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はーい、はーい、はーい、石神様のお通りですんで通して下さーい

 木下さんは、さらに大きな声でそう言った  石神憲王が、慌てるが

大丈夫ヨ、リョウコに任せるネ

 イーディが、小声で石神兄妹に言う  オレたちの前に、いかにも怪しそうな若い男が、ふわっと現れ立ちはだかる

来たヨ全部で4人、取り囲まれたネ

 眼の前に現れたのはオトリで、隙を狙ってオレたちを攻撃するつもりか  オレも身構える  ジャラララランッ  木下さんは、爆砕フレイルを鳴らすとその先端を現れた男に向け

ええーい、無礼者めーこちらにおわす方をどなたと心得るかぁぁ

 また、とても可愛い声で叫んだ

こちらにおわすお方は、畏れ多くもぉぉぉあっ、赤いチョッカイ、革袴茨作りの鉄兜

 何だフレイルを振りながら、踊り出したぞ

とーんどーん、どんがらがったどん、どーん、どんがらがった石神様のお通りだいっ石神様が遠くニューギニアの火力発電所から、100万ボルトの電線を伝わって、この日本に降臨なされたのですぞっ石神様のご降臨でごじゃりのするぅぅハラッタマ、キヨッタマ母さんッ

 うん、叫んでる内容はどう見ても狂人だが  木下さんが、明るい笑顔で楽しそうに踊りながら叫んでいるから  もの凄く、可愛らしい

な、何何なの

何かの宣伝

 周りの生徒たちが、ざわめく

はーい、わたくしたちぃぃ西高演劇部でーすキャッホッホ

 木下さんは、明るく周りの子たちにアピールする

ああ、うちの学校の演劇部と合同公演とか

そんな予定、あったっけ

でも、あの棒を振り回している子ってなかなか可愛くねぇか

後ろの子たちも、なかなかだろ

ていうか、何でパン屋くんたちが一緒にいるの

 とりあえず、木下さんの機転で緊張した場が、和んでいく

あー、あたしたちっ生徒会長の岩倉さんに頼まれて、西校の人たちを案内しているんだよねっ

 とっさに寧がそう言った

でも、西校ってどこのこと

 オレたちの学校の近所には、名前に西が付く高校は3つある  木下さんが着ている制服も、黒瀬さんが着ている制服もその3つの高校の制服とは、全然違うものだ  すると、木下さんは

あー、小堀くんだぁぁ

 人混みの中に、誰かを見つけたらしくそいつを指差す

小堀くーん関さんが怒ってたよ裏切り者は絶対に許さないって関くんに同調した人たちも、全員ブッ殺すって言ってたよっ

 ニコニコ、明るい笑顔でそう言う  どうやら小堀というのは、香月セキュリティ・サービスの職員で  香月家の中の誰かと組んで、オレの追い落としを画策しているヤツなんだろう  オレたちに襲撃を掛けた4人に少し離れた位置から指示を出しているんだな

関さんのことだから、やると決めたらトコトンやるよトイレに逃げても、引きずり出すって言ってたよククククッ

 木下さんの明るい声に、周囲は圧倒される

ねぇ、どうする、どうする、どうする小堀くん、どうする

 スバッと格好良く、小堀という男を指して言う  そのまま、木下さんは

あなたし、どうするあなたはあなたと、あなたもっ

 木下さんは4人の実行犯を特定して、1人ずつ指差して言った

今ならまだ、何とかなるかもしれないよっ何なら、わたしが一緒に関さんに謝ってあげようかっこれが最後のチャンスだよワーオ

 最高の笑顔で木下さんは、5人の男たちに告げた  オレの眼で見ても男たちから戦意が消えて行くのが判った  香月セキュリティ・サービス内の反乱が、もう全て翔姉ちゃんにバレているのなら  オレをここで殺してもこいつらの将来は無い

厳しい処分が待っているだけだ

この反乱は、翔姉ちゃんやジッちゃんの気付かないところでオレを陥れなければ意味が無い

判ったらここを通して下しゃんせっ

 木下さんに、そう言われてオレたちの前に立っていた若い男が、小堀という男に振り向く  小堀は、仕方ないという顔で小さくうなずいた  男は、スッと前を開ける

ありがとうござんす、ありがとうござんす速やかなご判断、ありがとうござんす

 木下さんは、そう言うと周りに居る生徒や学園祭の客たちに向かって

というような内容の演劇をやりますっ乞うご期待カミング・スーン

 ビシッとなぜか敬礼をする

そーれではっはい、はい、はーい前を通して下さい前を通して下さいどん、どーん、どんがらがった石神様のお通りでごじゃりまするぅぅ

 オレたちは前に進む  観衆たちは呆然としていたが  どうしてだか、木下さんにパチパチと拍手する女生徒が居た

これで、香月セキュリティ・サービスの中の反乱部隊は動かなくなるヨミンナ、ショウの怖さは知ってるからネ

 香月家の中のオレを追い出したい勢力と手を組んで  オレが居なくなった後に、そいつが香月家を牛耳るという計画で  そうなったら、香月セキュリティ・サービスの支配権を与えるとかそんな約束を裏でしていたんだろうけれど  すでに全てが露見しているのなら、黒幕が香月家を手に入れる前に翔姉ちゃんに粛正されることになる  死にたくなければ、オレに手出しするべきではない

わたしがかなりの狂犬だってことも皆さん、ご存知ですからねー

 木下さんが、オレたちに振り返って言った  この人は、同じ香月セキュリティ・サービスの職員であろうと絶対に手加減はしない  いつもどこでも全力で爆砕フレイルで相手をブッ叩く

これで顔見知りの人たちは、全員、沈黙してくれると思いますから後は外部の人たちだけですよねー

 敵がここに寄越しているのは、香月セキュリティ・サービスの反乱部隊だけではない  他にもいるはずだ  そして、その中に警察の関係者も含まれている可能性が強い

さーて、1階に下りまーすマジでヤバヤバですから、気を引き締めていきましょーねっ

 オレたちは、階段を下りる

どうこちらに接触して来ると思う

制服組は出て来ないヨ来るなら私服組ネ

 制服警官でなく私服

ここは私立学校ダカラ、制服組が侵入するのは難しいネ目立つし、アタシたちも近付いて来る前に警戒できるカラネ来るとしたら

 イーディが、そう言った瞬間

ちょっと君たち

 地味なスーツ姿のオッサンが、オレたちに声を掛けて来た

はい何デスカ

 イーディが笑顔で近付くと同時に  オッサンに気のパンチをブチ込むッ

アア、トイレならここなのネ

 イーディは、一撃で気絶したオッサンの身体を男子トイレに押し込む