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何か、大騒ぎになってしまって済みません

 オレは、ようやくお客様たちの居るテーブルに座った  松下真樹さんと美樹さん姉妹と五十嵐イズミ真樹さんとイズミと同じ学校の茉莉花、そして茉莉花の妹のエリカそして、まり子が座っている  美樹さんは、ヴァイオリンケースを抱き締めたままだ

もう大丈夫ですよもう勝手に持ち出そうとする子はいませんから

 オレがそう言っても、美樹さんは

はいですが

 美樹さんは、亡くなったお父さんに買ってもらったこのヴァイオリンをお祖父さんに売られてしまいそうになっている  クリトの行為が、改めて美樹さんにヴァイオリンの問題を思い起こさせてしまったようだ

わたしがお預かりして、持っていますわだから、美樹さんはアイスクリームを召し上がって下さい

 エリカが笑顔で、美樹さんに言う  二人とも14歳で今日は昼からずっと一緒に居たから、もう気心が通じている  エリカが一流監査法人の社長の娘だということも、もう話しただろう超お嬢様校の中等部のスターと呼ばれているエリカは、言葉も仕草も上品だ  大切なヴァイオリンを傷付けるようなことをする子ではないことは、美樹さんも判っているはずだ  美樹さんがエリカにヴァイオリンケースを預けるとエリカは、大事そうに抱えて持った  美樹さんは安心して、自分のアイスクリームの皿を取る

まあ美味しいですわ

うちのアイスクリームは自家製なんだよっ

 寧も、オレたちのテーブルに合流した

あの大変でしたね

 姉の16歳の松下真樹さんが、オレに言う  クリトの騒ぎは、何とか治まったけれど確かに大変だった

ああの子たちのことは、大体エリカさんが話していたわ

 まり子が、オレに報告する  さすがにあの外国少女たちが、全員人を殺したことのある元・暗殺者だということは話していないだろうが  東南アジアから連れられて来た孤児であることぐらいは話したか  取りあえず、オレたちが、どういう理由か判らないけれどこの13人の子を引き取ることになったということだけは  まり子もエリカも、オレたちとキョーコさんとの間の詳しいことまでは知らないし

まだうちに来たばかりだから、今は手が掛かるのは仕方ないですでも、あの子たちなら、うちの家族に馴染むまでそんなに長い時間は掛からないですよ

 オレは、美味そうにアイスを食っている13人の少女たちを見て言う  真樹さんが、不思議そうに尋ねた

ええ、みんな頭の良い子たちですからオレたちが可能性を示せば、すぐに自分で生きていく道を決めていきますよ

 むしろ一番ビビリだったクリトが、これを機会に家族と馴染めば他の子もクリトに続くと思う

ちょっといいかしら

 アーニャがドリィとアナを連れてやって来る

この子たちがあなたに相談したいことがあるんだって

 少女暗殺者のリーダー格のドリィと妹のアナ  二人とも東南アジア出身らしい褐色の肌をしているけれどヨーロッパ人の血も入っているから、目鼻立ちはくっきりしている

ああ聞くよ相談なら何でも

 オレは、さっきこの子らにそう命じたばかりだ  どんなことでも勝手にやらないで、まずオレに相談しろと  するとドリィがアーニャに何かを話す  アナも、その後アーニャに話した

あー、なるほどそういうことね

 アーニャは、ドリィとアナの話を一通り聞いてからオレを見る

ドリィは、何だって

うーんとね彼女と彼女の妹はね

 アーニャは、ニヤッと笑って言う

今すぐ、あなたの子供を妊娠したいって言っているのよ

さあ、何て返事する

 アーニャは、クスクスと笑い出した

に、妊娠ッ

 今までこの場の雰囲気に呑まれて黙り込んでいた五十嵐イズミが驚きの声を上げる  松下姉妹も驚いている  ドリィとアナは16歳と14歳  松下真樹さんと五十嵐イズミは茉莉花やオレと同学年だから16歳  松下美樹さんは、エリカと同じ14歳  自分とほとんど年齢の変わらない娘が妊娠したいと言い出したことに、ショックを受けたようだ  もちろん、寧や茉莉花やエリカは平然としている  オレたちの家族には、16歳でオレの子を孕んでいる雪乃という実例がいるから今さら驚くことではない  もちろん孕ませた張本人のオレも

何で妊娠したいのか聞いてくれ

 平然とアーニャに言う  すぐにアーニャが、二人に尋ねた

あの13人を落ち着かせるためには、誰かしら早急にあなたの子を産む方が良いと思うからだって言っているわ

 ドリィとアナの言葉をアーニャが訳す

それなら自分たち姉妹が、真っ先に妊娠するって

 ドリィとアナの言っていることは、理解できる  少女暗殺者たちはの不安は、オレに見捨てられて、ここから放り出されるかもしれないという恐怖から来るものだ

オレの子を妊娠・出産すればそこに子供という絆ができる

そうなれば、とりあえず突然追い出されるようなことは起きないだろう安心して、ここで暮らすことができる

 だが少女暗殺者たちは、全員処女だ  頭のおかしい同性愛者の女ボスに飼われていた子だからセックスの経験は無い  妊娠や出産にも、恐怖を感じているだろう  だからこそ、少女暗殺者たちのリーダー格であるドリィとアナが、率先してオレとセックスして妊娠・出産する様子を他の子に見せることで  他の子も、オレの子を産むことを恐れなくしようというのだろう

そういう理由ならダメだ

 オレは、キッパリと答えた  アーニャが訳したオレの言葉を聞いてドリィたちは困惑の表情を浮かべる

なぜダメなのかって聞いているわ

そんな理由じゃ、生まれてくる子が可愛そうだからだ

ドリィやアナが、子供が欲しくて妊娠するんならいいそうじゃなくて、お前たちが仲間の気持ちを落ち着かせるために子供を産むなんていうのは間違っている

 妊娠したり、出産する様子を仲間に見せるためだけに子供を産むなんてことやってはいけないことだ

どんな子供も親に愛されて、必要とされてこの世に生まれてくるべきなんだ親の勝手な都合で生まれて来るなんてことは、絶対にやっちゃいけない

 オレの言葉をアーニャが伝えると  ドリィとアナは、厳しい表情になった

わたしたちは、そうではなかったって言っているわわたしたちは、親に愛されず必要でないのに生まれただから、こういう身の上になったって

 東南アジアのスラム街に生まれて親に捨てられ孤児になったから、彼女たちは少女暗殺者として生きる運命に堕ちた  全ての子供が親に愛されて生まれるべきというのは、ただの理想で現実とは違うとドリィは憤っている

オレだって、そうだオレだって親に捨てられた子供だ