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 サイトーさんは、パンに食らいつく

ユーキ、そういう時はちょっと頭の悪い子みたいになるけれど、口の方をパンに近づけてパクッと食い付くのよその方がアイドルとしては、可愛く見えるから

 マネージャーの藤森さんが、そんな注意をする

そんなんじゃ、食レポの仕事が来たら困るわよ

 サイトーさんは、子供の様に大きく口を開けてパンに食らいつく  なるほどバカっぽいが、確かに可愛いらしく見える

あれれホントに美味しい

 サイトーさんは、驚いた顔をする

あら、ホントね学園祭の模擬店のパンなのに

 マネージャーさんは、上品にパンを小さく千切って食べていたがやはり味に驚いている

ああ、うちのパンはねっそこのパン工房で作った焼きたてなんだよっ

わたしたちの高校には、将来パン屋さんになる人のためのパン技能士コースというのがあるんですこれは、そのコースの生徒が焼いたパンですから

 寧の説明に、可奈センパイが付け足す

ああ、ちょうど来たわノブあなたのパン、美味しいって言ってくれたわよ

 可奈センパイが、オレに気付く  周囲にヤジウマが多すぎて、近寄るまではオレが見えなかったようだ

あああ、ヨッちゃぁぁん

 寧が椅子から立ち上がりオレに飛びついて来る

合唱部のことアリガトねっアリガトねっお姉ちゃん、とっても嬉しかったよぉぉぉ好き好き好きっ

 グラマラスな肉体をオレに押し付けて抱き締めて来る

ブー、ブー、ブー

 ヤジウマの男たちから、オレにブーイングが起こるが

いいでしょっ姉弟の愛情表現なんだからっ、外野は黙っててよんっ

 寧は、オレを抱き締めたままヤジウマたちを叱りつける

ええっとこの人、奈島さんの弟さんなんですか

 サイトーさんは、驚いている

そうそう、そうなのーっヨッちゃん、大好きっ

 寧そろそろ  周りの男たちの眼が怖い

えっとさっきもお会いしましたよね

 サイトーさんはオレのことを覚えていた  さっきはマルゴさんたちと一緒のメンバーにオレが居たもんな

はい吉田です

 オレは仕方なく名乗る

あれれ、どうして奈島さんの弟さんが吉田さん

ああ、それはねあたしの親戚のオジサンの前世の従姉の息子のお母さんの孫娘の結婚相手の大学の後輩がプラズマ・シンクロン理論によって結婚して離婚して再婚して駆け落ちしてオホーツクにオーロラを観に行った結果生まれたのが上野公園の大仏様だからだよ

 寧は、ニコニコと笑っている

今は顔だけしか残ってないんだよね胴体は戦争中に供出されちゃったんだってでも、顔だけでもう頭が落ちたりはしないっていうことで、今は受験のお守りとかになっているんだよ上野大仏ヨッちゃん、今度、お姉ちゃんとお参りに行こうネっ

お邪魔しますわっ

 リエとエリが、割り込んで来る

あああーっ、いつもテレビで観ている双子ちゃんだぁぁ

 サイトーさんは、大きな声で驚く

お邪魔邪魔邪魔、お邪魔んま

 その2人の前にさらにキヌカが現れた

どうしたのか、キヌカなぜ、そんなに不機嫌なのだ

 ミタマが、キヌカに声を掛けたので

えっ、えっ、えーもしかして、この子

左様我が妹にして、ステルス・キヌカの正体だ

ステルス・キヌカとは、わたくしのことでございますっ

 キヌカは、ササッとテレビの時に付けている布の忍者頭巾を被る

うわぁぁ、本物だぁぁっ

 サイトーさんは、ホントに雪乃の番組をよく観てくれているんだな

お姉様お一人だけ楽しまれたようで、ズルぅございます

これもお役目キヌカに文句を言われる覚えはない

 ミタマは、妹を睨むと

されどお前が納得できぬというのなら、心ゆくまで相手をしてやろう、来い

お姉様、覚悟

 またカフェ・テラスの店先でミタマとキヌカの大道芸大会が始まった

安城流、炎のコマッちょいやぁぁ

真空地獄コマミラノ風ッッ

 ミタマが、真剣の切っ先で、ブオンブオンと大コマを回すと  キヌカは、ミタマの頭の上に片手で逆立ちしたまま自分がクルクル回っている

わぁぁ、スゴイ、スゴイですぅ

 サイトー・ユーキさんが、安城姉妹の妙技に拍手している  月子が、スッとオレに近寄る

五十嵐さんは、このままお屋敷へお連れ致します

 ああ同じ学校の茉莉花と松下真樹さんは、先にミナホ姉さんとお屋敷に行っている

麗華お姉様のお車に乗せていただくことになりました

 レイちゃんに連れて行ってもらうのなら、問題ない  オレは五十嵐さんを見る  彼女は、とても暗い顔をしていた

心配するな、すぐに松下さんたちと合流できるからそれと、なかなか良い声だったぞ

 オレは、五十嵐イズミの声を褒めた  五十嵐イズミは、身体を月子に支配されたままだからそれ以上は答えられない

ヤッちゃんオレ、メグを迎えに行って来るから

ああ、そっかうん、そろそろだよねっ判った、行っといでヨッちゃん

 寧が、ようやくオレを放してくれる

メグちゃんによろしくねっお姉ちゃんは、ここでもう少しサイトーさんとお話しているからっ

 サイトー・ユーキさんはミナホ姉さんが、デススター・プロから奪い獲ることになっている女性タレント部門に所属している  オレは明日、デススター・プロに行くことになっているから  会社の内情なんかを、サイトーさんとマネージャーさんから聞き出してくれるんだと思った

うん、じゃあ行ってくるよお姉ちゃん

行ってらっしゃい、ヨッちゃん

 オレはメグの居る女子陸上部のグラウンドへ向かう  オレの後ろから警護の黒瀬安寿が追って来る  さてとどういうルートで行こうか  取りあえずイーディたちの様子も見たいから、校舎の中を抜けて校庭へ出て、そこからグラウンドへ向かうことにした  ああ、大分、空が暗くなって来た  もうすぐ日が暮れる  校庭に出るとさっきのスクール水着柔道大会の余韻がまだ残っていた  ただしリングも、リングの周囲の台もすでに半分以上が解体されて、トラックに積み込まれている  ホントに、簡単に組み立てられてすぐに解体できるんだ  イーディが、オレに気付いて走って来る  もうスクール水着柔道の格好ではない  学校指定のジャージの上下に着替えて、作業をしていたようだ

みんなと観てたぞ、スゲェ、面白かった

 オレがそう言うと、イーディは嬉しそうに笑った

ネットを見てみたケレド、ナカナカ反響が良いのヨ上手くいったヨ

 もう調べたんだ

マルゴがネタカサキに、アメリカへ行く前に、もう少しアタシたちの日本での知名度を上げろって言われていたノヨ