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は、はい東京だよ、おっかさん

 言われた通りにサイトーさんがセリフを言うと  克子姉が、オレたちの写真を撮った  意味不明な歓声が上がると  いつの間にか、フォークダンスの曲は終わっていた

はい、克子撮影ご苦労様

ごくろーさま、うししっ

 渚が克子姉からカメラを返してもらおうと、手を差し出す  克子姉は、カメラを渡した  渚は、そのカメラを構えて克子姉の顔をパシャリと撮る

あんまりあなたが、情けない顔をしていたから撮ったのよ

 渚は、ニコッと克子姉に微笑む

だってあなたは

あたしのことは関係でしょ克子、あなたはあなた自身の気持ちに素直になるべきよ

 渚はそう言うと

あたしは、あたしの意志で踊ったわ克子、あなたは踊らないの

後夜祭で恋人同士のカップルがフォークダンスを踊るというの元ネタはスクールデイズになんですけれど

わたしは男子校だったので、そういうのはホントは良く知りません

ただスクールデイズは、シナリオライターが、ちゃんと下調べをする人だと聞いたので

そういうイベントがある学校が、どこかに本当にあるんだろうなあと思っていました

スクールデイズの劇中では、後夜祭のキャンプファイアーの回りをカップルが良いムードで踊っていましたが

いや、これはフォークダンスの曲を使ってなかったからで

実際のいわゆるフォークダンスの曲が流れていたとしたらこれは、かなりマヌケな感じになると気付きました

ということで多少路線変更しました

大学の時に、学科のクリスマスパーティがあって、そこではチークタイムがありました

そしたら、同級生で一か八かで、たくさんの学生が見ている前で好きな後輩の女の子にオレと踊ってくれをやったオトコが居まして

そいつは後輩の子に先輩、そういうのは冗談でも止めて下さいと言われてそいつは、チークタイムが始まる前に、会場の階段の下で号泣しまして

わたしはアイツ、目障りだから何とかしろと先輩に命じられて泣いてるオトコを会場から連れ出そうとしたのですが

そいつが泣きじゃくって、動こうとしなくて困り果てててたところに

見かねた武闘派の男の後輩が先輩、目障りなんでサンドバッグになって下さいと、泣いている男の肩をボカボカ殴って、会場の外へ追い出しまして

そいつのカバンとかコートとかを渡しにいっている間にチークタイムは終わっていました

今となっては、何もかも悲しい思い出ですね

1407.学園祭2日目 / 祭りのあと(その6)

・サイトー・ユーキ/17歳(西塔夕貴)デススター・プロモーションM&M・セクショ

 渚が不敵な笑みを浮かべて克子姉に言う  ちょうど、ダンスの音楽が途切れたところだから生徒たちが、克子姉と渚に注目する

今度は、何が始まったの

 渚が真緒ちゃんとフォークダンスに乱入して来てからミタマ&キヌカ、イーディとライン晴子さん、可奈センパイと愛、寧とサイトー・ユーキさんと、次々に色んな子がダンスエリアに飛び込んだから、生徒たちは今度は何が起きるのかと、すっかり期待している

正直今年のダンスは面白すぎるぜ

ああ、いつもの年なら踊っているヤツラを冷やかして笑うだけなのによ

うん、予想外なことが続いているもんな

 そんな男子生徒たちの声が、ダンスエリアと観客を区切るバスケットボールのコートの白線の外側から聞こえた

はいはいはーいみんな、ちょっとお姉さんの話を聞いて下さーい

みんな、ママの話を聞いてくださーい

 渚と真緒ちゃんが、ニコニコ微笑んで大きな声で呼び掛ける  こんな美人母娘に言われたら誰だって注目する

はーい、皆さんこんばんは

こんばんわっうししっ

 まずは挨拶から

あたしは片貝渚えーと、皆さんの先輩になるのかなうーんまあ、いいか

 渚は、オレたちの高校に入学はしたがすぐに誘拐されたから、卒業はしていない

それでこの子は、あたしの娘の真緒です

真緒ですっ

 真緒ちゃんが、ペコッと頭を下げる  女子生徒たちの中から、そんな声が聞こえてきた

それで実は、あたし、ここに居る高梨克子とは、同窓生なのよねあたしも克子も同じ年に、ここの高校に入ったの

 渚は、朗らかにみんなに説明していく

ああ、やっぱり克子さんは、うちの高校の卒業生だったんだ

 そんな声が聞こえてくるが

あー、ゴメンなさいえーとねまあ、この際だからブッチャケちゃうけどね

 渚は、明るい笑顔で克子姉を見て

まあ、ちょっと、とってもプライベートなことだから、あんまり詳しいことは話せないんだけれどあたしも克子も、どうにもならない理由があって高校は、卒業できなかったのよ

 克子姉は、寂しそうに微笑む

あたしの方はここにこの子が居るから、何となく理由は判るでしょ

 渚は、笑顔で真緒ちゃんの頭を優しく撫でる  これなら、生徒たちは渚の見た目の年齢から逆算して渚が高校生の内に、妊娠・出産して高校を辞めるしかなかったのだと思い込む

だけど克子が高校に来られなくなったのは、不名誉なことが理由じゃないわよ本当に、克子自身ではどうすることもできないことが起きたのあたしは知っているわあの時、克子がどれだけ苦しんだのかを

ちょっと渚、そういうのはいいから

 克子姉が、渚を止めようとするが

もうちょっとだけあたしたちが、ここの高校の生徒だった5年前も後夜祭のフォークダンスのイベントはあったわよねあたしは学園祭の前に学校を辞めちゃったから、当時は見ることもできなかったけれどそういうイベントがあることは知っていたわあの頃はもし、自分に恋人ができても恥ずかしいからゼッタイに踊らないって友達と話していたと思うけれどでも、やっぱりみんなの前で踊ってみたいっていう気持ちもあったわ

 穏やかに話す渚の言葉をみんなは、静かに聞いてくれていた

だからゴメンなさいかなり無理矢理だったけれど、さっき、娘と一緒に無理矢理乱入して、踊らせてもらっちゃいました恵美ちゃん、吉田くん貸してもらっちゃってゴメンなさいねちゃんと、後でお礼はするから

お礼はするからねっ、メグミちゃん

 渚と真緒ちゃんは自分たちが、オレやメグとは親しい間柄なのだということを強くアピールする

だけど、おかげであたしは満足できました高校を辞めなくちゃいけなくなった時からの胸のモヤモヤが晴れましたありがとうございますっ

 渚と真緒ちゃんはオレたちでなく、在校生全員に頭を下げた

であたしのことは、オシマイここからは克子、あなたのことなんだけれど

克子ちゃんのことなんだよっ、うししっ

 渚と真緒ちゃんは挑戦的な瞳で克子姉を見る