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 黒森家の本性は犯罪組織だけど、一方的には奪わないし、与えることもない  常に対価を求める

あなたたちが、この子を納得させることができたならあたしは、幾らでもこの子の手助けをするわお金でも、裏の力でももっと危険なモノでも、あなたたちの求めるもののために使ってあげるそれだけは、最初に約束しておいてあげるわ

じゃあ、後はあなたが進めてあたしは見ているわ

とにかくオレは、松下さんたちの演奏を聴かせてもらったオレは音楽のことは詳しくないけれど真樹さんのピアノも美樹さんのバイオリンも、同じ年齢の音楽家の人たちより、ずっと優れているってことは判る

 オレの言葉を松下姉妹も、茉莉花も真面目な表情で聞いている

だから、オレは茉莉花の友達だから、何とか助けてあげたいっていうんじゃなくって、あなたたちを才能有る音楽家の卵っていう認識をもってこれから先のことを判断しようと思う

 それが茉莉花の考えだったはずだ  困っている友達を助けてあげたいというのと、とても音楽の才能のある友人を助けてあげたいではオレたちの受け止め方が違うと思ったんだろう  音楽科のある高校の中でも、トップクラスの成績を修めているこの子たちには音楽の才能に関して、プライドも有るだろうから

だけど、そういう認識の上でやっぱり、今の松下さんがどんな問題に陥っているのかということと、オレたちに何をしてもらいたいのかということは、あなたたち自身の口で話してもらわないと判らないよ

 音楽の才能の高さは、判った  でオレに何を求めているのか  茉莉花が、松下さんのお姉さんを見つめる

大丈夫ですから、正直に話して下さい

うん、わたしも茉莉花お姉様も公さんにお話して、困った問題を全て解決してもらったんです

 エリカも、姉の茉莉花を横からサポートする

公さんは信頼できる人ですわたしたちの公さんですから

 エリカの優しい微笑みに松下真樹さんは

それではお話し致します

 覚悟を決めて話し始める

大変、お恥ずかしい話でございますが今、わたしと妹の美樹は、音楽が続けられなくなるかもしれない瀬戸際に居ます

 やっぱりそういうことなんだろうな  2人の合奏の深刻そうな雰囲気から、何となく判っていた

わたしたちの祖父は薬のマツシタというドラッグストアのチェーン展開しているマツシタ産業の経営者です

ああ、知っているわ知ってるっていうより、株も2000株ほど持っているわよドラッグストア・チェーンの中ではかなり有望な会社よね

 まり子が、横から口を挟む  松下姉妹は、立ち振る舞いが上品だし言葉遣いも丁寧だから、お金持ちの家の子だとはオレも思っていた  そもそも、高校から音楽の専門過程のある全寮制の高校へはお金のある家の娘でないと入学するのは難しいだろう

薬のマツシタは、祖父が一代で大きくした会社ですしかし、わたしたちのお父様は祖父とは考えが合わなかったみたいで、学生時代に自分で別の会社を興しましたアンダーパームという名前のIT関連の会社なんですが

その会社も知っているわでもアンダーパームは、最近、別の大手のIT企業に吸収・合併されたはずよ

はいお父様が亡くなりましたから

 父親が死んだ

父は、今年の春に突然倒れたんです大腸の病気でしたそれで、病状がおもわしくなかったので会社経営を続けることが難しくなり、社員の皆さんの生活を守るために20年間育ててきた会社を大手の企業に買っていただいたんです

会社を売った半月後にお父様は亡くなりました

 妹の美樹さんが、悲しげに言う

とても、音楽の好きな父でしたわたしたちに音楽の楽しさを教えてくれて音楽の道に進むことを許してくれたんです

このバイオリンもお父様が買って下さいました

 美樹さんは、バイオリンのケースを愛しげに撫でる

そう辛かったのね、あなたたち

 まり子が、松下姉妹に優しく声を掛ける

わたしたちよりも母が看病疲れと父を失った喪失感で、すっかり寝たきりになってしまって

今はわたしとお母様は、お母様の実家で生活しています

 姉の真樹さんは高校の寮で生活しているけれど  妹の美樹さんは、お母さんの実家に居る

だけど、もうお父様の会社はありませんし蓄えも減る一方です

 お父さんのやってたIT企業は売ってしまったから今後は、お金が入って来ない

それでお祖父様が

 松下真樹さんは、一瞬、口籠もる

お祖父様は音楽がお嫌いなんです

音楽の勉強なんて何の役にも立たないって、おっしゃるんです

 ドラッグストア・チェーンの経営者の祖父は音楽に興味が無い

祖父はお母様とわたしたち姉妹を引き取ると言ってきました

あの、わたしたちが、そうお願いしたんじゃないんですお祖父様の方から、何が何でもわたしたちを自分の家に引き取るって

そしてわたしたちに音楽の勉強を止めるようにと、おっしゃるんです

姉さんは、今の高校を辞めて普通の高校にそれも、お祖父様の勧める商業高校へ行けって

美樹にも、バイオリンを辞めさせるって

このお父様のバイオリンもわたしには不必要なモノだから、売ってしまうって言うんです

それでお祖父さんの申し出を断って、何とか今まで通り、真樹さんも美樹さんも音楽を続けたいってことなんですね

いえ、祖父はわたしたちに援助を申し出て下さっているんじゃないんです

お祖父様は、わたしたちに命令しているんです

 姉妹は、絶望の表情でそう言う

ああ、判ったわ息子が自分の思い通りにならなかったから、今度は息子の娘たちを自分の支配下におきたいのね

音楽がどうとかホントは関係無いのよただ、孫娘たちを自分の思い通りにしたいだけなんだと思うわ

オレも、そう思うよ

 オレの母親も、そうだった  オレという存在に何の関心もないくせに  この部屋から出てはいけないとか私物は段ボール1つ分だけとか何かにつけて、オレを支配しようとしていた

わたしは良いんですピアノを続けられなくなってもわたしなんて、大した才能は無いんですからでも、妹は美樹は違います

 学年1位のピアノの腕前の真樹さんがそんなことを言い出す

美樹のバイオリンはこのまま辞めてしまうには、余りにも惜しい才能ですですからわたしのことは構いませんから、何とか美樹がバイオリンを続けられるように、援助していただけないでしょうかお願いします

 松下さんのお姉さんは、深く深く頭を下げる

いえ、わたしは良いですからお姉さんこそ

何言ってるのよ、わたしはいいのよお父様だって、美樹の才能を惜しんでいらっしゃるはずだわ