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ふーん、そういうのってクラスで誰が何位とか、貼り出されるわけ

はい5位までは、毎月、学校の壁に名前が貼り出されますあの成績の良い生徒は、音楽大学への推薦入学の話もありますから

 なるほど音楽科の高校っていうのは、なかなか大変なんだな

でジャスミンちゃんと松下さんのお姉さんも、ピアノ科では、いつも5位以内に入ってたりするわけ

あのはい松下さんは、入学以来ずっと1位ですわたしはいつも5位くらいですけれど

そんなことないです高畑さんは、最近、どんどん力を伸ばしていますから今月の発表では、3位だったでしょ

 マルゴさんの問いに、茉莉花と松下真樹さんが答える  茉莉花はついこの間ので、お母さんが病気で入院していて、精神的に辛かったんだよな  今はお母さんの病気も、良くなってきたし生まれてからずっと離れ離れだった妹のエリカとも会えた

毎週末お屋敷に来るようになって、かなり明るくなっている

そういうのがピアノの演奏にも表れて、先生から褒められたって話してくれたっけ

高畑さんならきっと、わたしよりも上手になるわ

わたしは、松下さんみたいに弾けないです

そんなことないわわたし、高畑さんのピアノ好きだもの

わたしこそ松下さんのピアノが大好きです

 クラスメイト同士でそんなことを言い合っている  そして、五十嵐イズミさんは同じ高校の別の科の2人の様子を、不機嫌そうにジッと見つめている

ふんふん、なるほどねよーく判ったわ

 まり子はふふんと笑って、自分のレモンティーを飲み干す  オレは、相変わらず良く判らない

さてみんな、高校生なんだからパンの2個ぐらいペロッと食べられるでしょ食べちゃってよそれから、次の場所へ移動しよう

 マルゴさんが笑顔で、自分のパンを頬張る

うん、良信くん君たちのパン、また美味くなってるよね

ほら、あなたもポケッとしていないで食べなさいこういう時には先に食べて、いつでも動けるようにしておくのがお仕事でしょ

 まり子が困惑顔でオレたちの様子を見ていた黒瀬安寿に言う

あ、はいそうでした

 慌てて、黒瀬安寿はパンを口に突っ込む

もうガッつかないのお上品に食べなさいわたくしたちが恥ずかしいでしょ

は、はひっ

 まり子の以前の警護役はハイジだったけど

ハイジは、まだ13歳なのに、妙に大人びた落ち着きのあるからまり子の軽口も全て流してしまって、会話が噛み合っていなかった

黒瀬安寿は性格の良い子なんだけれど、気弱で周囲の雰囲気に呑まれやすい性格だからかえって、マイペースなまり子と合うかもしれない

公様もお食べ下さい

 月子が、小声でオレを促す  ああオレが食べないと、お客さんである松下姉妹がパンに手を付けづらいか

美樹さん、どうぞ食べてわたしは、いつもいただいてますけれど、とっても美味しいパンなんですよ

 今まで黙っていたエリカが同年代の松下姉妹の妹さんにパンを勧める  ようやく、バイオリン少女の美樹さんもパンを食べてくれた

どうです

 中学生同士が、微笑み合う  この学生食堂のオレたちの周囲は相変わらず、生徒たちが数メートル離れて遠巻きにして眺めている  何なんだろう、この変な集団はという顔をして  まあ中心にいるのが、恐ろしい卒業生のマルゴさんだからみんな、放っておいてくれているけれど

気になさらないで下さい大したことでは、ございませんわ

 月子が、オレの心を読んでそっと囁く

大したことないって、月子まさか

 巫女の力で、ここにいる人たち全員の記憶を操作するとか

いえ、力を使うまでもございませんわ

皆さん、公様の周りで変わったことが起こることにはもう慣れていらっしゃいますから

生徒の皆さんは、また、パン屋の1年生が妙なことに巻き込まれているとしか思っていらっしゃいませんわ

 月子は、クククと微笑み

皆さん公様こそが、いつも事態の中心におられるということに気付いていらっしゃらないんです

 ああオレが事件の中心人物なのではなく  いつも、オレが誰かの起こした事件に巻き込まれていると思っている

公様ご自身もですわ

公様、もう一度、しっかりとご自覚なさって下さいませ公様は、いつもわたくしたちの中心にいらっしゃるんですわたくしたちは、公様のお望みのままにどんなことでも従いますし、どこへでもお供致しますそのことをお忘れなく

 オレ、マルゴさんが来てくれたことでちょっと受け身になっていたな  本当なら、オレがどんどん茉莉花や松下さんたちに、話を聞いていかないといけないんだ

いえ違いますわ今の形は、これはこれとしてマルゴお姉様にお任せして良いんですわたくしが申し上げたいのは、公様がご自身で任せていると自覚なさっていて欲しいということですそうすれば、お心にもっと余裕ができますわ

 月子は、小さな声でオレに言ってくれた  マルゴさんが会話を主導してくれているのをただ流されて聞いているだけなのと  今はマルゴさんにそういう役目をやってもらっているだけだと思って自分から積極的に聞き役に廻るのでは最終的な成果が違う  自覚しなきゃ  オレは常に家族の要でなくてはいけない  どっしりと構えてどんな事態も受けとめないと  オレは月子に礼を言って改めて、考える  いつも大人しい茉莉花が、今日オレたちの学園祭に、この3人の音楽少女を連れて来た理由は何だ  いや、茉莉花は言っていたオレに会ってもらいたい人がいると  この3人をオレに会わせたい理由  茉莉花は、この3人をどうしたいんだ  オレは改めて、茉莉花たちを見る

ええ、バイロイトの音楽祭へは去年行ったわわたしは初めて連れてってもらったんだけれどうちは祖父が音楽好きなのよ

 まり子は音楽の話を、茉莉花と松下さんのお姉さんたちに投げ掛けた  エリカと話していた松下さんの妹もまり子に注目する

本当なの良くチケットが手に入ったわね

 あ五十嵐イズミさんも、食い付いてきた

バイロイトの音楽祭は、チケットが年々取りにくくなっているって聞いているわよチケットを申し込んでも、手に入れのは何年も後って聞いているわよ

あら、わたしの家には毎年、招待状が来るわよ

え、何であなたの家、音楽関係なの

 驚く五十嵐さん

違うわよちゃんと名乗ったわよわたしは、鳥居まり子だって

わたしの家は、トリイ電子って電気機器のメーカーなのよお祖父様が創業者で会長で、お父様が今の社長それで、さっきお祖父様は音楽好きって話したわよね

ああ、確か鳥居さんのお祖父さんが最初に作って売り出したのはレコードプレイヤーとスピーカーだったんだよね