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でも、まだ校内に大分生徒が残っているだろグレースさんとアーニャの2人だけにしておいていいのかな

 この時間だと外から学園祭を観に来た人たちは、ほとんど帰ってしまっているから  ただでさえ目立つあの2人の周りに、一般生徒が群がっているんじゃ

今は学生食堂も人はまばらだから、大丈夫だと思うけれど

 寧が壁のモニターに、学生食堂の監視カメラの映像を出してそう言う

しょうがないのヨジュンには聞かせられない話もあるカラ

 グレース・マリンカさんは犯罪組織黒い森のことは知らない  オレたちが、謎の財力やコネを持っていることには気付いているだろうけれど  でも、あの人は強い相手と闘うことにしか興味が無いから  オレたちのことを詮索したりはしない  月子やヨミが巫女の力でストッパーを掛けているのかもしれないけれど  いずけにしても、グレースさんの前では話せないことがたくさんある

でもヨッちゃんの言う通りだよねちょっと、あたしが行って様子を見てくるよ

 寧が笑って学生食堂と繋がっている方のドアへ向かった

あ、待って下さいうちらも行きますわ

はい、わたしらも

 エリとリエの双子が寧に続く  寧1人より、感覚の鋭い双子が一緒に行く方が良いよな  多人数の方が、変なヤツラも近付きにくいし

ほんじゃあ行ってくるねー

 寧と双子が学食へ繋がるドアから出て行く  厚い鉄のドアが、ガチャリと閉まった

ということで警護班は、こっちの部屋に居るヨアンジュたちのことはアタシに任すネ

 イーディたちも休憩室へ  イーディ、ミタマ・キヌカ・木下さん、黒瀬さん、ヨミの警護グループが休憩室に入りドアを閉める  あっちの部屋の中は完全防音になっているから、室内の声は聞こえない

そしたらそっちのテーブルで、あなたと愛ちゃんとマナちゃんで、明日に向けてのパンのこと相談しててくれないかしら

あなたが来る前に愛ちゃんとは、大まかな打ち合わせをしておいたわ今日、人気のあったパンとか時間ごとの売り上げとか、だいたいまとめてあるから

 ああそれらを元に、明日の仕込みについて検討しないといけないよな  どのパンをどの時間にどれだけ焼くか  仕込みの段取りから、パン作りのスケジュールを組み直さないと明日の準備が始まらない

吉田くぅん、こっち

 愛がオレに手招きする

ほら行こう、お兄ちゃん

 マナにも引っ張られて資料の並んだ奥のテーブルに行く  ということでパン工房の真ん中に残ったのは  克子姉と月子  それから、せつな、希美、モモカに德大寺さんと黒沢さんの娼婦候補生たち  そしてメグ

吉田くんあのね

 愛が、オレにノートパソコンを示す  ああ時間帯ごとの客層や客数、それぞれのパンの売り上げが一目で判るようにリスト化されている  さすが克子姉というか、オープン・カフェの運営は可奈センパイがやってたから  これは、可奈センパイが細かくメモしてくれていたんだろう

明日は日曜日だから外部からのお客さんが今日より増えると思うの

それに、今日の学園祭初日の様子を誰かから聞いて観に来る人も増えると思うよ

 愛とマナが言う

テレビに出ている人たちが、ここの生徒だってことはもう世間に広まっているから

うん、それで本当に双子ちゃんやキヌカちゃんたちが遊びに来てトークショーまで開いちゃったんだからさ明日も何かあるって思うかもしれないよ

 トークショーどころか、ミタマとキヌカの大道芸とか色んなことをやったしな

でも、ほらオレたちの店でやってたことは、学園祭の公式の催し物じゃないしさ

 その件で学園祭の実行委員会に怒鳴り込まれた

今日、遊びに来たからって明日も、ここに来るとは限らないわけだしさ

 別に高校のホームページに、**さん来校などが記載されているわけではない  ただの普通の私立高校なんだから学園祭実行委員会の公式なコメントとかが、随時ネットにアップされたりもしないし

当たり前だよ明日も今日みたいなことになるって公表したらテレビ局が取材に来ちゃうよ

 そういうレベルのイベントになっちまうよなあ

といっても私立高校だからマスコミ関係者は、全てご遠慮いただくんじゃないかなミナホお姉さんのことだから、そういうことはキチンとしていると思うよ

 今日だって校内に入り込んだ敵には全て、工藤父の配下かが張り付いていた  明日も、警備態勢は同じだろう  マスコミ関係者が忍び込もうとしたら、すぐに迎撃される

だけど、やっぱりうちの高校の生徒や生徒の家族やお友達でもしかしたらって思う人たちは、明日もたくさん来てくれると思う

うん無制限にドバッと客が増えるところまではいかないけれど今日の倍くらいは増えるかもしれないよな

 正当な学園祭の来訪客である在校生の家族や知り合いだけでも、かなりの人数が押し寄せてくると思う

てことはかなり慎重に段取りを組まないといけないよな

 オープン・カフェのパンが売り切れないように、どんどん焼いていかないと

それでね吉田くん

きっと大変だと思うけれど

あたし明日はお土産用のパンも売ってみたいの

 オープン・カフェのお客さん用のパンを途切れさせないようにするだけでも、かなり大変なのに  さらに、土産用のパン

大変だけどこんなにお客さんが来てくれるのはチャンスだと思うから

今はあたしたちパン技能士コースのことは、学校の中の人にしか判ってもらえていないでしょ

 オレたちのパンが美味いという評判は在校生の中には広まっている  しかし、学校外の人たちにはほとんど知られていない  みんな高校生で、すぐに腹が減る  校内で売るパンは、ほぼ全部、生徒たちがそのまま食べちゃっているから  オレたちのパンを家にお土産として持って帰る子なんてそうはいないだろう

でも、お土産のパンがあれば家の人たちにも、あたしたちのパンのこと知ってもらえるよね

あたしや吉田くんが卒業するまでもう2年半しかないから今の内から、あの子たちのパンは美味しいっていう評判を作っておかないと本当にパン屋さんを開業するのに間に合わないよ

 そうかオレたちが開業した時に  今の在校生の家族や知り合いがパンを買いに来てくれるかもしれないんだ

アピールできる時にアピールしとかなきゃ

 愛ってこんな前向きなところもあるんだ

お土産用のパンは1種類でいいよクロワッサンみたいな定番なパンで

 何種類も作って、お客に選んでもらうなんていうのは無理だもんな

奇抜なものじゃなくて普通のものなのに美味しいっていう方が、良いと思うの