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はい、可憐さんは名家のご令嬢としては、ご自分に課せられた運命を受け入れていらっしゃいます心の表層部においては

しかし、12歳の一人の女の子としては、そのような運命と自分にそんな責務を負わせたご実家のことを受容できていないのです納得できていないのです

 可憐は名家の令嬢としては完璧な子だ  しかし、それは可憐がセルフ・コントロールで理性的に抑制して成立させているものであって  ただの12歳の女の子としては心の深層部では、納得できていない

ああ、なるほど判りましたわ、お兄様

可憐は水島家のご実家から、香月家のパーティに来たまま、家に帰ることを許されずにわたくしたちの元にいらっしゃいます

 あの日以来、実家に戻るどころか、両親に会うことも許していない

パーティにいらした時には、こんなことになるとは考えていらっしゃらなかったはずです夜には、ご実家に普通に戻られるつもりでお出掛けになられたはずですわ

 2度と自分の家に戻れなくなるなんて予想はしていなかった

はいですから可憐さんの心の表層部では、ご自分の運命をすべからく受け入れていらっしゃいますが

 改めて月子が言う

深層部においては心の整理ができていないままなんですわ納得する以前に、受け入れる基盤ができていないんです

きちんと前の家とお別れできていないんだよ

 ルナが実姉の言葉を補足した

それができていないとボクたちと一緒に居ても、幸せな気持ちにはなれないんだよ前の家にやり残したことやらなくちゃいけないはずのことが残っているんだから

 可憐が水島家でやらなければいけないこと

可憐ちゃんは、ホントはもっと熱い子なんだよいつも一生懸命抑えているから、判りづらいけれどだから、本当は

怒っているんだよ自分一人に家の罪を背負わせている水島家の人たちにお父さんやお母さんだけでなく水島家全体に対して怒ってるんだよボクには見えてる

 水島家の分家の子たちのことも  分家の連中が香月家の家臣になってしまった可憐に不満があるから、問題が起きているんじゃなく  可憐の方も、何も知らないくせに自分に当たり散らしてくる分家の子たちに怒りを感じているんだ

わたくしはそんなことは考えていませんわたくしは、そんなはしたない娘では

 可憐は必死に否定する

いや、可憐お前は、もっとは自分に優しくならなきゃいけないよ

 他人に優しく、自分に厳しくという令嬢の教育を素直に受け入れすぎたせいで  可憐は、ガマンし過ぎる性格になってしまっているんだ

はしたなくって良いんだもっと自分の気持ちに素直になれ

やっと判ったよ可憐、お前は可憐の人間としてのベースは名家・水島家の娘のままなんだなだから、そんなに苦しんでいるんだ

 オレは可憐の眼を見て言う

でも、もう違うんだ頭を切り換えろ可憐は、オレの女だお前はもう、黒森家の一員だ水島家のことは、考えるな水島家のことは、ジッちゃんたちが何とかするいや、いずれはみすずや瑠璃子やオレが何とかするし、ちゃんと考えるお前はもう、この家でみんなと幸せに暮らすことだけを考えていればいいんだ

 すると桜子が

可憐さんわたくしはもう、狩野家の将来のことは何も考えていないわ

 水島家より遙かに格上の名家・狩野家の桜子が優しく可憐に微笑む

だって皆様が良い方向に導いて下さることは判っていますからわたくしが悩むことではないのわたくしはもう、全てをこの方に託しておりますもの

 そう言って、オレの頬にキスをする

わたくしもよわたくしは、もう栗宮家には戻れないですし、戻らないですもうここで、殿と家族の皆様と仲良く暮らすことしか考えていませんわ

 名家・栗宮家の素子も可憐にそう言う

後は殿のお子を産んで、その子に栗宮流槍術を教えることそれだけを考えています実家のことは、全てお任せしてますから

わたくしも素子お姉様、桜子お姉様と同じです今の瑠璃子は、お兄様のセックス奴隷ですから香月家のことより、お兄様や家族の皆様の方が大切です

 香月家の瑠璃子までが、そう言ってくれた

でも、きちっと踏ん切りが付けられるようにしてあげないといけないと思います

 エリカが、そう言う

そうだな可憐一度、水島の家へ行こうオレも付いて行くそれで、もう一度、可憐が自分の意志で水島家から出ないとダメなんだと思うオレたちの家に行くと決心した瞬間を記憶に刻まないと

 オレにもそういう記憶がある  元の家を捨てる決意をした瞬間が

公お兄様、皆様

 可憐は驚いた顔で、オレたちを見ていた

こういう風に筋道立てて分かりやすく解説してもらったら、頭の良い可憐ちやんは理解できるでしょそれが今の自分に必要なことだって

 同い年のルナが、可憐にそう言う

あのね可憐ちゃん可憐ちゃんは、判ってるはずですの可憐ちやんは、これからずーっと、ホントにずーっと、一生、アニエスといっしょにパパと暮らしますのそういう風になるんですの

アニエスたちの家族は今は、みんな一緒に暮らしていますのだから、毎日、とっても楽しくて幸せですのだけど

今度寧ちゃんとイーディちゃんが、マルゴちゃんとアメリカに行きますのううん、今は3人だけですけれどそのうちみんな、家からお外にお出掛けすることになりますの

 アニエスは、オレたち家族の将来を自分なりに考えている

月子ちゃんは、そのうち京都の神社のお仕事があるそうですのマナちゃんは、将来スーパー・モデルというのになるんですのでも、そのお仕事をするためには外国に行かないといけないらしいんですのハイジちやんも、もうちょっと大きくなったら警護のお勉強で留学するって言ってましたの

 確かにそういう計画はある

他の子も色々な理由でお出掛けすることもあると思いますのそしてそれは仕方ないことなんですのアニエスたちの家族がどんどん大きくなるためには、必要なことなんですのアニエスだってお屋敷から外に出て、学校に行くようになりましたのだから、もっともっと遠くにアメリカよりももっと遠くにお出掛けする子だって、きっといるんだと思いますの

 学校へ通い始めたアニエスは、外の社会と接触することの重要性を理解した  そのために家族が長期間、家から離れることが起こり得ることも

でも、みんないつかはちゃんと帰って来ますのだって、ここがみんなの家だからですのそれはこのお屋敷っていうことではないんですのみんなの帰る家は、パパの居る所ですパパの腕の中からお出掛けして、みんなまた、パパの腕の中に帰って来ますの

 アニエスはオレに抱かれたまま、笑顔で可憐にそう言う