その瞬間キョーコさんとイーディの肉体が、フワッと消える 信じられないスピードで、お互いを攻撃し合う2人 これが、キョーコさんのフル・パワー これが、イーディのフル・スピード 久々に見るけれどやっぱり、スゲェ 美智やミタマたち警護役組も2人の対決に注目している
トイヤッ
HAWOO
しかも、相手の眼を狙ったり足を引っ掛けようとしたり かなりエゲツナイ攻撃を平然と仕掛け合っている それなのに2人の対決は、高度に安定していた お互いの力をよく知っているし信頼し合っている だから、噛み合っている 身体に当たれば致命傷になりかねない相手の鋭い攻撃をギリギリでかわす
いや、カウンターを狙って攻撃仕返すこともある
恐ろしい勢いで攻防が続く
わたしの眼は節穴だ
ぽつりとグレースさんが呟く
こんなに力があるなんて
キョーコさんの実力を見誤っていたことに気付いたのか
イーディもあたしは本当の力を見抜いていなかった
イーディとは、昨夜一緒の部屋で寝るぐらい近くに居たのに グレースさんは、イーディの真の実力が感じ取れていなかった というより舐めていたんだろう 年下で、自分より体格の劣るイーディのことを
寧、残り何秒だい
闘いながら、キョーコさんが尋ねる
残り13秒
よし、ラスト・スパート
OKネ
2人の闘いが、さらに強く、速くなる
5、4、3、2、1ストップ1分経ったよっ
寧の声に2人はピタッと攻撃の手を止める
ちょっと短か過ぎたかね
キョーコさんもイーディも汗1つかいていないどころか、呼吸が全く乱れていない
ソウヨコレじゃ有酸素運動にもならないネこれぐらいの運動ジャ痩せないヨ、キョーコ
いいんだよ、あたしの身体ダイエットの必要は無いからさ
キョーコさんも、イーディに微笑む
奇遇ネアタシもダイエットは必要ないヨDarlingは今のままのアタシの身体を悦んでくれているノネ
あたしのところもそうさコーデリアは今のままのあたしがいいらしいからさ
そうよキョーコは、今のままがいいの今より痩せるのも、太るのも困るわ抱き心地が悪くなるから
2人の会話に、ミス・コーデリアが割り込んで来る
冗談はともかくあたしやイーディのレベルになると、自分の意志で心拍数をコントロールすることができるだから、不要な汗をかいたり、呼吸を乱すことは無い
全力で走った後に、ハァハァしていたら敵に見つかってしまうネダカラ、心臓がバクバクしないようにコントロールするのノヨ
キョーコさんの言葉に、イーディが補足する
汗もソウ眼に汗が入ったら困るから、戦闘中にはアタシたちの顔から汗は出ないノヨソウナルように訓練してきているノネ
グレースさんは、ただただ呆然としている
普段は関係無いヨDarlingは、アタシの汗の匂いが大好きダカラ
わたしもキョーコの汗の匂いは大好きよ汗だけでなく、何から何まで好きですけれど
ミス・コーデリアが、そんなノロケたことを言い出す
さて、ちょっと動いたからお腹が空いたよみんな、これから朝飯だろ
ソウヨDarlingとアニエスは、ソレでアタシたちを呼びに来てくれたノヨネ
うん、早くみんな食堂に行こう準備できているはずだから
オレは慌ててそう言う
じゃあ行こうよところでイーディ
キョーコさんが、改めてイーディに声を掛けた
あんたあっちの2人も、あたしに手合わせさせたいんじゃないのかい
キョーコさんは、ずっと自分たちを眺めていた2人の槍を持った少女 栗宮素子さんと御厨くるみさんを指差す
ああ、あの子たちはイイノネ
待って下さい、わたくしたちもせっかくの機会ですから、お手合わせいただきたいですわ
香月家のパーティのエキシビションの闘いを拝見した時から一度、闘ってみたいと思ってました
栗宮さんと御厨さんはそう答える
ほらねあの子たちも、ちゃんと負けた経験が無いから世間と自分の評価が狂っちまってるんだろ
なるほど、栗宮さんたちもずっと2人きりで槍の稽古をしてきたから 自分たちの力が判らないままになっているのか
ソウヨ、あの子たちも客観的な視点で自分を見ることができないノネデモ、イイノヨあの子たちは放っておいて食事に行こうネ
あの子たちの槍は結局、使いものにならないカラアタシたちの家族になるだけの素地も無いネあの子たち自身はDarlingの側室になりたいって言っているけれど、そんな格好が良い物にはなれないヨあの子たちじゃ
イーディの栗宮さんたちに対する評価はそんなに低いんだ
ああ、そうだねぇあの子たちじゃ、忠告しても意味が無いかもねそういうことを理解するだけのインテリジェンスを感じないし
キョーコさんが、そう言う
そういうコトネあの子たちはどんなに頑張っても、Darlingの精液便所ぐらいしかできないノネ根本的な知性が欠けているから
まるでケンカをフッ掛けるようにイーディは、栗宮さんを見て言った
例のゲーム会社の人と会うことになりましたが
どうも、特別寄稿を読んでないみたいですね
そのことについて何も言ってきませんから
この作品の現状のチェックもしていないのにまだゲーム化の話をするのか
業界の中で力のある会社の正社員さんとトラブルを起こすということは
こちらは相当の覚悟をしなくてはいけないわけで
私は腹を括りましたが、泣き寝入りした人も多いんだと思います
でも、そういう状況が今、作品に大きく影響を与えていますので
力を持っている人間はそれだけで警戒されるのだから、立ち振る舞いに気を付けなくてはいけないということ
鈍感でいることは許されないということ
ストーリーに使わせていただいていますから
もう一度だけ会うことにしました
1279.ネガティブ潰し / 少女暗殺者たちの憂鬱
・ドリィ・ルゥ/16歳キョーコが東南アジアから連れて来たドリル槍の暗殺少女
・アナ・ルゥ/14歳ドリィの妹やはり電動ドリル槍を使う
はしたないことはしたくありませんから今まで黙っておりましたが
イーディの暴言に、武闘派お嬢様の栗宮素子さんはムッとして言う
栗宮流槍術師範としてどうしても捨て置くわけには参らないこともあります
栗宮さんの後ろで、警護役の御厨さんも自分の槍を握りしめて、イーディを睨んでいる
デモ、ホントのことネアンタたちの槍は、何の役にも立たないヨ
ソンナものを振り回したって結局は、お嬢さんのお遊びでしかないネアンタたちの自己満足以上のモノにはならないヨ