真緒ちゃん、皆さん恥ずかしがり屋さんばかりなんだそうですのだから、無理にアニエスたちが話し掛けないで、お姉さんたちが紹介してくれるのを待つんですの
アニエスが、仲良しの真緒ちゃんと湯船の中で話している アニエスも超お嬢様校に通うようになって人との関係に細やかさを覚えた 感情のままに行動するようなことはしない 大浴場は真っ二つに分かれている 奥にはキョーコさんたちと元・少女暗殺者たち 手前にはオレたち お互いに興味深そうに相手を見るだけでまだ会話は無い
お見合いしててもしょうがないだろイーディ、こっちの子たちにそっちの子たちを紹介しな個別のプロフィールも、なるべく短くでも適切に話すんだ
キョーコさんが、イーディに命じる
判ったヨ
イーディは、ザバッと風呂から立ち上がると明るい笑顔で何か話し始めた
自分の名前と、ニューオリンズの暗殺教団の出身だということを話していますわ
瑠璃子が、小声でオレに通訳してくれた
教団からミス・コーデリアに売り飛ばされてお兄様に救われて、今はここに居るとても大切にしてもらっていて、毎日が幸せだと話しています
イーディは、大きな湯船の中を歩いてまず木下さんと黒瀬さんのところへ向かう
この2人は、プロのガードとガード見習いだと話しています
最初に、警護のメンバーから紹介したか 次に、ミタマとキヌカのところへ行き
この姉妹も、先祖代々、ガードを家業とする家の生まれだと話しています
ミタマとキヌカの安城家は名家・鞍馬家の警護役の家系だ
先に戦闘力のある子たちを全て紹介してしまった方が、元・少女暗殺者たちが落ち着くとイーディは考えたらしい
それから、イーディは寧とメグのところへ行く
メグミ笑顔ネ笑ってくれないと困るヨ
困惑顔で様子を見ていたメグが、笑顔を作る イーディは、また元・少女暗殺者たちの言葉で話し始める
寧お姉様が、犯罪被害者だということを両親と弟さんを殺されて、悪質な犯罪者に狙われてお兄様に助けられたことを話していますお兄様が、その犯罪者を自らの手で射殺したことも
少女暗殺者たちが、一斉にオレを見る
それから、恵美お姉様が誘拐されて娼婦をさせられていた女性の娘で自分も娼婦に堕とされる寸前にお兄様に救われたことを話しています
メグは白坂創介がメグの母親をレイプして産まれた娘だ 白坂創介は、実の娘のメグも娼婦にすることを計画していた
メグミ、今、Darlingと一緒に暮らしていて幸せカ
イーディが、笑顔でメグに尋ねる
幸せならあの子たちに、そう伝えるネ
あたし、幸せよ今は、ヨシくんがいてくれるから
メグの日本語は判らなくても表情と心の思いは伝わる
マナもお兄ちゃんに幸せにしてもらってるよっ
マナもメグの腹違いの妹だ 今はオレのセックス奴隷だけど 悪辣非道な父親は、すでに処刑されていることをイーディはフランス語で話した それから彼女はエリとリエの双子のところへ
あの子たちが、ジャパニーズ・マフィアの両親にどれだけ虐げられてきたのかを話していますお兄様のところに来たことで、過去のしがらみを断ち切ることができたということを
オレは、キョーコさんの言っていた共感の意味が判った 元・少女暗殺者の13人の少女たちは東南アジアの犯罪組織の女ボスに拾われるまでは、全員、スラムに居た孤児たちだ 親が売春婦だった子も多いし、暴力や組織犯罪のまっただ中に居た 彼女たちにとっては寧やメグ、双子たちの境遇は、身近なものに思えるだろう イーディは、次に渚と真緒ちゃんのところに行く
瑠璃子通訳しなくていい
イーディの紹介は判る 渚が元・娼婦で真緒ちゃんが、父親の判らない子だという話だろう フランス語で良かった そんな話を真緒ちゃんに聞かせたくない
ですがお兄様
イーディの紹介の途中で、元暗殺者たちがオーと声を上げる
ナギサが妊娠していることを話したネ
イーディの言葉に、渚は恥ずかしそうに自分のお腹を撫でる 愛しげに
愛するお兄様の赤ちゃんを孕むことで、渚お姉様は救われたと話していますわ
瑠璃子が、イーディのフランス語を通訳してくれた 真緒ちゃんの時は娼婦を引退する代わりの、無理矢理の妊娠だったけれど 今度は渚自身が望んだ妊娠だ
真緒こっちに来て
渚は、真緒ちゃんを抱き締める 裸の母娘は幸せそうだった 次にイーディは、アニエスのところに行く
これも通訳しなくていいぞ
イーディは、アニエスの過去について正直に話しているだろう 実の父親にセックスの玩具にするために地下室に幽閉されていた少女 父を崇拝し、父親とセックスすることしか教えられなかった美しい混血少女 アニエスは、そんな悲惨な過去があるとは思えない様なニコニコとした明るい笑顔で、少女暗殺者たちを見ている
そっかここに居る子は、ホントに事前に選ばれているんだな
元・少女暗殺者たちはみな、悲惨な過去を背負っている 日本みたいな平和な国で、こんな広いお屋敷の中でのうのうと暮らしている子たちには自分たちのことは理解できないと感じていただろう でも、そうじゃない ここに居る子たちは彼女たちと同じくらい、重い過去を経験してきている
それでももしものことがあってはいけないから、素子たちは風呂場の見合いのメンバーから外したんだな
今、台所にいる名家・栗宮家の素子名家・狩野家の桜子名家でないけれど、トリイ電子の創業家で社長の娘のまり子は さすがに、この場に居るのは危険過ぎるからわざとメンバーから外したんだ 香月家本家に行ったみすずと美子さんも
瑠璃子お前は、いいのか
瑠璃子も名家・香月家の令嬢だ それなのに、この場にいるのは
あら、わたくしは親族にわずかなお金でセックス奴隷として売り飛ばされた身の上ですわ
オレの腕に乳首を擦り付けて瑠璃子は、オレの耳に囁く
この場に居る資格はあると思います
次瑠璃子ネ
イーディが、瑠璃子に声を掛ける
はい、わたくしは自分の言葉でご挨拶致しますわ
瑠璃子は立ち上がって、フランス語で自己紹介した それから、ありすと可憐が紹介される 2人とも家の都合でオレのところにセックス奴隷として仕えることになった娘たちだ そういう説明なら元・少女暗殺者たちの共感を得ることができる エリカは祖父と愛人の娘だったことを、ずっと知らされないできた娘だし 愛も母親が夫とは違う男の子を孕んで産まれた娘だ みんなそれぞれ、重い事情を抱えている イーディは鷹倉神社の娘たちの過去についても説明していく 外国少女たちの表情がすっかり変わっていた 共感が彼女たちとオレの女たちを繋いでいく ここに結び付きができればその延長線に今、ここに居ない子たちとも関係が築けるだろう