でもね普通のモノの中にある魅力の輝きに気付かないとダメなのよ世の中の大半は、普通のモノ普通の人たちばかりなんだから
ああオレの家族たちが、できすぎているんだ
あなたも、香月セキュリティ・サービスのオーナーになったんだからこれからは堪えなきゃいけなくなるわよ普通の人たちの判断の甘さや遅さ意味の無いことに対して頑固だったり、訳の判らないところで優柔不断だったりそういう普通の人たちの行動に慣れていかないといけなくなるから
ミナホ姉さんは、ミラー越しにオレに言う
でも、そういう普通の人たちを愚昧だと決めつけて、低く見てはいけないのよ普通の人たちの中にも光り輝く部分があるんだからそれをどう生かしていくかを考えないといけないしこちらが、普通の人たちを馬鹿だと思っていることが伝わったら、会社全体の士気が落ちるわ
良かった探ししなくちゃいけないってことですよねっ
石神瑞希には、性的な価値があるこれだって輝く力だ 軽々しく、馬鹿にしちゃダメだったんだ また猿轡をカマされた石神兄妹が暴れ出す
そうだもう一度、挨拶からやり直そう
この場にはオレの高校の関係者はいない 今のオレは吉田良信でなくていい これからオレが、石神兄妹を処罰するのは オレが香月セキュリティ・サービスのオーナー黒森公だからだ
はじめましては変だけどオレが黒森公だ
オレは低い声で、2人に言う ただの高校生でなく犯罪組織黒い森のメンバーであり 裏の世界の住人として石神兄妹に挨拶した 石神兄妹は、オレの雰囲気が変わったことに驚いている 騒ぐのを止めた
やっぱり、黒森様って面白いですねー
木下さんが助手席から振り向いて言う
そういう、怖いオーラをちゃんと出すことができるのに普段は隠していらっしゃるんですもの
牙は普段はしまっていくものと教えてあるのよ
ミナホ姉さんは、木下さんにそう言う
石神憲王、石神瑞希お前たちは、軽い考えで悪い連中にそそのかされて今日、オレとオレの家族、それからオレたちとは全く無関係の学園祭に来ている人たちまで危険に晒してしまったこれは、お前たちの罪だ
きっぱりと姉弟に言う
お前たちのせいで、オレたちは多大な迷惑を被った従って、お前たちに懲罰を加える
石神兄妹が、また暴れ出す どうせ、自分たちは名家・石神家の人間なんだからお前のような人間に処罰されるのは納得できないとか そういう類の主張だろう
黙れよ世の中、名家の世界の常識なんか通用しない場所の方が多いんだぞ
オレは、低い声でゆっくりと話す この方が、相手にプレッシャーを掛けられる
オレは、お前たちの命までは要求しない殺すのは簡単だし、お前たちの遺体を誰にも知られないように処理することだって、オレにはできる
ああ、簡単ですよ人を永遠に失踪させるなんてことは
オレの言葉を、木下さんが肯定した
そういうことも、やっていますから香月セキュリティ・サービスは
ニッコリと微笑む木下さんに、石神兄妹はブルルっと震える
お前たち兄妹は、オレにとってはサイアクだった馬鹿だし、イバッてるし、放っておいたら悪い連中にダマされ続けるだけだろうしとにかく、手が掛かったオレはメチャクチャ、頭に来ているんだよあんたたち兄妹のダメさ加減に怒りを感じている
オレは感情を殺して、落ち着いて話す
だから、殺しはしないが罰は受けてもらう
石神姉妹がウウッと唸る
その罰はもちろん金で解決できることじゃないし、オレはお前たちやお前たちの家を社会的に失墜させるつもりもないこれはお前たち兄妹の個人の罪であり、お前たちの家とは関係無いことだからだ
罰金の支払いを求めたところでその金を支払うのは、お前たちの親だろうお前たちが悪い連中にまんまとダマされたことを公表すれば、お前たちの名家での立場を失うことになるだろうけれどそんなことをしたら、石神家の名誉にも大きな傷が付くことになるオレはこんな下らないことに、石神家の人たちを巻き込むべきでは無いと思う
石神兄妹は、ジッとオレを見つめている
だから、お前たちの罪はお前たち自身の身体で償ってもらう
狭い車内に、オレの低い声が響いた
家の金でなく、家の名誉でもなくお前たち自身が有している、お前たちの肉体だけで、罪を償え
石神瑞希が、何か言った おそらく身体で償えって、何をさせるつもりなのよと喚いたのだろう
それはこの後のお楽しみよ
ミナホ姉さんが笑ってエンジンを始動させる オレと石神兄妹と木下さんとミナホ姉さん 4人だけを乗せたバンが廃棄されていた地下倉庫から、地上へ出る
ああこんな所に入り口があったんだ
普段は立ち入り禁止になっている旧校舎の裏だった ここなら高校の生徒たちでも、まず入って来ない
それでミナホ姉さんどこでするの校長室の下
オレは運転席のミナホ姉さんに尋ねる
あそこへは連れて行かないわまだ他に、校内にスパイが潜り込んでいるかもしれないし
校長室の下の隠し部屋はこの高校全体に防衛システムを制御している部屋だから 外の人間存在を知られたくない
今の地下倉庫みたいに、ここしばらくは使ってない秘密の施設が、まだあるのよそっちを準備させているわ
この高校は、黒い森によって長年に渡り支配されていたから 毎年のように、新入生の中から娼婦に堕とす子を見出して誘拐、拉致、監禁していたわけだし オレがまだ知らない施設が、幾つもあるんだろう
すぐ、そこよ地下に溜めた消火用の水を汲み出すためのポンプ室ということになっているけれど中身はセックス・ルームになっているわ
ミナホ姉さんが、コンクリートで囲まれた窓の無い白い建物の前に車を進める ああ、ここも生徒は絶対に来ない場所だ 設計の段階から、わざとそういう場所になるようにしている
前後左右、上下、誰も居ません
木下さんが、眼で確認して報告するとミナホ姉さんは、ポンプ室の入り口のシャッターをリモコンで開ける
ジジジジジ シャッターが上がりきる前に、バンを建物の中に入れ またすぐにシャッターを閉ざしていく シャッターが下りると室内灯が点いた
そこの奥の部屋から地下に降りられるわ地下は結構広いのよ
よし、行くぞ降りろ
月子が巫女の力でオレの命令には従うように、石神兄妹に暗示を掛けてある 石神憲王と、石神瑞希はバンから降りる 元気な木下さんを先頭に、オレたちは奥の部屋に向かう 指紋認識と暗証番号のダブルロックになっているドアをミナホ姉さんが開けて 地下への通路は、さらに小部屋のロッカーの裏にあった