近所の酒屋さんなんかは、仕方ないから両方に会費を払っているらしい
なんだかなぁ
1284.ネガティブ潰し / コク
とりあえず、図書館の地下まで来た 外の廊下には、人通りは無いけれど 図書館の1階へ上がれば、始業前でも生徒は来ているよな
えーと、確か
オレは、克子姉から預かった秘密施設の鍵を取り出す 鍵に書かれていた数字は43-b
どうしたのヨッちゃんああ、43-bね
寧がオレの持って居る鍵を覗き込む 43-bのことを知っているのは、寧だけだ
43-bなら、このまま外の廊下を進んだ奥だよっ
この辺まで敵が攻めてきた時に、図書館の中に逃げ込んで敵をやり過ごすための部屋が43-bだから
ていうか、本当は43-bで周囲の様子をチェックしておいて、危険が迫ったら今、通ってきた階段から、学校の敷地の外へ脱出するように設計されてたんだろうね
だから、図書館の地下の同じ廊下に緊急退避室と脱出経路があるのか
じゃあ、その43-bへ行こう
1時限目の授業が始まるまでは、アーニャやドリル槍姉妹は隠しておいた方がいい キョーコさんが、街中で公安警察を惹き付けるアクションを起こすのだってもう少し時間が経ってからのはずだ
よっしそんじゃあ、こっちに来てっ
寧を先頭にゾロゾロと廊下に出る 出口と繋がる階段があった部屋のドアを閉めるとオートロックでガチャリと鍵が掛かった
急いで、誰も来ないとは思うけれどっ
もし一般生徒に見つかったら、言い訳をするのも面倒だ アーニャはまだ虎のプロレス・マスクを被っているし、ドリィとアナはドリル槍を抱えている グレース・マリンカさんだってプロレス好きの生徒に見つかったら、大騒ぎになるだろうし
はい、ここっ
地下の廊下を奥に進み2度ほど曲がって、倉庫っぽい造りの3つ並んだドアの1つに着く
他の2つのドアはダミーだよ中に部屋があるのは、このドアだけっ
オレは、鍵穴に鍵を差し込んだ ここは、暗証番号の電子ロックとかは無いんだな そりゃそうか敵の襲撃を受けている時に、緊急退避するための部屋なんだから急いで中へ入りたいもんな 多分、緊急時にはさっき廊下の曲がった角ごとに、何らかの防衛システムが働くんだろう
落とし穴とか、隔壁が下りるとかそういうタイプの
ガチャリ
重い音を立てて、ロックが解除される
オレはドアを押したうわ、このドアも分厚い
本当に敵から身を守るための造りになっているんだ
壁のスイッチで部屋の電灯を点ける
ああ、壁にはモニターがある操作パネルも
この部屋からでも、校内の監視システムが使えるんだな
それじゃあ、アーニャたちはここで待っててくれるか
ホームルームだけ出て、戻って来るからそしたら、オレのパン工房に移動しよう
30分ぐらいで戻って来るよ
いつもは2時限目までは授業に出ているけれど この子たちを放っておくわけにはいかないもんな 何か理由を付けて、教室から出よう
とにかく、一度教室に顔を出さないと学校に来てないと思われるし、メグも心配するだろうから
メグは女子陸上部の朝練で先にお屋敷を出たから ドリル槍姉妹のことは知らない
月子も今日が初登校なんだから、他の人たちに合流しないとマズいだろ
なでしこ科という特別クラス自体が、今日からスタートなんだからミタマや娼婦候補生たちの方へ行かないと 月子は、ドリィとアナのことが心配らしい
大丈夫よわたくしも、この子たちも何時間でも同じ場所でジッと待つことができるように訓練されているわ
アーニャが、そう言った 暗殺みたいな任務だとターゲットに仕掛ける絶好のタイミングを延々と待ち続けることもあるか
そしたらヨッちゃんあたし、ここに残るよっ
え、ヤッちゃん授業は
いい今日はパスするっ
さっき栗宮素子さんには学校をサボるなって言ってたのに
いいんだよっあたしはどうせ、卒業できないんだし
寧は学籍が無い シザーリオ・ヴァイオラの追跡から逃れるため、寧の個人情報を公的な記録に残すことができなかったから それに寧はずっとアメリカで行方不明ということになっていて、日本には偽造したパスポートで戻って来ていたし この高校に正式に入学していないのだから卒業もできない
今はちゃんと戸籍を取り戻したんだから学校だって
夏休みにオレとアメリカへ行って行方不明だった奈島寧子は帰国した そして、黒森家の養女になって今は戸籍上は黒森寧子になっている 黒森寧子として、編入し直せば寧は、この学校の本当の生徒になれる
もういいよあたしは、もうすぐマルゴお姉ちゃんとアメリカへ行くしま、日本に居る時はヨッちゃんが在学している間は、この制服を着て校内をうろうろしているつもりだけれど
寧は悲しそうに微笑む
あたしは失ってた高校生活を取り戻すより、先に進みたいんだよね早く大人になりたいんだよっだから
きちんと学籍を手に入れて卒業証書を手にすることは、諦めたのか 寧は、そのまま監視システムの操作パネルを動かし
さあってとヨッちゃんが帰って来るまでに、あたしこの監視システムを使って、ここの高校のことをみんなに説明しておくよっ
慣れた手つきで、システムを起ち上げる すぐに壁のモニターに、高校の地図と各所に仕掛けられた監視カメラの映像が映った
ワウッ
ホーオ
ドリル槍姉妹は、興味たっぷりでモニターを観ている
ほら、これがここの敷地の中ねっ
寧がパチパチとカメラの映像を切り替えていく 正門前校庭職員室前の廊下 うんもう、ほとんどの生徒が登校している時間だ 男子生徒の姿も女子生徒の姿も、次々に映っていく
どういうこと、これ
グレース・マリンカさんは驚いている
秘密の出入り口も変だったけれどこんな隠し部屋に、どうしてこんなモノがある
ああ、グレースさんから見たらこれは、メチャクチャ異様な光景なんだろうな
コレモアタシたちが普通じゃないっていう証拠ナノネ
イーディは、笑顔でグレースさんに言う
それもヨッちゃんが戻って来るまでに説明するよっあたしたちが何者で、どうしてこの学校には、こんな監視システムが付いているかってことをね
寧が、さらにカメラを切り替える
ムミッ
ホアッ
こんなところまでカメラがあるの
女子更衣室と、女子シャワー室と女子トイレの映像か
まあまあ、そんな顔しないでよっグレースさんたら
寧は苦笑してカメラをまた切り替える ここって、オレの教室の前の廊下だよな