1283.ネガティブ潰し / 過去の扉
そのまま全員で学校の敷地の裏側まで歩くことになった
しかしびっくりするくらい人に会わないな
と言っても、当たり前で今はお屋敷から学校へ避難する時に使うルートを歩いている 一般道には、ほとんど出ない 基本的に、フェンスで仕切られた私道の内側を歩いている 普通に学校へ歩いて行くよりは、遠回りになるが仕方がない アーニャやドリル姉妹を一般市民になるべく目撃されたくない
午前中さえ何とかできれば公安警察の方は、こっちには来ないと思うよっ
だってキョーコさんがミス・コーデリアとお出掛けするって言ってたでしょお昼はいらないって言ってたよねっ
て、ことはさキョーコさんたちが、どこかで目撃されるわけだよね公安の人たち、キョーコさんが東京に帰っているって気付いたら
ああ、オレたちなんて無視して、空いている人間は全部キョーコさんたちの追跡に行かせるか
そういうことだよお屋敷には、キョーコさんが帰ってくるかもしれないから最低限の監視係は残ると思うけれどあたしたちの学校には来ないよっ
キョーコさんのことだからわざと公安警察の眼を惹き付けてくれるんだろうな
キョーコ様は、わたくしやこの子たちにバカンスを下さったのよ羽を伸ばしてお休みできるようにってね
虎マスク姿のアーニャが、ドリィ&アナ姉妹を見ながら笑顔で言う
この子たち故郷を出てから、キョーコ様とコーデリア様のプレッシャーにずっと怯えていたから
人を殺すことにためらいのないこの姉妹が、キョーコさんたちに従っているのは 恐怖のせいだ 少女暗殺者たちを子供の頃からずっと支配していた、東南アジアの組織をキョーコさんたちが皆殺しにして壊滅させてしまったから
組織から解放されて、自由になったみたいな感覚はこの子たちには判らないんだろうな
当たり前でしょこの子たちは、自由がどんなものか知らないんだから前の組織が壊滅したから、今度はキョーコ様が自分たちの主になったぐらいにしか考えていないと思うわ
アーニャが言う ドリィとアナは、キョトンとした顔で不思議そうにオレたちを見ている
だから、キョーコさんはこの子たちをヨッちゃんに預けることにしたんだよっ
キョーコさんだと血と暴力の匂いが濃すぎるから、この子たちが怯えるだけになっちゃうんだよ解放できないんだよこの子たちの方が従属の首輪を放さないから
圧倒的な力はただ存在するだけで、人を怯えさせる みすずにとっての香月家 オレにとっての香月セキュリティ・サービス そして、キョーコさんにとっては強すぎる肉体そのものが
そうだよっだから、怖くないヨッちゃんがこの子たちには最適なんだよっ
まあ確かにオレは、人を怖がらせるような力は何も無いもんなぁ
えー、でも、それって凄いことなんだよっ普通、女の子って男の子に怖さを感じるものだからさっヨッちゃんはそういう根本的な怖さが無いんだよねっだから、みんなヨッちゃんのことを受け入れてくれるんだよっ
怖くないから受け入れてくれる 寧の言うとおりかもしれないな
ノンノンノン、それは違うネDarlingハホントはかなり怖い人ネ
物腰は柔らかいし、一見、危険性は感じられないヨダカラ、みんな安心してDarlingに近寄って来るけれどDarlingの本質は、トテモ怖いヨ
その2面性がDarlingのホントの魅力なのネソレハ肌を重ねないとセックスしないと判らないノネダカラ、モトコはまだ上辺のDarlingしか理解していないノヨ
武闘派お嬢様の栗宮素子さんか
イーディオレはただの高校生だぞ
しかも、普通の高校生よりも頭のできが悪い
オレが危険な男とは、とても思えない
ソンナコトないネ
イーディは、そう言うと今、一緒に居るメンバーを見る
オレ、寧、月子、アーニャ、ドリル姉妹、それからグレース・マリンカさん
この際だからジュンには、聞かれてしまっても良いと思うのネ
ん何を
むしろジュンは知ってた方がイイカラ
アタシたちのDarlingは人を殺したことがあるノネ
グレースさんが驚く 月子は心の中を覗くことができるから驚かない アーニャはミス・コーデリアから聞いて知っている オレが、シザーリオ・ヴァイオラを射殺した時ミス・コーデリアも、その場に居たのだから ドリィ&アナは日本語はカタコトとか知らないから、無表情でオレたちの様子を見ている
ヨッちゃんはさっ、あたしの両親と弟の仇を討ってくれたんだよっ
あれはあたしの家族を殺して、たくさんの人たちを傷付けていた悪人をヨッちゃんは倒してくれたんだよっヨッちゃんは、全然悪くないんだからっ
いつも笑顔の寧が怖い表情で、そう言う ドリル槍姉妹は、寧のあまりの変わりように不思議そうに寧を見ていた
オレがシザーリオ・ヴァイオラを殺したのはオレが撃たなきゃ、あいつが撃つと思ったからで寧の家族の仇を取るとかそういう英雄的な行為をしたわけじゃないよ
だけど、オレはそのことを全く後悔していない
人を殺してもオレは、前に進むしかないんだ 家族のために、オレ自身のために
また同じようなことが起きたら次もためらわずに引き金を引くよオレはオレたちの敵を排除する迷いは無い
鬱々と悩んでいるようなことを許されない
オレにはイーディやキョーコさんのような、相手を圧倒するような強い力は持っていないだから、相手を傷付けないように制圧することなんてできないし話し合いで解決できない人間がいるってことも、良く判っている警察とか、誰かの助けを待つんじゃなくってオレ自身が全力で立ち向かわないと、手遅れになってしまうことがあるっていうことも
オレはヤバイって思ったら、何でもするよ人だって殺すやってしまったことは、眼の前の危険を排除した後に考えればいいんだから
それは犯罪組織黒い森のメンバーとしてのオレの誓いだ オレは馬鹿なんだから 悩んだり、考えたりしていたら誰かがヤられてしまうかもしれない だから迷う前に、危険な匂いを発するモノを撃滅する 攻撃することを恐れはしない
ホラ怖い人ネ覚悟している人だから
イーディは、そう言うと
Darlingこの話をこの子たち話してもイイカ
ドリル槍姉妹に
今のこの姉妹は月子の力で最低限の歯止めがしてあるだけネ人間の心は、あんまりイジくると壊れやすくなるネキョーコが思っているほど、簡単ではないノヨ
とりあえず家族に攻撃しないことと、オレの言うことを聞くようにしてあるんだっけ それ以上の改変はさっきの短い時間では無理だろう