ルナが、アニエスを呼んだ
はいですのっパパっ
うん、判ってるさっきの子たちはオレに任せとけアニエスは今日が初登校なんだからそっちに集中しろ
判りましたのあの子たちのことお願いします
アニエスはそういうとルナの隣の席に走っていく
慌てなくても平気ですよちゃんと、始業時間前に到着するように車列を走らせますから
見ると翔姉ちゃんが来ていた ああ、レイちゃんは、すでに茉莉花を学校に車で送って行っていないから みすずたちの朝の送迎は、翔姉ちゃんが担当するんだな 今日、ここから超お嬢様校に行くのは
香月家のみすず、瑠璃子、美子さんに、警護役の美智
アニエス、ルナ、コヨミちゃんの年少組に警護役見習いのヨミ
お嬢様だけと名家の一員ではないまり子とエリカ警護役はハイジ
名家の令嬢の可憐と、桜子と警護役から降格して裁縫係になった不知火シエさん
桜子と警護役
そして武闘派お嬢様の栗宮素子さんと警護役の御厨くるみさん 凄い人数だ 大型バスでも借りてきたい気分だけれど数台の高級車に分乗して、香月セキュリティ・サービスの警護車寮を付けて、車列を作って学校まで送ることになるんだろう
わたくし今日は、学校をお休み致しますわ
栗宮素子さんは暗い顔でそう言う
少し、落ち着いて考える時間が欲しいんです
キョーコさんに、自分の槍術の存在意義を全否定されたことが相当ショックだったみたいだ
あら、そんな我が儘はいけませんわ
わたくしのことは、わたくしが決めます香月セキュリティ・サービスの関さんには、関係の無いことですわ
と栗宮さんは、ムッとして答える
今日は気分が良くないから、お休みさせていただきますそう決めましたからわたくし
うぇーそんなんじゃ、うちが困るよっ
寧が栗宮さんに言う
黒森家にお泊まりしたら学校をお休みしなくちゃいけないほど体調が悪くなったっていうのはあたしたちが栗宮さんに変なモノを食べさせたってことになっちゃうんじゃないのっ
ニターッと笑顔でそう言う
そ、そんなことは申し上げておりませんわ
でもさぁ、栗宮さんは昨夜、ヨッちゃんにお仕えする女の末席につくって宣言してなかったヨッちやんどう思う
栗宮さん、学校へ行って下さいこんなことで休まれるのは、迷惑です
ヤッちゃんの言う通りですこの屋敷に泊まった朝に学校を休まれたりしたら黒森家の名誉が傷付きます
栗宮さんが本人の申告通りに、名家・栗宮家や他の中堅名家から送り込まれた監視役なら 黒森家に潜入して、一晩経った後の様子をどこからかチェックしているはずだ
栗宮さんが元気に学校へ行ってくれないと黒森家が、あらぬ疑いを掛けられたりするんじゃないですか
栗宮さんたちをオレたちが、強制的に軟禁しているんじゃないかとか すでに巫女の力を使って、栗宮さんたちをオレたちの下僕にしようと精神改造をしているので外には出せないのではないかとか
そんなこと以前に、下らない理由で学校を休むなんていうのはお姉ちゃんが許さないからねっ
うちの子になりたいんならそういうことは、きちんとしてもらうよっ
授業をよくサボッてた元・不良少女の寧がそれを言うのは
わたくしも香月セキュリティ・サービスの職員でなく、黒森家の一員として申し上げます学校に行きなさい
翔姉ちゃんも、笑顔でプレッシャーを掛ける
素子お嬢様皆様のおっしゃる通りですわ
臣下の御厨さんも、栗宮さんにそう言う
わ、判ったわ判りました学校へは参りますっ
栗宮さんは、何とか折れてくれた
はいはいじゃあ、その辺に座ってお食事にして下さい
台所からエプロン姿のマナが出て来て栗宮さんたちのための皿を運んで来た
今朝はハムエッグとサラダパンは、愛ちゃん特製です
新作だから感想を聞かせて
向こうのテーブルで朝食を摂っていた愛がみんなに言う
さて、オレも朝食にするよ
オレはズラッと女たちが座っている食堂のテーブルを見る ええっと空いている席は
お久しぶりっ元気だった
この金髪碧眼美少女は ミス・コーデリアの部下のコードネームニキータ・ゴルバチョフこと
アーニャ
夏休み明け以来だ
わたくしも、キョーコ様、コーデリア様と東南アジアで合流したのよそろそろ麗華とも次の対戦の打ち合わせをしないといけないし
アーニャは、キョーコさんの手下という設定でレイちゃんや香月セキュリティ・サービスの職員たちと闘う特別番組に出演している
翔とも話さないといけないことがあったからキョーコ様たちと一緒に、お庭には行かなかったのよ
だから中庭には、キョーコさんとミス・コーデリアとイーニーとミーニーだけが来たんだ
アーニャ、例の件頼んだよ
奥のテーブルで朝食を食べながら、キョーコさんがアーニャに言う
はいかしこまりました例のドリル姉妹のお目付役は、わたくしがするわ
アーニャがオレに言う
あの子たちがおイタをしないようにわたくしが見ているわあの子たち、あたしの言うことは聞くから
イーディなら、あの子たちを抑えられるだろうけれど授業で教室から出られない時があるだろそういう時は、アーニャに任せな
キョーコさんが、オレに言う
あの子たち、あたしのことは仲間だと思ってくれているのよ
アーニャが微笑む つまり、アーニャのことをキョーコさんの配下の少女暗殺者の先輩だと思っているんだな
イーディが授業に出ている時っていうことはあの子たちを、オレの学校に連れて行けってことですか
オレはキョーコさんにそう尋ねる
言ったろドリィとアナに平和な日本を見せたくて連れて来たってそれに、ここに残していくよりはあんたの眼の届く所へ連れてった方がいいんじゃないのかい
オレたちが学校に行ってしまったらまだ中学への編入が済んでいないマナたちと幼児の真緒ちゃんたちしか、このお屋敷に残らなくなる ドリィ&アナをここに残していくのは心配だ それならオレの高校に連れて行く方が良いか あそこには、色々と隠された施設もあるから居場所には困らないし
判りましたじゃあオレの学校へ連れて行きます
オレは、キョーコさんに約束した
はむっ、はむっ、はむっ
はむむっ、はむっ
月子による暗示付けが終わったドリィとアナが ようやく食堂に現れて食事をしている
とりあえずこの家の人間たちは、身内で絶対に傷付けてはいけないと心に刻みましたわ
月子が、オレに報告する