一般市民だ  名家の生まれじゃないんだから

悪いけれど、オレには名家の世界の常識は効かないからなていうか礼儀知らずと話すつもりはない時間のムダだからな

 オレは、キッパリと言ってやる

ほら、黒森様本当に怒ってらっしゃるじゃないですか

 黒瀬さんが、怯え顔でそう言った

だがな、黒瀬

 うんこの辻本っていう警護のチーフも  主同様、バカなんだな  自分たちのルールが、どこでも押し通せると思っている

もういいよあんたたちに費やす時間は終了だみんな、帰るぞ

 オレは、今度こそ本当にこの場から立ち去ろうした

くふふふ憲王お兄様の負けですわ

 黒スーツの集団の中から、少女の声がする

前を開けなさい

瑞希様

 辻本青年が、黒スーツの中の少女に声を掛けるが

何も問題はありませんこのままでは相手のお顔を見て、お話することもできませんわ

 黒スーツの集団の中から、芯が強そうな少女の声が聞こえてくる

わたくしちゃんとお顔を見てお話したいのよ黒森様のお顔をさあ、前の開けなさい

瑞希様のご命令です

 黒瀬さんが、黒スーツの男たちに命じる  黒スーツの集団は仕方がないという表情で、スッと左右に分かれる  高そうなスーツ姿の高校生ぐらいの男と  白いワンピース姿の高校生ぐらいの女の子の姿が見えた  男の方は、苦々しい顔でオレを睨んでいる  女の子の方はああ、珍獣でも見るような興味津々の眼で、オレを見ていた

では、わたくしが警護に安寿を連れて黒森様とお話して参りますわ

 白ワンピースの少女が、スーツの高校生男子に言う

憲王お兄様は、皆様とこちらでお待ちになっていて下さい

おい、待てそんなことは許さないぞ瑞希

 男が妹に言う

では、お兄様も辻本を連れて、一緒にいらっしゃいますか

 ワンピースの少女は、ニヤッと微笑む

警護役は2人までということですからわたくしの安寿と、お兄様の辻本だけに致しませんと

 そうか黒瀬さんは  この少女の警護役なんだ

なぜ、この私があのような下賤な輩の言う通りにしなければならないんだ

 スーツの男は、思いっきりの差別発言をしてオレを見る

あいつが、私に従うべきだろう私は名家・石神家の本家の嫡名だぞ

あのさそれじゃあ、判らないよどこのどいつなんだか、ちゃんと名乗れよ

この礼儀知らずめわたしは石神憲王《イシガミ・ノリオ》だぞ

 そんな挨拶があるか

ご挨拶が遅れて申し訳ありませんわたくしは、石神家当主の石神憲和の長女で瑞希と申します

 白ワンピースの少女の方は、優雅な立ち振る舞いでスッとオレに一礼する

吉田良信ですここの高校の1年2組の生徒です

 オレは、取りあえず石神瑞希だけを見て、挨拶を返す

まあ、いいやじゃあ、石神瑞希さんと黒瀬さんだけ来て下さいこちらの部屋でお話を伺います

 オレはまた放送室の鍵を開ける

かしこまりました安寿参りますよでは、憲王お兄様、ごきげんよう