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・ライン晴子/17歳ゴールデンバウム・ジム所属緑川晴子

・モンキー・ミミ/26歳超実戦空手トミー・アシダ道場所属萩原美々子

 あのテレビ局のプロデューサーは、勝手にそんなこともやろうと企画していたんだ

ユーキその話はいいから

 慌ててマネージャーの藤森さんが、サイトーさんの口を塞ぐ

スギムラさんからは、そういうお話もありましたけれど私の方でお断り致しましたからうちのサイトーには、そういう仕事はさせません

 このマネージャーさんは、自分の担当している少女アイドルを必死に守ろうとしているんだな  悪い人ではないんだなと感じた

いえっ、わたしおいしい結果になるんでしたら、何でもしますっ

 サイトー・ユーキさんは、自分の口を塞ぐマネージャーさんの手を押しのけてそんなことを言い出す

スクール水着でプロレスでも、スクール水着で縄跳びでも何でもしますっ頑張りますからっ

 元気な笑顔で、そう言い切る

馬鹿なこと言わないで、ユーキ

でもリンダさん社長が言ってたじゃないですか、アイドルはおいしそうなお仕事なら、どんなことでもやらないと売れないって

 マネージャーに、笑顔のままサイトーさんは言う

テレビのお仕事はわたし、まだ1回目しかさせていただいたことはありませんでも、この前の時はたくさんのアイドルの皆さんと一緒であたしが映ってたのなんて、ほんの豆粒くらいで島根のお祖母ちゃんなんて、どの子があたしか判らなかったって言ってましただけど、今日はちゃんと顔を撮ってもらえそえなんですからそれだけだって、今までから考えたらおいしいじゃないですかだから、あたし、どんなことでも頑張ります

 何か、スギムラやお笑い芸人たちみたいにこのまま帰ってもらうのは、可哀相な気がしてきたぞ

あのさっきから君の話しているおいしいっていうのは、どういう意味なのかな

 オレと同じ疑問を、マルゴさんも感じたらしいサイトーさんに尋ねてくれた

ええっと、あのおいしいはおいしいってことだと思いますけれど

 サイトー・ユーキさんは、キョトンとした顔でそう答えます

あ、わたしが説明しますっ

 エリカが、オレたちの前に出て来る

あのこの場合のおいしいっていう表現は、芸能界の用語でテレビの放送で、特定の芸能人の人が特に注目されるような状況になって、視聴者の皆さんにその芸能人の存在を強くアピールできることを指します

なるほど、テレビ放送で自分を目立たせることができれば、多少、恥ずかしいことでも君はやるってことなんだね

 エリカの説明を聞いてマルゴさんが、改めてアイドルの少女に聞く

はいわたし、どんなことでも頑張りますっ

 サイトー・ユーキさんの決意は固そうだった

だってさどうする、良信くん

 マルゴさんは、ククッと笑ってオレに振り向く

君が決めてよこの女の子、今日の放送に出演させるかどうか

いや、あのどんな形でも出演させていただかないと困ります

 マネージャーの藤森さんが、マルゴさんに強く言う

そ、そうですテレビなんですから、出られなかったら、わたしもリンダさんも社長に怒られちゃいますよ

 いやこのアイドルとマネージャーさんの芸能事務所は  明日には、オレたち黒い森のものになる  おそらく、今の社長は解任されるだろう  親会社のデススター・プロの方へ戻るんじゃないだろうか

でも、ほらあなたたちを出演させるっていう話は、スギムラさんが番組の発注者であるあたしに無断で勝手にしたことだからさ

ですが、藤森さんは局のPでいらっしゃいますPから正式に出演依頼があったんですから番組製作におけるPの権限は絶対のはずですわ

 マネージャーさんは、必死で食い下がるが

普通のテレビの業界じゃ、そうなのかもしれないけれどあたしたちは、普通じゃないからね

そんな何でしたら、会社の方からデススター・プロの方から正式に抗議しても良いんですよ

すれば良いと思うよでも、マネージャーさん、あたしたちがどこの誰なのか、知っているの

 マルゴさんに軽く流されて口籠もる結果になってしまう

ホント、どうしようか良信くん

 マルゴさんが、オレに決めてくれと言うのは  マルゴさんはオレがミナホ姉さんと明日、デススター・プロの女性タレント部門に行くことを知っているからなんだと思う  オレはアイドルとマネージャーさんを見る  この様子ではこの2人は、自分の芸能事務所が明日にも、デススター・プロの本体から切り離されて、オレたちのものになるということを知らない  だから芸能界の中では大手で、後ろ盾になるヤクザも付いているデススター・プロの名前を出して、オレたちを威圧しようとした

オレは明日のために、もう少し勉強させてもらいたいです

 もう少しこのアイドルとマネージャーさんを見たい  この先、芸能事務所の経営もやらなくてはいけなくなるのだから

そうじゃあ、サイトーさんにも出演はしてもらおうただし最初の企画通り、アシスタントということで司会は別の人にしてもらうそれでいいかな

はいっ、頑張ります

 サイトーさんはテレビに出演さえできれば、何でもいいらしい

あのそうしますと、司会はどなたがなさるんですか

 マネージャーさんがマルゴさんに尋ねる  マルゴさんはオレに振り向く

ねえ、良信くん司会は寧にやってもらってもいいかい

 寧を  寧は今、パン工房で克子姉と愛の手伝いをしてくれている

寧はアメリカでやるあたしの格闘技のビジネスを手伝ってくれることになっているただしあの子は、裏方に徹するつもりみたいなんだけれど

 裏方

あの子は表に顔を出す気は無いみたいなんだでも

寧みたいな子は光有る場所でこそ輝くと思わないかい

良い機会だからあたしは、寧を表に出してみたい

 寧は信じられないくらい美しい少女だ  プロポーションも、研ぎ澄まされた美術品のように綺麗だ  オレは、知っている  普段の寧は、いつもオチャラケていて明るくて楽しい女の子だけれど  本当は、とても内向的で大人しい女の子だ  奈島寧《ナトゥ・ネイ》という後から作った人格の内側に奈島寧子《ナジマ・ヤスコ》というもう一人の人格が隠れている

あたしはさ寧には、前に進んで欲しいんだよ黒髪に戻してから、ここの学校の中での寧は変わったよねあたしは卒業して半年ちょっとが経過しているけれど、まだ学校の人たちには怖がられているでも、寧は

 5月の連休までは、寧はマルゴさんとセットで恐ろしい金髪の不良少女コンビとして恐れられていた  だから、さっきの学生食堂でもマルゴさんは、生徒たちにまだ怖がられていた