何でか知らないけれど妙に人が集まっている
何かあったのか 寧が、人だかりに近いカメラの映像に切り替えさらにクローズアップする 真ん中に居るのはメグじゃないか
音声も出すねっ
寧が、システムを操作した
そんなこと言われても、困ります
メグの声が、スピーカーから響いた 誰と話しているんだ
とにかく今、話した通りだからここに居る人間、全員が証人だ判ってるよね
そうメグに話すのはニヤケ顔の男子生徒だった ああ、人だかりのほとんどはオレのクラスの人間じゃない みんな上級生だ 上級生が、何でわざわざ1年生の教室に来ているんだ
ヤッちゃんあれ、誰だか知ってる
上級生のことは寧の方が詳しい
寧は、1年留年しているからこの高校には2年半居る
今の3年生も2年生も、知っているはずだ
3年生のマサカリ・クサオって人だよっ顔は知ってるけれど、どんな人かは知らないな
寧が、そう言うとモニター画面の中のニヤケ男は
別にすぐに返事を聞かせて欲しいわけじゃないんだ君も、色々とジックリ考えたいだろ
メグに向かってカッコを付けてニヤッと微笑む
でもできれば良い返事を聞かせて欲しいなオレだって、ほら、勇気を出したんだからそれなりのご褒美は欲しいよねああ、別に強制しているわけじゃないよこれは、オレの正直な気持ちだからうん
そんなことを言われても、あたし
メグは困惑しているようだった ニヤケ顔の3年生は、ポケットから携帯を出して時間を見ると
ああ、もうこんな時間かゴメンね、押し掛けてきちゃってありがとう、オレの話を真剣に聞いてくれてそれだけでも嬉しいよオレ
どんな真剣な話をしたんだ 全然、話の内容が判らないぞ
じゃ、山峰さんまた後で
3年生のマサカリは、メグにそう言うとその場から立ち去る そのまま、メグを取り囲んでいた上級生の生徒たちもバラバラと立ち去って行った
山峰さん
メグと親しいクラスの女の子たちがメグに寄って来る メグは、とっても困った顔をしていた
何だアイツ、何の話をしていたんだ
オレには何が何だか、良く判らない
調べてみるよっ監視カメラの映像と盗聴音声は七日間は保存されているから
寧がそう言ってシステムの記録を呼び出そうとするが
ソレアタシたちが帰って来るまでに、やっといてねネイ
Darlingはそろそろ行かないとダメヨ
パン工房の方の様子も、観に行かないといけないし
ソレニ、Darlingは早くメグミと会った方がイイネ
イーディは、モニター画面を指差す
メグミトテモ困ってるみたいダカラ
監視カメラの記録を調べるより、メグに直接聞いた方が早いかもしれない
アタシもDarlingに付いていくヨネイ、ここ頼むネ
アーニャとドリィ&アナとグレース・マリンカさんを 寧だけ任せてしまっていいのか
アタシはDarlingの警護《ガード》に付くネアタシの力が必要になるカモシレナイのネ
イーディの力暴力が必要になる
判ったヤッちゃん、アーニャ、ここを頼む
任せてこの子たちの面倒は、わたくしが見ているわ
わたくしもキョーコ様、コーデリア様を通じて、あなたたちの遠縁の家族のつもりよ
そんなこと言わなくても、アーニャはオレたちの家族だよ
うふふありがとう後で、たっぷりご奉仕してあげるわね
ご奉仕っていうより、アーニャとのセックスは絞り取られるっていう感じだけれど
ジュンもここで待っててネついでに、腹を括ってくれると助かるヨ
イーディは、グレース・マリンカさんにそう言った オレとイーディと月子で図書館の1階に上がる そこから外へ 女子生徒も男子生徒も、オレたちに注目するのは 見慣れない女生徒月子の美しさのせいだろう パン屋のオレと、謎の留学生のイーディはそこそこ顔が知られているけれど 月子は、今日が初登校だから
ああ、とにかく一度パン工房に行ってそれからメグの居る教室に行くぞ
オレは、そう指示する
ソレなら、コッチが近道ネツキコ、付いて来て
オレたちは図書館を出て、緑の小道を学生食堂の方へ抜けて行く
イーディさんは、時々、とっても残酷になりますわね
ふと月子が言った
ソウカ
はい先ほどの公様のこととあの尾上ジュンという方のことどちらも、とっても残酷ですわ
オレのことと言うのはオレがシザーリオ・ヴァイオラを殺したことを公表したことだろう グレース・マリンカさんのことは良く判らない 月子は、イーディの心の中を覗いているから オレたちには判らない、イーディの思惑が全て読めてしまっているんだろうけれど
アタシはアタシなりに精一杯やっているダケネツキコと一緒なのネ
早足で歩きながら、イーディはそう答える
月子、イーディにも考えがあるんだろうからさ
ですが、公様
オレはイーディを信じているイーディは、必要の無いことはしない子だよ
ドリル槍姉妹のことも、グレース・マリンカさんのこともイーディには、何かしらの狙いがあるはずだ 月子は口をつぐむ 学生食堂脇のオレのパン工房 搬入口の前に、克子姉が商用バンを駐めてオレたちを待っていた
荷下ろしは
もう終わったわミタマちゃんと可奈ちゃんが働いてくれたから
ああ、良かった
あ、ノブ来たわね
この馬鹿、遅いじゃない何やってたのよ
パン工房の中から可奈センパイ、ミタマ、愛、雪乃が出て来る
あなたの方は、どうだった
とりあえずは、オレたちの方も問題無しお客様たちは例の部屋で待っててもらっているヤッちゃんが付いててくれるってオレ、ホームルームだけ出たら、すぐに戻るよ
そうパン工房の方も、何も問題無いわああ、そうだ今日は材料、少し多めに持ってきているわよ
さすが克子姉助かるよ
オレの考えていることなんて、お見通しか
じゃあ、月子ちゃんとミタマちゃんは、あたしがお嬢様の所に連れて行くわ
ミナホ姉さんもう着いているの
ええ今は他の子たちと校長室にいらっしゃるわ
新設のなでしこ科の生徒娼婦候補生たちを連れて来たんだ
じゃあ、あたしたちもそろそろ校舎へ向かいましょうよ
可奈センパイが、オレたちに言った ああパン工房の準備が問題無しなら 早いところ、メグに会わないといけない
おお、吉田やっぱり、ここに居たか
やって来たのはオレのクラスメイトの田中だった
吉田のことだから、昼のパンの準備をしているはずだと思って来てみたら大正解だったな