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ありがとうみなさーん

 サイトーさんが、ファンに手を振るが

みなさんて言うても、3人しかおらんですわ

それを言うのは可哀相やでリエちゃん

 ええと頑張れ、サイトーさん

ほらほらっ、ユーキちゃん、お仕事お仕事っ

あっ、済みませんえーと

 サイトーさんは、慌ててリングの隅に隠していた台本を拾い上げる

次はスクール水着柔道の説明でしょっ

ああ、そうでしたええと、ええと、ええと、ここだえー、スクール水着柔道って、どんなスポーツなんですか

 サイトーさん棒読みだよ

良い質問だねもぇ、ユーキちゃんスクール水着柔道というのは、今、ロサンゼルスのナウでヤングな若者に大人気の新感覚のハイパー・グラップリング・アップデート・アンビリーバブル・スポーツなんだよっルールは簡単、スクール水着に柔道着の上だけ着て闘うだけっ

うわー、とっても楽しそうですねぇ

 サイトーさん、もう少し楽しそうにして

試合は1ラウンドのみの3分間相手に柔道着の帯を解かれるか、両肩がマットに触れたら負けっ

両肩がマットに触れたらってプロレスみたいな、1、2、3って数えたりするのは無しなんですか

そういうのは一切無しっ両肩が付いたら負けっだから、試合がサクサク進むよーんっ

 へえそういうルールになったんだ  まあイーディが、ほんの数週前に作ったもんだしなあ

そんで、今日はお披露目のエキシビション・マッチだから3分間で勝敗がつかない場合は、そこで終了、延長戦は無し試合は、両者とも負けということになりますっ

えっ、奈島さん普通は、そういう場合は引き分けなんじゃないんですか

ザンネーン、スクール水着柔道の理念では勝者以外は全て敗者っだから、引き分けは負けなのよっぬふふふふっ

 ああ実にイーディらしいルール設定だ

それでは、みんなお待たせっ出場選手の登場だよっ

 寧が、カメラにニッコリと微笑む

えーと、スクール水着柔道では赤コーナー側を小説家のイササカ先生チーム、青コーナー側を画家のハマさんチームと呼びます

それでは、イササカ先生チームからっ出て来いやぁっ

 寧の叫びとともに控え室のテントから、まずはルドルフ聖子さんとライン晴子さんが、スクール水着に柔道着の姿で現れる

えーと、まずは美魔女リーグに出場なさる、創作マーシャルアーツゴールデンバウム・ジム主宰のルドルフ聖子さんと、お弟子さんで女子高生の部に出場のライン晴子さんですっ

 サイトーさんのたどたどしい説明の中、美人師弟はリングに上がった  うーん、ルドルフさんのスクール水着姿はかなり無理があるけれどこの人は、女子格闘技界でも1、2を争う美人だから美魔女リーグの選手にはピッタリだと思う

ほらほら、晴子カメラは、あそこよカメラ目線、カメラ目線よっ

ルドルフさん

 ルドルフさんは、ノリノリだが晴子さんは恥ずかしそうだ  いつもは凛として試合に臨んでいるライン晴子さんが、こうも羞じらっているとこれはこれで、また新しい魅力を感じる

ルドルフさーん撮影しているのは赤いランプの点いているカメラだよっだから、今はあっちのカメラっ

 寧が、笑って教える

あら恥ずかしいわ、ゴメン遊ばせ晴子、あっちのカメラですって

 ルドルフさんは、カメラ目線でポーズをキメる

る、ルドルフ聖子さん、意気込みをどうぞ

 サイトーさんにそう言われると、ルドルフさんは

とにかく勝つわよーっ勝って勝って勝ちまくるわっわたくしも晴子もっわたくしたちゴールデンバウム・ジムの強さをご覧になってねイエーイ

 イエーイって、ルドルフさん  民放地上波による日曜日の昼間の放送に出るのが、そんなに嬉しいんだ  とにかく、この機会に自分のジムを徹底的に宣伝しようと思っているらしい

続きましてハマさんチームッ

ええと超実戦空手トミー・アシダ道場より、美魔女リーグに出場なさるモンキー・ミミさんと大ポロン・カリスマンさんですっ

 気合いの入った声とともに、ミミさんが控え室のテントから飛び出して来る  そして、そのままタタタンっと金属の階段を駆け上がり、ロープをぴょんと飛び越えてリングに立つ

ちょいやぁぁルドルフ聖子は、あたしが倒すっ

 ミミさんは、中指を立ててルドルフさんを挑発する

おおっ、ミミさん早速の勝利宣言だよっ

 寧が笑うと、遅れて控え室からポロンさんが現れた

ミミちゃんそんなにイキドオってはダメどすわぁルドルフさんを倒すなんて、うちらにとっては当たり前のことなんどすえ

 相変わらずのインチキ京都弁とともに、のほほーんとゆっくりリングに上がった

はーい、皆さん、おはようさんどすうちがトミー・アシダ道場のポロンどす

あたしがモンキー・ミミだっあちょーっ

 こっちの2人は、迷うことなく赤ランプの点いたカメラに向かってポーズをキメる

ほいほい、それでは再び、イカカサ先生チームッ出て来いやぁっ

はい次のお二人は、女子高校生の部に出場のチーム・クロモリ、工藤遙花さんと剣道マリアさんですっ

せいやぁっ

そいやっ

 工藤遙花と剣道マリアの女子高生コンビが、軽やかにリングに駆け上がって来る  工藤姉は真面目な性格だから変なアピールは一切しない  剣道マリアも、大人しく遙花に付いていく

えーと、工藤さんは昨年度の女子高校生空手チャンピオンでいらっしゃるんですよね

 サイトーさんが、工藤遙花に尋ねるが

そんなのは、もうずっと昔のことよっ過去は過去っ

そうだ、時はキターッ

とにかく、今日は精一杯やるだけですっ

時はキターッそれだけだぁっ

 工藤遙花はともかく剣道マリア、お前は何が言いたいんだ

そして最後のハマさんチームッッ

グレース・マリンカさんとイーディ・セクストンさんですっ

 シュバッとグレースさんが、控え室のテントから走り出ると  小気味よく、カンカンカンと階段を昇ってその大きな身体からは、全く想像できない軽やかさで、ふわっとロープを飛び越えリングに立つ

フンッ

 高く片手を天に突き上げカメラでは無く、リングの四方の観客たちに順番にアピールしていく  寧の冒頭の挨拶から、呆気に取られていた観客たちから大きな歓声が起きる

やっぱり女子プロレスラーとして、ずっと試合に出ていた人だからリングの周りの観客を沸かすことに慣れているのね

 そんなイーディの声が、控え室のテントから聞こえたかと思うと  シュババババババッ  もの凄いスピードで、イーディはリングへ駆け上り  まるで瞬間移動したみたいにコーナーポストの上に、スッと立っていた  イーディが、鉄柱の上からリングの周囲の生徒たちに手を振る  グレースさんよりも大きな歓声が上がったのはイーディが、この高校の在校生だからだ  イーディが格闘技をやっていることは知らなくても